ゲームAI研究の新展開

ゲームAI研究の「これまで」と「これから」を第一線の研究者がわかりやすく解説

このような方におすすめ

機械学習に携わる技術者・研究者、学生
ゲーム情報学に携わる技術者・研究者、学生
  • 著者伊藤 毅志 編著
  • 定価3,960 (本体3,600 円+税)
  • A5 360頁 2023/07発行
  • ISBN978-4-274-23077-6
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 本書は,ゲームAI研究の「これまで」と「これから」を第一線の研究者がわかりやすく解説した書籍です.

 ゲームAI研究は従来より,AIの社会実装における重要な示唆を与えるものとして大きな役割を果たしてきました.特に近年,深層学習の登場により注目を集める分野になっています.しかし,すべての情報を得られない不完全情報ゲームや実環境の外乱が結果を大きく左右するスポーツ等の不確定ゲーム,コミュニケーションがゲームの勝敗に大きな影響を与えるコミュニケーションゲームなど,まだまだ多くのゲームで人間を超えるゲームAIをつくることが困難な分野もあります.さらに,AlphaGoZeroが人間のプロを超越したとされる完全情報ゲームの囲碁でも,囲碁AIが陥ってしまう穴が見つかっています.

 また,人間を超越したゲームAIが人間と共存するために求められる人間らしさや楽しさの理解,これからのデジタルゲームに求められるゲームデザインとゲームAI,ゲーム体験の評価手法および人間の認知機能の理解なども課題として残されています.

 本書は,これまでのゲームAI研究の理解の上に,これからゲームAI研究をする人にとってヒントとなるエッセンスの詰まった必読書です.

〈編著者〉

伊藤 毅志 (電気通信大学)

〈著 者〉

池田 心  (北陸先端科学技術大学院大学)

稲葉 通将 (電気通信大学)

大久保誠也 (静岡県立大学)

大澤 博隆 (慶應義塾大学、筑波大学)

大橋 拓文 (囲碁棋士(公益財団法人 日本棋院)、東京工業大学)

小川 充洋 (帝京大学)

片寄 晴弘 (関西学院大学)

木原 直哉 (プロポーカープレイヤ)

千田 翔太 (公益社団法人 日本将棋連盟 棋士)

中谷 裕教 (東海大学)

西野 順二 (電気通信大学、未踏スーパークリエータ)

橋本 剛  (松江工業高等専門学校)

藤井 叙人 (福知山公立大学)

桝井 文人 (北見工業大学)

松井 悠  (株式会社グルーブシンク)

三宅陽一郎 (株式会社スクウェア・エニックス)

簗瀬 洋平 (ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社)

山本 雅人 (北海道大学)

https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274230776/
CHAPTER 1 ゲームと知能研究
CHAPTER 2 不完全情報ゲーム
CHAPTER 3 不確定ゲーム
CHAPTER 4 コミュニケーションゲーム
CHAPTER 5 実環境のゲーム
CHAPTER 6 ゲームデザイン
CHAPTER 7 メタAIとプロシージャル コンテンツ ジェネレーション
CHAPTER 8 人間らしさと楽しさの演出
CHAPTER 9 ゲーム体験の評価
CHAPTER 10 人間の認知機能とスキルアップの原理
CHAPTER 11 認知研究とAIの人間への影響
CHAPTER 1 ゲームと知能研究
1.1 知能研究におけるゲーム
1.2 ゲーム研究のメインストリーム
1.3 ゲーム研究の残された課題

CHAPTER 2 不完全情報ゲーム
2.1 CFR
2.2 ガイスター
2.3 大貧民
2.4 ポーカー
2.5 不完全情報ゲームのゲームAIの可能性

CHAPTER 3 不確定ゲーム
3.1 バックギャモン
3.2 バックギャモンのゲームAI
3.3 ゲームAIの評価の可視化

CHAPTER 4 コミュニケーションゲーム
4.1 ゲームにおける社会的相互作用
4.2 Hanabi
4.3 人 狼

CHAPTER 5 実環境のゲーム
5.1 カーリング
5.2 測定データの処理
5.3 研究事例
5.4 実環境で人間プレイヤを支援する技術
5.5 実戦運用と課題
5.6 ミニ四駆AI
5.7 ミニ四駆AIの技術と課題

CHAPTER 6 ゲームデザイン
6.1 ゲームにおけるゴール
6.2 ルール設定
6.3 ゲームデザインの表現
6.4 レベルデザイン
6.5 難易度の調整

CHAPTER 7 メタAIとプロシージャル コンテンツ ジェネレーション
7.1 メタAI,PCG,機械学習
7.2 メタAIとは
7.3 アルゴリズムによるPCG
7.4 機械学習を用いたPCG
7.5 学習を含んだMCS-AI動的連携モデル

CHAPTER 8 人間らしさと楽しさの演出
8.1 人間らしさのさまざまな側面
8.2 ゲームの要素とAI技術
8.3 ゲームAIに求められる人間らしさ
8.4 人間プレイヤの人間らしさ
8.5 人間らしさの実装方法
8.6 人間プレイヤの感じ方のモデリング
8.7 実例(FPS,スーパーマリオブラザーズ,囲碁,不確定ゲーム)

CHAPTER 9 ゲーム体験の評価
9.1 AlphaZero以後のゲームAI研究
9.2 主観的事項の評価・計測手法
9.3 楽しさの評価
9.4 今後の課題

CHAPTER 10 人間の認知機能とスキルアップの原理
10.1 スキルアップの原理
10.2 熟達にともなう潜在化と自動化
10.3 熟達者の認知特性の実例
10.4 熟達者の脳

CHAPTER 11 認知研究とAIの人間への影響
11.1 ゲームと認知研究
11.2 ゲームの認知科学的研究
11.3 生体データの計測と解析
11.4 ゲームによる学習支援
11.5 人間を超えるゲームAIの反響
11.6 将棋界に起こった変化と邂逅
11.7 囲碁AIが囲碁界に与えた影響
11.8 eスポーツとゲームAI
11.9 人間の知を超えたゲームAIとその応用