コグニティブインタラクション 次世代AIに向けた方法論とデザイン

人と自然にコミュニケーションするAI,ロボットを設計するための入門書.

このような方におすすめ

人工知能関係の学生,若手技術者・研究者
AIを活用した製品開発・システム開発を行う技術者
  • 著者植田一博・大本義正・竹内勇剛 共編
  • 定価3,520 (本体3,200 円+税)
  • A5 280頁 2022/07発行
  • ISBN978-4-274-22889-6
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コグニティブインタラクションは,従来の認知科学や情報科学だけではなしえていない,「状況に応じて,人と自然に,かつ持続的にインタラクションが可能な人工物を設計するための基礎理論」です.本書は,その入門書です.

AIやロボットが人の社会生活にとけこむためには,人と協調行動をとれなければいけません.それには,コミュニケーション,つまり,意思疎通の能力が欠かせません.しかし,言語によるコミュニケーションよりも,非言語情報によるインタラクションのほうが重要になることがよくあります.相手が人であれ,動物であれ,AIやロボットなどの人工物であれ,人は相手の意図や欲求などの心的状況を読み取り,それに適応した行動をとるという,コグニティブ(認知的)インタラクションを繰り返すことで,円滑に対話を行っていると考えられるからです.

第1章では,人とAIのインタラクションについて,人どうしのインタラクションや人と動物のインタラクションをベースに考える枠組を説明しています.第2章では,インタラクションを分析していくための概念や方法を説明しています.続く第3章では,取得したデータをモデルベースで分析するために必要な,データの表現方法について説明しています.最後の第4章では,第3章までに学んだ基礎的な概念や方法を用いて,実際にどのようなインタラクションの分析が可能なのかを,これまでの事例の中から特に興味深いものに絞って説明しています.

本書を読むことで,人どうし,あるいは人と動物の間のインタラクションで起きていることを理解するためだけでなく,人と自然にコミュニケーションするAI,ロボット,そのほかの人工物を設計するための基本がわかります.

https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274228896/
序章	「コグニティブインタラクション」とは
第1章 インタラクションの重要性と認知モデリング
第2章 インタラクション分析の基礎
第3章 データの定量的表現と変数
第4章 インタラクション分析の実際とポイント
序章	「コグニティブインタラクション」とは

第1章 インタラクションの重要性と認知モデリング
1.1 人と人工物のインタラクション
1.1.1 ユーザの心的状態を考慮することの重要性
1.1.2 ユーザの心的状態を推定する試み−適応インタフェース
1.1.3 ユーザと人工物のインタラクションを促進するためのエージェント化
1.2 コミュニケーションとインタラクション
1.2.1 社会性動物としての人
1.2.2 コミュニケーションの重要性
1.2.3 心の理論と非言語情報の役割
1.2.4 メラビアンの法則
1.3 AIとインタラクション
1.3.1 AI の急発展
1.3.2 コミュニケーション相手の状態を推定する
1.3.3 行動からの内部状態推定の可能性
1.3.4 推定における人とAIの違い
1.3.5 インタラクション相手と志向性を共有する
1.4 インタラクションのための認知モデリング
1.4.1 インタラクションの内部過程の理解
1.4.2 心理的インタラクション
1.4.3 認知アーキテクチャ
1.4.4 他者に対する働きかけの計画
1.4.5 他者のレベルに応じた働きかけ戦略
1.4.6 他者モデルの獲得
1.5 他者モデルのモデリング
1.5.1 データ駆動の学習方式の導入
1.5.2 他者モデルのモデリングに使用する機械学習の手法

第2章 インタラクション分析の基礎
2.1 仮説を立てる
2.1.1 仮説の立て方
2.1.2 インタラクション分析の特徴
2.2 仮説検証のための実験デザイン
2.2.1 検証すべき仮説の選定とその検証
2.2.2 実験の統制と実験結果の解釈の注意点
2.3 分析データの扱い
2.3.1 定性分析
2.3.2 定量分析
2.3.3 分析における一般的な注意点
2.4 インタラクションの基本的な時系列モデル
2.4.1 情報理論の基礎
2.4.2 時系列データのモデリング
2.4.3 隠れマルコフモデル
2.4.4 機械学習を活用した時系列データのモデリング
2.4.5 分節化
2.5 時系列データの因果関係の分析モデル
2.5.1 因果推論
2.5.2 時間と因果
2.5.3 グレンジャー因果性
2.5.4 移動エントロピー
2.5.5 因果探索
2.5.6 より高度な最近の分析手法
2.6 強化学習モデルによるインタラクション解析
2.6.1 行動主体からの時系列データ生成と意思決定のモデリング
2.6.2 コミュニケーションシグナルの推定
2.6.3 部分観測マルコフ決定過程と他者の信念の状態

