OHM大学テキスト 量子物理

全国の多くの大学のカリキュラムやシラバスに合った、「量子物理」の新たな定番テキスト

このような方におすすめ

電気・電子・通信系学科に所属する大学学部2、3年生
  • 著者森 伸也 編著
  • 定価2,860 (本体2,600 円+税)
  • A5 240頁 2012/11発行
  • ISBN978-4-274-21289-5
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 電気・電子・通信系の大学学部向け2単位用のテキストシリーズの一巻。

本書は、電気・電子・通信系学科の専門課目である「量子物理」の講義用教科書。量子物理の概念の解説からはじめ、半導体デバイス工学や電子物性につながる内容を意識して、シュレディンガー方程式、ハイゼンベルグ方程式、角運動量とスピンなどの道具立てや原子・分子モデルへの適用などをわかりやすく解説したものです。全体は1コマの講義の回数に合った15章構成をとっており、各章末とも理解度をチェックする演習問題を配しています。

https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274212895/
1章 シュレディンガー方程式
2章 交換関係と不確定性原理
3章 井戸形ポテンシャル
4章 調和振動子と格子振動
5章 トンネル効果
6章 ハイゼンベルグ方程式
7章 摂動論・変分法
8章 静電場・静磁場
9章 角運動量と電子スピン
10章 原子・分子
11章 同種粒子系
12章 バンド理論
13章 固体電子論
14章 電子輸送
15章 電子と光の相互作用

演習問題略解
参考文献
索引
1章 シュレディンガー方程式
 1.1 物質の粒子性と波動性
 1.2 波動関数
 1.3 シュレディンガー方程式
〔1〕 波動関数が従う微分方程式
 〔2〕 物理量を表す演算子
 〔3〕 波動関数から得られる物理量
 〔4〕 波束の運動
 〔5〕 確率分布に対する保存式
 1.4 定常状態
 演習問題

2章 交換関係と不確定性原理
 2.1 固有値と固有関数
 〔1〕 波動関数の内積と直交性
 〔2〕 自由な粒子に対する連続固有値問題
 2.2 物理量の演算子
 〔1〕 エルミート演算子
 〔2〕 物理量の観測
 〔3〕 演算子の例
 2.3 不確定性原理と交換関係
 〔1〕 位置と運動量の不確定性
 〔2〕 交換関係
 〔3〕 時間とエネルギーの不確定性
 演習問題

3章 井戸形ポテンシャル
 3.1 三次元問題から一次元問題へ
 〔1〕 直交座標系の場合
 〔2〕 極座標系の場合
 〔3〕 円筒座標系での場合
 3.2 井戸形ポテンシャル
 〔1〕 無限井戸形ポテンシャル
 〔2〕 有限井戸形ポテンシャル:束縛状態
 〔3〕 有限井戸形ポテンシャル:散乱状態
 演習問題

4章 調和振動子と格子振動
 4.1 調和振動子のポテンシャルと方程式
 〔1〕 古典的調和振動子
 〔2〕 量子的調和振動子
 4.2 エネルギー固有状態:解析的アプローチ
 〔1〕 シュレディンガー方程式の一般解
 〔2〕 エルミート多項式
 4.3 エネルギー固有状態:代数的アプローチ
 〔1〕 シュレディンガー方程式の昇降演算子による記述
 〔2〕 昇降演算子とエネルギー固有状態
 〔3〕 調和振動子の基底状態
 4.4 より複雑な問題への応用
 〔1〕 代数的アプローチの再考
 〔2〕 連成した調和振動子系の記述
 〔3〕 連成した調和振動子系のエネルギー固有状態
 〔4〕 固体の格子振動:フォノン
 演習問題

5章 トンネル効果
 5.1 トンネル効果とは何か
 〔1〕 トンネル現象
 〔2〕 トンネル効果と波動関数
 5.2 電子デバイスでの量子トンネル現象
 〔1〕 フラッシュメモリ
 〔2〕 ツェナーダイオード
 5.3 矩形障壁形ポテンシャルでのトンネル効果
 5.4 数値的計算手法
 5.5 解析的計算手法
 〔1〕 理論背景
 〔2〕 WKB法のトンネル効果への適用
 5.6 共鳴トンネル効果
 〔1〕 二重障壁形ポテンシャルを通したトンネル効果
 〔2〕 共鳴トンネル効果のメカニズム
 演習問題

