本書は、いわゆる「ネイマン‐ピアソン理論」の統計学とベイズ統計学の比較や、ベイズ統計理論の数式的な裏付けを示す等、学術的・専門的な解説を行うことを目的とはせず、ベイズ統計が現代社会の中でどのように生かされているのかを親しみやすい実例を挙げて記載し、実務への橋渡しを行うものです。解説する上で最小限必要とする数式は掲載しますが、ベイズ法で大きな障害となる「計算が難しい」という問題点をツール「Weka」や「Excel」を積極的に使用して簡略化し、データ分析の敷居を低くすることで、「理論より実践」を目指します。
https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274218194/
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はじめに
第1章 宇宙から箱が届いた箱の中身を探る ―これがベイズの考え方
第2章 病気の検査 ―ベイズの定理
第3章 オオカミ少年とベイズ ―Wekaでベイズ決定
第4章 複数の因果関係を表す ―Wekaでベイジアンネットワーク
第5章 確率の確率 ―確率分布の導入
第6章 小さい村への対応 ―事前分布の上手な利用
第7章 見えない状態を推測する ―ベイズの定理と発展
付 録 ベイズ統計用ソフトウェア
第1章 宇宙から届いた箱の中身を探る―― これがベイズの考え方
1−1 宇宙から箱が届いた!
1−2 見えないものを探る
第2章 病気の検査―― ベイズの定理
2−1 病気の検査で陽性― 病気の確率は?
2−2 ベイズの定理
2−3 もう一度検査をして陽性と出たら?
Column データマイニングツール「Weka」の紹介とインストール
2−4 Weka を使ってみよう
第3章 オオカミ少年とベイズ―― Weka でベイズ決定
3−1 オオカミ少年は何回目の嘘で、村人に「嘘つき」と思われたか?
3−2 もし最初が「本当」であれば、何回目の嘘で少年は「嘘つき」と思われたか?
3−3 村長は、何回目で「オオカミ退治に行くのをやめよう」と判断すべきだったのか?
第4章 複数の因果関係を表す―― Weka でベイジアンネットワーク
4−1 芝の状態から、天気を推測する(Weka を使用する場合)
4−2 芝の状態から、天気を推測する(ベイズの定理の式を用いて計算する場合)
4−3 行方不明の潜水艦をベイズで探そう!(Wake を使用する場合)
4−4 行方不明の潜水艦をベイズで探そう!(ベイズの定理の式を用いて計算する場合)
第5章 確率の確率―― 確率分布の導入
5−1 スリッパの表が出る確率は? 確率分布を導入する
5−2 スリッパの表が出る確率は? ベータ分布を利用する
5−3 スリッパの表が出る確率は? 確率分布にベイズの定理を適用する
Column 確率分布へのベイズの定理の適用
5−4 どちらのラーメンがおいしいか 予測分布の利用
Column 予測確率の求め方
第6章 小さい村への対応―― 事前分布の上手な利用
6−1 小さい村への適用〜厚生労働省が考え出した生命表へのベイズの利用〜
6−2 事前分布の求め方〜ベイズで死亡率を推定〜
Column 1 回の採血で済ませたい
第7章 見えない状態を推測する―― ベイズの定理と発展
7−1 ロケットをベイズで飛ばす
7−2 状態空間モデルとカルマンフィルター
7−3 カルマンフィルターでロケットの高度を推定
Column 観測方程式のベイズ更新ルールとカルマン利得
7−4 ベイズの定理のさらなる発展
Column ゲノム解析の隠れた主役―― 隠れた状態を探す「隠れマルコフモデル」
付 録
1. 付録で利用するシミュレーションソフト― OpenBUGS について
2. どちらのラーメンがおいしいか― 予測分布で推定
3. 隣町の雨の量を推測― CAR model を利用
4. 小動物の生息数を推測― 階層ベイズモデルを利用
5. カルマンフィルター― 多変数への適用
参考文献
索 引