第3章 データの定量的表現と変数
3.1 表情と視線にかかわる変数
3.1.1 インタラクション研究における顔の表情と視線の役割
3.1.2 インタラクションにおける顔の表情
3.1.3 インタラクションにおける視線
3.2 身体運動と空間配置にかかわる変数
3.2.1 身体をともなう行動とインタラクション
3.2.2 物理的レイヤにおける変数
3.2.3 前言語的レイヤにおける変数
3.2.4 言語的レイヤにおける変数
3.3 音声言語にかかわる変数
3.3.1 音声言語と文字言語
3.3.2 音声の4要素とその音響的対応物
3.3.3 音声の音響分析
3.4 人以外において重要な変数
3.4.1 異種間インタラクションの基礎
3.4.2 人‐動物インタラクションを扱ううえでの注意事項
3.4.3 イヌ,ネコと人のインタラクション
3.5 動画像処理
3.5.1 動画像取得の基礎
3.5.2 動画像処理の基本
3.5.3 認識・検出・推定の処理
3.5.4 時間方向の処理
3.5.5 RGBD画像の処理
3.6 装着型デバイスによる身体動作計測
3.6.1 モーションキャプチャ
3.6.2 視線計測デバイス
3.6.3 その他のセンサ
3.6.4 インタラクション分析における応用例
3.7 音韻情報と韻律情報の計測処理
3.7.1 音声収録の基礎知識
3.7.2 マイクロホンの種類
3.7.3 マイクロホンの指向性
3.7.4 マイクロホンのチャネル数
3.7.5 マイクロホンの録音レベル(感度)の調整
3.7.6 音声収録ソフトウェア
3.8 生理指標の計測
3.8.1 生理指標を利用する利点と欠点
3.8.2 生理指標の特徴
3.8.3 脳計測
3.8.4 生理指標の利用と計測の注意点
3.8.5 今後のソシオメータのための生体信号を利用したジェスチャ認識技術

第4章 インタラクション分析の実際とポイント
4.1 相手が何をしようとしているのかを理解する
4.1.1 他者の心の状態を推定する
4.1.2 原初的欲求にもとづく認知モデル
4.2 みんなは何をしようとしているのかを考える
4.2.1 子どもの集団の計測
4.2.2 模倣に注目した集団の解析
4.2.3 子どものグループダイナミクスの計算モデル構築
4.2.4 子どもたちの走る動きの定量的な分析とモデリング
4.2.5 指導者と子どもたちの言葉の発達的変化の分析
4.3 人‐動物インタラクション
4.3.1 人と動物間の現象の構造化
4.3.2 動物の行動からインタラクションの単位を取り出す
4.3.3 親和的関係性と相互適応学習
4.4 人‐人工物インタラクション
4.4.1 時間を考慮したコグニティブインタラクションのデザイン
4.4.2 人に影響を与えるインタラクションのデザイン
4.4.3 人‐人工物インタラクションから人を理解する

Column
0.1 認知的インタラクションデザイン学
1.1 インタラクションにおける相互適応学習
1.2 社会脳仮説と心の理論
1.3 ヒューリスティックとアルゴリズム
1.4 適応認知における認知バイアス
2.1  相談の成否を決める隠れ状態の推定(二者間インタラクションの時系列分析)
2.2 鹿狩りゲームと読みの深さ
3.1 音声に含まれる個人性と生成・識別モデル
3.2 複数ロボットの発話の重なりによって創発する空間の知覚
3.3 ヘッドマウントディスプレイ(HMD)
3.4 アバターの情動表現と仮想空間の文脈理解
4.1 ロボットを介した人‐人インタラクションの分析
4.2 人‐ウマインタラクションにおける人馬一体感とは
4.3 ウマの歩法変化の計測と解析方法
4.4 電動車いすを使った応答性と鋭敏性に関する実験
4.5 ユーザの信頼を誘発する商品推薦エージェントのデザイン
4.6 人とAIの間にリーダ‐フォロワ関係は成立するか