シリーズ 移動知 第4巻 社会適応 −発現機構と機能障害─

生物の社会的適応行動における知の発現と機能障害を解明!

このような方におすすめ

知能システム,ロボティクス,制御システム工学,認知科学,脳神経科学分野の技術者,研究者,大学院生
  • 著者太田 順,青沼仁志 編著
  • 定価5,280 (本体4,800 円+税)
  • A5判 276頁 2010/03発行
  • ISBN978-4-274-50279-8
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ヒトや動物,ロボットなどの適応的な運動機能の形成には,「身体」を介して,環境・他者・社会との多様な相互作用を生み出す「移動」という行為が重要です。

本シリーズは,「移動知」という新たな視点から適応的運動機能の発現メカニズムと,その背後にある共通原理を記述した4巻より構成される専門書で,かつ大学院生向けテキストです。

本巻(第4巻)では,生物の社会的適応行動の機能解明を目指して,数理モデルに基づく新しい方法論に言及します。その例として,コオロギ集団の順位形成,シロアリのカースト機能形成,キンカチョウの知識共有機能をとりあげます。さらに,ヒトの社会適応機能障害の一つである自閉症の理解ならびに治療について述べます。

https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274502798/
第1章 生物の社会適応機能の解明に向けて
第2章 行動選択−コオロギは集団内でどのように振る舞うか?
第3章 役割分担−シロアリのカースト分化機構とその進化を知る
第4章 知識共有−メス鳥はオス鳥のさえずりをどのように理解しているのか
第5章 他者理解−他者の意図と自己の行為を理解する
第6章 自閉症の理解と治療に向けて
索引
第1章 生物の社会適応機能の解明に向けて
1.1  社会のはじまりと適応機能の獲得
1.2  シンセティック・ニューロエソロジーの概要
1.3  生物システムの理解から工学応用への展開
1.4  参考文献

第2章 行動選択−コオロギは集団内でどのように振る舞うか?
2.1  生物の社会適応行動と順位形成
2.2  コオロギ間の闘争とコオロギ集団の挙動
2.3  コオロギの社会適応行動のモデル化
2.4  ロボット制御への応用―群ロボット系の行動制御
2.5  参考文献

第3章 役割分担−シロアリのカースト分化機構とその進化を知る
3.1  社会性昆虫におけるカースト間の分業
3.2  シロアリのカースト分化における表現型改変機構
3.3  シロアリの役割分担機構の数理モデル
3.4  群ロボットシステムの役割分担制御への展開
3.5  参考文献

第4章 知識共有−メス鳥はオス鳥のさえずりをどのように理解しているのか?
4.1  鳥の音声コミュニケーション
4.2  鳥脳の構成と神経回路
4.3  種々のイメージング技術を用いた鳥脳神経回路の可視化
4.4  海馬における情報処理
4.5  鳥の海馬では結局何が行われているのか?
4.6  参考文献

第5章 他者理解−他者の意図と自己の行為を理解する
5.1  他者の視線や意図を読み取る神経メカニズム
5.2  自己の意志作用感に関する認知メカニズム
5.3  統合失調症および脳梁損傷におけるagency の異常について
5.4  視覚制御による自己行為の認識フォワードモデル
5.5  参考文献

第6章 自閉症の理解と治療に向けて
6.1  自閉症とは
6.2  自閉症の脳
6.3  遺伝子に関する知見
6.4  応用行動分析による集中治療
6.5  社会性発達の鍵はどこにあるのか
6.6  参考文献
索引