発見・予想を積み重ねる ―それが整数論

一番やさしい整数論―暗号理論・フェルマーの定理・abc予想まで学べる、数論の集大成

このような方におすすめ

教養科目としての数学受講生
代数学・解析学を学ぶ前の数学科の学生
高校教員 (大学の数学の紹介として)
数学・整数論愛好家
数学に興味がある(った)退職世代
暗号関係のエンジニアで、数学的仕組みを知りたい方

高校教員 (大学の数学の紹介として)
アマチュア数学家
昔は数学に興味があったが、別の仕事に就き今は退職した世代
暗号関係のEngineerで、数学的仕組みを知りたい方
  • 著者安福 悠 著
  • 定価3,520 (本体3,200 円+税)
  • A5 368頁 2016/12発行
  • ISBN978-4-274-21969-6
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 整数論(数論とも呼ばれる、number theory)とは数、特に整数およびそれから派生する数の体系(代数体、局所体など)の性質について研究する数学の一分野で、「フェルマーの最終定理」等が有名です。

 本書は「読み物」ではなく、かつ単に問題を解く教科書でもない、考え方に重きを置いた本を目指します。本書の大きな魅力は、数学の専門書以外ではあまり扱われることがなかった定理も証明し、興味を持ってくれた人にはわかってもらうよう、イラストを入れ、詳細な説明を行います。数論は決して易しい学問ではなく、特に「abc予想」等は難問として超有名ですがこれをゴールとすることで、明確な目標を提示できる書籍となります。

https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274219696/
第1章 古代ギリシャの数学者ユークリッド―最大公約数の計算の画期的な方法
第2章 素因数分解と抜群の相性のものは―数論的関数
第3章 ガウスが魅せられた宝石とは―平方剰余
第4章 4 で割って1 余る素数と,3 余る素数のどちらが多いの?―素数の分布
第5章 √2 と一億分の一の差となる分数のうち,最小分母のものは?―ディオファントス近似
第6章 座標が有理数である平面曲線上の点―ディオファントス幾何のはじまり
第7章 a+b=c から始まる深い世界―abc 予想,フェルマーの定理,ボエタ予想
第8章 整数論は社会でこっそり活躍,セキュリティの強化―RSA 暗号,署名,楕円曲線暗号,ベアリング暗号
まえがき
第1章 古代ギリシャの数学者ユークリッド―最大公約数の計算の画期的な方法
1.1 巨大な2つの数でも求められる最大公約数―互除法を用いて
1.2 整数論にとっての原子の世界―素数と素因数分解
1.3 余りが同じなら同じ扱い―合同式
1.4 整数が1/3の役目―合同式での逆数
第2章 素因数分解と抜群の相性のものは―数論的関数
2.1 孫子の助けを得て―中国剰余の定理とオイラーφ関数
2.2 小といえども強力―フェルマー小定理とオイラーによる拡張
2.3 聖なる完全数―σ関数の活躍
第3章 ガウスが魅せられた宝石とは―平方剰余
3.1 2のべき乗で全ての余りを網羅できるのか?―原始根とアルティン予想
3.2 余りが平方数と同じになるとき―合同2次式
3.3 素数p と素数q の見事な連携―平方剰余の相互法則・補充則
3.4 ガウスの8 つの証明のうちの3番目―ガウスの予備定理と長方形にて
第4章 4で割って1 余る素数と,3 余る素数のどちらが多いの―素数の分布
4.1 新しい数論的関数を創作する方法と戻す方法―メビウス反転
4.2 数論的関数の全情報をまとめよう―ディリクレ級数とオイラー積
4.3 素数の性質が凝縮―リーマン・ゼータ関数
4.4 余り1 も余り3 も同頻度!―交差4の場合のディリクレの算術級数定理の証明
第5章 √2 と一億分の一の差となる分数のうち,最小分母のものは―ディオファントス近似
5.1 100 年以上の挑戦の末のフィールズ賞―ロスの定理までの近似定理の歴史
5.2  x^3− 2y^3 = 1 の整数解―トゥエ方程式への応用
5.3 2^x3^y5^z の形の3つの整数a, b, c がa + b = c を満たすとき―単数方程式への応用
5.4 0.1234567891011121314…は整数係数方程式を満たすの?―超越数への応用
5.5 √2 をなるべく少ないビット数で分数表示するには―連分数,最良近似と,ペル方程式
第6章 座標が有理数である平面曲線上の点―ディオファントス幾何のはじまり
6.1 ピタゴラス数を全て求めよう― x^2 + y^2 = 1 の場合
6.2 曲線がなめらかでないと―平面3次曲線が特異点を持つとき
6.3 平面3 次曲線がなめらかだと―楕円曲線
6.4 次数をさらに上げると―ファルティングスの定理
第7章 a + b = c から始まる深い世界―abc 予想,フェルマーの定理,ボエタ予想
7.1 ロスの定理の強力版―abc 予想の紹介
7.2 フェルマー最終定理も導ける―ディオファントス方程式への応用
7.3 漸化式で数列を作ると,毎項新しい素数が現れるの?―数論的力学系への応用
7.4 abc 予想よりもさらに先へ―ボエタ予想
第8章 整数論は社会でこっそり活躍,セキュリティの強化―RSA 暗号,署名,楕円曲線暗号,ベアリング暗号
8.1 ヒント(鍵)があればすぐ計算できる―合同式でのべき乗根計算
8.2 世のためになった整数論―RSA 暗号の発明
8.3 原始根も役に立つ―離散対数
8.4 「あなたは本物?」に答える整数論―ディジタル署名
8.5 素因数分解が役立つならば楕円曲線も―楕円曲線暗号
8.6 実は楕円曲線暗号はアブない―ペアリング暗号へ
付録 解析学より
A.1 三角不等式
A.2 級数の収束判定
A.3 テイラー展開
参考文献
索引