6章 ハイゼンベルグ方程式
 6.1 状態ベクトル
 6.2 行列表示
 6.3 時間発展演算子
 6.4 シュレディンガー表示とハイゼンベルグ表示
 演習問題

7章 摂動論・変分法
 7.1 摂動論
 7.2 変分法
 7.3 時間に依存する摂動論
 演習問題

8章 静電場・静磁場
 8.1 電磁場中のハミルトニアン
 8.2 静電場中の電子運動
 〔1〕 スカラポテンシャルによる表現
 〔2〕 ベクトルポテンシャルによる表現
 8.3 静磁場中の電子運動
 〔1〕 ランダウゲージ
 〔2〕 対称ゲージ
 演習問題
 
9章 角運動量と電子スピン
 9.1 極座標でのシュレディンガー方程式
 9.2 球面調和関数
 9.3 軌道角運動量演算子と固有関数
 9.4 スピン角運動量と電子スピン
 9.5 磁場中の電子
 9.6 各運動量の合成
 〔1〕 二つの電子のスピン角運動量の合成
 〔2〕 一つの電子の軌道角運動量とスピン角運動量の合成
 9.7 スピン−軌道相互作用
 演習問題

10章 原子・分子
 10.1 水素原子
 10.2 ヘリウム原子
 10.3 元素の周期律
 10.4 分子軌道
 演習問題

11章 同種粒子系
 11.1 多粒子系のシュレディンガー方程式
 〔1〕 多粒子系
 〔2〕 2粒子系
 11.2 同種粒子の不可弁別性と置換対称性
 11.3 スピンと統計の関係
 11.4 2電子系
 11.5 独立粒子近似
 〔1〕 ボーズ粒子
 〔2〕 フェルミ粒子
 11.6 多電子系
 〔1〕 ハートリー近似
 〔2〕 ハートリー・フォック近似
 演習問題

12章 バンド理論
 12.1 周期構造とブロッホの定理
 〔1〕 結晶中の周期ポテンシャル
 〔2〕 ブロッホの定理
 12.2 クローニッヒ・ペニーモデル
 〔1〕 簡単化したクローニッヒ・ペニーモデル
 〔2〕 P→0およびP→∞の場合
 12.3 平面波展開法
 〔1〕 並進対称性
 〔2〕 逆格子ベクトル
 〔3〕 面心立方格子の逆格子ベクトルと第1ブリルアンゾーン
 〔4〕 シュレディンガー方程式の平面波展開表示
 〔5〕 空格子バンド法
 〔6〕 二波近似法
 12.4 代表的な半導体のバンド構造と有効質量近似
 演習問題

13章 固体電子論
 13.1 量子統計分布
 13.2 電子密度と状態密度
 〔1〕 電子密度
 〔2〕 波数空間の状態密度
 13.3 波数空間のフェルミ・ディラック分布関数
 13.4 エネルギー状態密度
 13.5 電子密度の解析表現
 〔1〕 非縮退半導体の電子密度
 〔2〕 金属の電子密度(T=0K近似)
 13.6 電子比熱
 13.7 ナノ構造の電子密度
〔1〕 量子井戸
 〔2〕 量子細線
 演習問題

14章 電子輸送
 14.1 拡散的伝導とバリスティック伝導
 14.2 ボルツマン方程式
 〔1〕 ボルツマン方程式の導出
 〔2〕 散乱項
 〔3〕 緩和時間近似
 〔4〕 平均自由行程λ
 14.3 ドリフト電流と拡散電流
 〔1〕 ドリフト電流密度
 〔2〕 拡散電流密度
 〔3〕 ドリフト電流と拡散電流の役割
 14.4 高電界輸送効果
 14.5 量子輸送効果
 〔1〕 ツ・エサキの電流式
 〔2〕 ランダウアー・ビュティカーの式
 〔3〕 バリスティックMOSFETの名取モデル
 演習問題

15章 電子と光の相互作用
 15.1 電磁波の古典論と量子論
 〔1〕 電磁場の波動方程式
 〔2〕 電磁場の量子化
 15.2 物質の光学定数
 〔1〕 分極と複素誘電率
 〔2〕 クラマース・クローニヒの関係
 〔3〕 光学定数
 15.3 光の吸収と結合状態密度
 〔1〕 直接光学遷移
 〔2〕 結合状態密度と臨界点
 演習問題

演習問題解答
参考文献
索引