ソフトウェア開発現場の熟練者は、これまでの経験からソフトウェア規模を推定し必要な工数を「勘」を働かせて調整します。例えば、今回のプロジェクトは「開発 期間の制約が厳しい」、「信頼性要求のレベルが高い」、「要件がかなりあいまいだ」、といった状況を念頭において工数を予測します。ただし、勘も完璧ではありません。過去の実績データを使って「勘」の確からしさを評価する必要があります。
CoBRA法は、このベテランの勘と過去の実績データとを相互補完させること
で、信頼できる工数見積りモデルを構築する手法です。容易に取り組め、 精度が高い特徴があります。ソフトウェア工数見積りの世界のKKDのDを「データ」に置き換え、「勘(K)」、「経験(K)」に科学的アプローチを導入するものです。
また、
・国立情報学研究所の教育プログラム「トップエスイー」
・情報処理推進機構SECセミナー
にもCoBRA法は取り上げられており、実用的・合理的な見積り手法です。
https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274503351/
正誤表やDLデータ等がある場合はこちらに掲載しています
第1章 本書の読み方
第2章 やってみよう工数見積り −30分で工数見積り−
第3章 CoBRA見積りモデルでできること
第4章 CoBRA法とは
第5章 CoBRA見積りモデルの構築手順詳細
第6章 CoBRA見積りモデルの保守
第7章 構築・活用ベストプラクティス
口絵
推薦のことば
海外からの推薦のことば/Foreword from abroad
はじめに
第1章 本書の読み方
1.1 本書の構成
1.2 ソフトウェア開発の見積りの経験に応じた読み方
1.3 CoBRA法ワンポイント
第2章 やってみよう工数見積り −30分で工数見積り−
2.1 事前に準備するもの
2.2 簡易ツールを使った見積りモデルの構築
2.3 構築したモデルで見積りの実行
第3章 CoBRA見積りモデルでできること
3.1 精度の高い見積りの実現
3.2 見積り結果の評価とコントロール
3.3 リスクマネジメントとしての活用
3.4 プロセス改善としての活用
第4章 CoBRA法とは
4.1 ソフトウェア開発の見積りの現状
4.2 CoBRA法の特長と背景
4.3 CoBRA法による見積りモデル構築の概要
第5章 CoBRA見積りモデルの構築手順詳細
5.1 計画
5.2 モデル構築準備
5.3 変動要因モデルの作成
5.4 モデルプロジェクトの詳細確認
5.5 初期モデルの構築
5.6 モデルの改善
5.7 報告及びモデルのリリース
5.8 CoBRA法の有効性と適用範囲
5.9 適用限界の障壁を下げる方策
第6章 CoBRA見積りモデルの保守
6.1 CoBRA見積りモデルの保守プロセス
6.2 見積り精度の評価
6.3 モデル改善の要否判定
6.4 モデル改善
第7章 構築・活用ベストプラクティス
7.1 日立製作所 情報・通信システム社事例
7.2 NTTデータセキスイシステムズ事例
7.3 三菱電機事例
7.4 日新火災海上保険事例
7.5 アイネス事例
付録A 変動要因定義サンプル
付録B 「CoBRA法に基づく見積り支援ツール」の概要紹介
付録C CoBRA研究会について
付録D 用語解説
付録E 参考文献
付録F 執筆者一覧
Column:過去に経験のない場合の見積り
Column:工数変動要因の種類
Column:アンケート結果評価例
Column:実績データの必要最小限の数
Column:間接要因
Column:変動要因とαの関係
Column:ランダムに三角分布から数値を選ぶ方法
Column:クロスバリデーション
Column:規模見積り
Column:新規プロジェクトの見積り精度の評価基準