最新図解 PM2.5と大気汚染がわかる本

PM2.5をはじめ,国を越えて広がる大気汚染のしくみをやさしく図解!

このような方におすすめ

大気汚染物質や大気汚染対策等に関心のある一般の方々、学生。
  • 著者饒村 曜 著
  • 定価1,760 (本体1,600 円+税)
  • A5判 168頁 2013/11発行
  • ISBN978-4-274-50473-0
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PM2.5や黄砂、酸性雨など、国を越えて広がる大気汚染についての基礎知識を網羅した書籍です。

・どのような物質で、どのように発生するのか

・健康にどのような被害をもたらすのか

・対策法はあるのか

・どのように観測されているのか

・国を越えた観測・発生予報の体制は整備されているか

・国家間でどのような取り決めがなされてきたのか

など、知っておきたい知識を図を交えて平易に解説しています。

また、大気汚染は気象のしくみと深く関わっているため、関係する気象現象の基礎知識についてもやさしく解説しています。

https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274504730/
第1章 PM2.5とは?
第2章 大気汚染の基礎知識
第3章 大気汚染の世界史、日本史
第4章 大気汚染の観測技術
第5章 国境を超えた大気汚染への対策
第6章 PM2.5などの大気汚染から身を守る
まえがき
第1章 PM2.5とは?
1.1 問題になりはじめた「PM2.5」
  ・増えている人為的な塵
  ・PM2.5とは何か
  ・PM2.5が注目されはじめた理由
  ・PM2.5とスギ花粉の相乗問題
  ・PM2.5は,どの程度危ないものなのか

第2章 大気汚染物質の基礎知識
2.1 塵とは何か
 (1)自然界に存在する塵と人間が作り出した塵
  ・大気は何で構成されているか
  ・塵とは何か
 (2) 自然の浄化作用
  ・大気中の塵はどう動くか
  ・塵の循環と生活圏への影響
2.2 塵が起こす気象現象
 (1)空の色
  ・青空と夕焼けを演出するレイリー散乱
  ・空が白っぽくなるミー散乱
  ・大気の光学的現象
 (2)凝結核と氷晶核
  ・塵が水滴や氷の粒を作る
 (3)雨の降るしくみ
  ・熱帯域の「暖かい雨」と中高緯度域の「冷たい雨」
  ・人工降雨=足りない条件を補って雨を増やす技術
  ・アメリカでのハリケーン制御
  ・日本の人工降雨
 (4) 黄砂の役割
  ・中国の砂漠化と黄砂の深刻化
  ・酸性雨の中和と地球温暖化の緩和作用
  ・海の植物プランクトンへの栄養補給
コラム1 空の果てはいったいどうなっている?
コラム2 地球温暖化の予測のカギは大気中の微粒子(エアロゾル)

第3章 大気汚染の世界史,日本史
3.1 世界の大気汚染
 (1)最初の大気汚染「産業革命」と「スモッグ」
  ・イギリスで発生した「スモッグ」
  ・「黒いスモッグ」と「白いスモッグ」
 (2)国内の問題から,国家間の問題へ
  ・カナダとアメリカの間で起きた「トレイル溶鉱所事件」
  ・「国家の監督責任」を問われる
  ・二国間の利益から多国間の利益,将来世代を含めた利益へ
3.2 日本の大気汚染の歴史
 (1)公害問題の発生
  ・近代化が産んだ公害
  ・汚染を希釈するために建てられた高い煙突
  ・日立鉱山の観測データ採取と活用
 (2)大気汚染調査の開始
  ・経済成長とともに起こったさまざまな公害
  ・現在も続く環境対策と観測によるデータ収集
  ・予測と防御─「光化学スモッグ」の予報と注意報
 (3)日本の近年の大気汚染
  ・国内だけでは解決がつかない「越境汚染」問題
  ・30年間で着実に減っている粒子状物質
  ・粒子状の物質の成分分析
  ・PM2.5削減には新しい技術が必要

第4章 大気汚染の観測技術
4.1 大気汚染に影響を及ぼす気象
 (1)視程障害と粒子状物質
  ・気象の定義の仕方
  ・気象発表の原則
 (2)風と雲
  ・大気汚染の程度を決める風
  ・沿岸部における風
  ・大気汚染で発生する雲
  ・ダスト・ドーム現象
 (3)偏西風
  ・日本付近はとくに西から汚染がやってくる
  ・地球をめぐる風
4.2 粒子状物質の観測体制の充実
 (1)微小粒子の測り方
  ・微小粒子をどうやって計測するか
  ・速報のための自動測定器
  ・積雪からも微小粒子が測れる
 (2)各物質の測定方法
  ・窒素酸化物の測定方法
  ・光化学オキシダントの測定方法
  ・二酸化硫黄の測定方法
 (3)リモートセンシング技術による観測
  ・エアロゾルライダーによる測定
  ・衛星観測と大気汚染モデルを組み合わせて予測する

第5章 国際的な大気汚染への取り組み
5.1 欧米の取り組み
 (1)ヨーロッパでの酸性雨対策
  ・酸性雨の実態解明からはじまる
  ・調査結果で,各国の認識が変わる
  ・長距離越境大気汚染条約の締結
  ・その後の地球環境問題解決のモデルに
 (2)アメリカ,カナダでの酸性雨対策
  ・両国が独自に観測網を構築
  ・独自の対策から共同歩調の対策へ
5.2 アジアでの取り組み
 (1)中国の大気汚染問題
  ・やればできる!北京オリンピックのきれいな空
  ・アメリカ大使館による観測結果の公表が中国政府を動かした
 (2)北京市での大気汚染悪化
  ・在北京アメリカ大使館での観測
  ・北京市で大気汚染が深刻になる理由
 (3)アジアでの取り組み
  ・大気汚染の世界地図
  ・深刻度を増している,広域汚染拡散
  ・難しい東アジア諸国の協調
 (4)東アジア観測ネットワークの構築
  ・ASEANでの煙霧協定
  ・東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)
  ・東アジア全体の協調に向けて
5.3 大気汚染気象予測モデル
 (1)数値予報の応用
  ・天気予報で発達した数値予報技術
  ・大気汚染の観測と数値予報モデルの利用
  ・発生源を逆算して推定する
 (2)航空機への火山灰情報
  ・数値予報をもとにした,精度の高い航空機向けの火山灰情報
  ・航空機向けのきめ細かいアナウンス

第6章 PM2.5と大気汚染から身を守るために
6.1 各自でできる大気汚染対策
  ・空気清浄機は役に立つか
  ・万能ではないが効果があるマスク
6.2 正確な情報収集と活用
 (1)自衛に役立つ正しい情報を収集する
  ・日本の公的機関の情報がすべて集約した「そらまめ君」
  ・自治体発信の情報
  ・そのほかのサイト
  ・インターネット情報で注意すること
 (2) 大気汚染に向き合って暮らしている人々を参考にする
  ・桜島の火山灰とつきあってきた鹿児島

索引