群像としての丹下研究室 戦後日本建築・都市史のメインストリーム

なぜ、大学の一研究室が国家的プロジェクトを実現できたのか。 丹下健三研究室の数々の名作に潜む「<建築>の本義」に迫る。

このような方におすすめ

建築・都市工学科の学生,建築論・建築史・意匠系研究室,建築家,構造家,デザイナーほか
  • 著者豊川 斎赫 著
  • 定価4,320 (本体4,000 円+税)
  • A5 402頁 2012/05発行
  • ISBN978-4-274-21200-0
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戦後日本建築界における国家的プロジャクトを一手に手がけ、磯崎新や槇文彦、黒川紀章など世界的建築家を数多く輩出した東大・丹下健三研究室。

本書は、個人としての天才・丹下健三を語るのみではなく、丹下研究室を「群像」として捉えた異色作。丹下と丹下研OB、その周辺人物との関係を追い、膨大なリサーチや理論研究を精緻に分析、それらと実作・計画案といかなる緊張関係にあったかを鮮やかに描き出す。

豊川斎赫、鮮烈なるデビュー作。

豊川斎赫の作業の持つ意義は大きい。

これから著されるすべての世界現代都市・建築史が必ず参照することになると私は思っている。

――磯崎新(建築家)

https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274212000/
巻頭:推薦文―磯崎新



第I編 アジアにおけるアテネ憲章の実践
 1章 広域の「労働」の把握による国土計画
 2章 経済を主導する「住居」
 3章 「移動」の把握による「都市のコア」建設
 4章 「余暇」の変容と「建築」の変容

第II編 「衛生陶器」を乗り越える冒険性の諸相
 5章 丹下健三の西洋哲学論:「ミケランジェロ頌」から空間論へ
 6章 伝統論と創作方法論:慰霊、庭園、モデュロール
 7章 エンジニアとの協働:50年代の意匠・構造・設備の自律と連関

第III編 諸技術・諸情報の統合術
 8章 丹下健三の象徴論:「国立屋内総合競技場」と「東京カテドラル聖マリア大聖堂」
 9章 情報化社会論:国土開発地図と建築のアクティビティ
 10章 大阪万博:「空間」から「環境」へ

エピローグ 
巻頭:推薦文―磯崎新



第I編 アジアにおけるアテネ憲章の実践
 1章 広域の「労働」の把握による国土計画 
  1.生産力拡充による都市・国土の再編:内務省、企画院、建築家
  2.丹下健三と大林順一郎による国土計画批判と生産力分析
  3.下河辺淳による工業集積を通じた生産力分析
  4.港湾開発と「東京計画1960」
  5.結び:「成長を設計する」半官半民のシンクタンク
 2章 経済を主導する「住居」      
  1. 住宅問題一般:「労働の再生産の基地」のモデル化
  2. 住宅経済と宅地問題:収支的側面のモデル化
  3. 標準化と集合化:国民住宅から国土計画へ
  4.特殊解としての「自邸」
  5.結び:住宅は建築ではない
 3章 「移動」の把握による「都市のコア」建設     
  1. 戦前・戦後における圏域への視点
  2. 「核と圏域の構造/都市再開発と建築形態」の解析過程
  3. 諸分析を統合する「都市のコア」
  4.結び:21世紀の東京を捉える指針としての「東京計画1960」
 4章 「余暇」の変容と「建築」の変容     
  1.総力戦下の余暇の活用:「観光=厚生」論
  2. 広域レベルの観光開発論:消費革命以後の地域開発
  3. 建築レベルの観光開発論:万博までの「遊びの空間」の実践
  4.結び:余白と余暇の善用

第II編 「衛生陶器」を乗り越える冒険性の諸相
 5章 丹下健三の西洋哲学論:「ミケランジェロ頌」から空間論へ
  1. 丹下健三「ミケランジェロ頌」と立原道造「方法論」
  2. シェリング自由論からみた丹下健三の「空間論」の位相
  3. 発生論的建築論の再解釈:「国立屋内競技場」読解のための助走
  4.「 東京カテドラル聖マリア大聖堂と「国立屋内競技場」の発生論的読解
  5. 結び:身体性から読み解く丹下弁証法
 6章 伝統論と創作方法論:慰霊、庭園、モデュロール 
  1. 丹下研の上部構造:丹下による唯物論と伝統論
  2. 丹下研の下部構造:伝統論と乖離した創作の輝き
  3. 丹下研の外部構造:慰霊空間の創出
  4. 結び:丹下研の上部・下部・外部構造
 7章 エンジニアとの協働:50年代の意匠・構造・設備の自律と連関 
  1. 丹下・坪井研によるシェルとプレートの創出
  2. 浅田孝による外装/空調制御/監理
  3.結び:技術への「洞察力が強力な構想力に転化する」瞬間への賭け

第III編 諸技術・諸情報の統合術
 8章 丹下健三の象徴論:「国立屋内総合競技場」と「東京カテドラル聖マリア大聖堂」
  1. 「国立屋内総合競技場」(1961-1964)
  2. 「東京カテドラル聖マリア大聖堂」(1961-1964)
  3. 結び:サイエンス・アプローチと一作ごとに深まるディテール
 9章 情報化社会論:国土開発地図と建築のアクティビティ 
  1. 浅田孝の原子力時代論
  2. 丹下研の情報化社会論:中枢管理機能論と国土開発地図
  3. 実作におけるコミュニケーション理論の展開
  4. 結び:情報化社会を先取りする国土開発地図
 10章 大阪万博:「空間」から「環境」へ   
  1.テーマ決定過程における「都市」の位相
  2.会場計画策定における「都市」の位相
  3. 万博開会後の「未来都市」の総括
  4. 結び:70年代に孵化する「お祭り広場」

エピローグ