真空管アンプ製作 LTspiceでシミュレーション

12Vの低電圧で真空管アンプの情感ある音を生み出す。

このような方におすすめ

◎真空管アンプを製作する人
◎オームの法則が理解できる人、電子回路のキットを製作したことがあり、プリント基板のはんだづけができる人
  • 著者有村 光晴 著
  • 定価3,410 (本体3,100 円+税)
  • B5 276頁 2023/07発行
  • ISBN978-4-274-22878-0
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 本書では、12Vという電圧の制限を課して真空管アンプを製作します。通常使われる200Vから400Vという高い電圧を使用した真空管アンプと比べ、部品を安価に抑えられ、感電の危険をなくし、配線を間違えたときの部品の損傷もある程度防げます。しかも、高電圧のものと比べて遜色のない音の特性曲線を得られるように、LTspiceを用いてシミュレーションを行います。

 LTspiceはインストール方法から便利な使い方、実際のシミュレーション例まで解説しています。そのため、経験がない方でも本書の通りにLTspiceを実行、真空管アンプを製作できます。

https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274228780/
第1章 ブレッドボードで製作する低電圧ハイブリッドアンプ
第2章 真空管と真空管アンプの原理
第3章 真空管を用いた増幅回路
第4章 LTspiceの設定と使い方
第5章 低電圧における真空管のモデル作成
第6章 低電圧ハイブリッド真空管増幅回路のシミュレーション
第7章 半導体素子を用いたバッファ回路のシミュレーション
第8章 低電圧ハイブリッド真空管アンプのシミュレーション
付録 真空管の低電圧特性実測データと作成したSPICEモデルによるEp-Ip特性
第1章 ブレッドボードで製作する低電圧ハイブリッドアンプ
 1.1 製作の準備
  1.1.1 使用する部品
  1.1.2 使用する道具
 1.2 Nutube 6P1とオペアンプを用いたハイブリッドヘッドフォンアンプ
  1.2.1 全体の回路図
  1.2.2 ブレッドボード上の実装
  1.2.3 真空管のバイアス調整
 1.3 パワーアンプのための電源回路の製作
  1.3.1 真空管用電源回路
  1.3.2 バッファアンプ用正負電源回路(レールスプリッタ)
  1.3.3 ブレッドボード上の実装
 1.4 Nutube 6P1とFETバッファを用いたハイブリッドパワーアンプ
  1.4.1 全体の回路図
  1.4.2 真空管電圧増幅回路の実装
  1.4.3 MOS-FETバッファ回路の実装
  1.4.4 アンプ全体のブレッドボードの配線
  1.4.5 真空管電圧増幅回路のバイアス調整
  1.4.6 MOS-FETバッファ回路のバイアス調整
 1.5 12AU7とFETバッファを用いたハイブリッドパワーアンプ
  1.5.1 全体の回路図
  1.5.2 真空管電圧増幅回路の実装
  1.5.3 MOS-FETバッファ回路の製作
  1.5.4 アンプ全体のブレッドボードの配線
  1.5.5 MOS-FETバッファ回路のバイアス調整
 1.6 6DJ8とトランジスタバッファを用いたハイブリッドパワーアンプ
  1.6.1 全体の回路図
  1.6.2 真空管電圧増幅回路の実装
  1.6.3 ダイヤモンドバッファ回路の実装
  1.6.4 アンプ全体のブレッドボードの配線
 1.7 ブレッドボード用7ピンミニチュア管ソケットの製作
  1.7.1 部品
  1.7.2 基板とピンヘッダの加工
  1.7.3 基板とピンヘッダのはんだづけ
  1.7.4 真空管ソケットの加工
  1.7.5 真空管ソケットのはんだづけ
 1.8 6J1/6AK5とトランジスタバッファを用いたハイブリッドパワーアンプ
  1.8.1 全体の回路図
  1.8.2 真空管電圧増幅回路の実装
  1.8.3 ダイヤモンドバッファ回路の実装
  1.8.4 アンプ全体のブレッドボードの配線

第2章 真空管と真空管アンプの原理
 2.1 真空管とは
 2.2 電圧と電位
  2.2.1 電圧と電位とは
  2.2.2 音楽信号の電位
 2.3 電荷と電場
 2.4 熱電子放出と二極管
  2.4.1 熱電子放出
  2.4.2 二極管の構造
 2.5 三極管
  2.5.1 三極管の構造
  2.5.2 三極管の特性
 2.6 四極管
  2.6.1 四極管の構造
  2.6.2 スクリーングリッド四極管
  2.6.3 スペースチャージグリッド四極管
 2.7 五極管
  2.7.1 五極管の構造
  2.7.2 五極管の特性
  2.7.3 五極管の三極管結合(三結)とその特性
 2.8 ビーム管
  2.8.1 ビーム管の構造
  2.8.2 ビーム管の特性

第3章 真空管を用いた増幅回路
 3.1 真空管のバイアスのかけ方
  3.1.1 バイアスとは
  3.1.2 固定バイアス
  3.1.3 カソードバイアス(自己バイアス)
  3.1.4 グリッドリークバイアス
 3.2 三極管を用いた増幅回路の設計
  3.2.1 真空管の三定数
  3.2.2 特性曲線に基づく増幅回路の設計
 3.3 段間結合方法
  3.3.1 直接結合(直結)
  3.3.2 CR結合
  3.3.3 トランス結合
  3. 4 入力インピーダンスと出力インピーダンス
  3.4.1 入力インピーダンスと出力インピーダンスとは
  3.4.2 出力電力一定の場合の入力電力の評価
  3.4.3 出力電圧一定の場合の入力電圧の評価
 3.5 負帰還(NFB)

第4章 LTspiceの設定と使い方
 4.1 LTspiceとは
 4.2 LTspiceのインストール方法
  4.2.1 Windows版のダウンロードとインストール方法
  4.2.2 Windows版のアップデート方法
  4.2.3 Windows版の初期設定方法
  4.2.4 macOS版のダウンロードとインストール方法
  4.2.5 macOS版のアップデート方法
  4.2.6 macOS版の初期設定方法
 4.3 簡単な回路の作成とシミュレーション
  4.3.1 回路の作成の準備
  4.3.2 回路の作成
  4.3.3 抵抗の配置方法
  4.3.4 コンデンサーの配置方法
  4.3.5 端子の配置方法
  4.3.6 ワイヤーの描画
  4.3.7 電源の設定
  4.3.8 編集機能
  4.3.9 補助単位
  4.3.10 シミュレーションの実行
  4.3.11 電圧の測定とプロット
  4.3.12 電流の測定とプロット
  4.3.13 二点間の電位差の測定とプロット
  4.3.14 複数のグラフ表示画面の使用
  4.3.15 グラフ内への図形やテキストの描画
  4.3.16 グラフ表示設定の保存と復元
 4.4 SPICEモデルの入手と追加方法
  4.4.1 SPICEモデルの入手
  4.4.2 .includeディレクティブを用いたSPICEモデルの使用
  4.4.3 SPICEモデルの追加

第5章 低電圧における真空管のモデル作成
 5.1 低電圧の場合の真空管のEp-Ip特性の実測
  5.1.1 三極管のEp-Ip特性の計測方法
  5.1.2 五極管(三極管結合)のEp-Ip特性の計測方法
  5.1.3 6DJ8
  5.1.4 12AU7
  5.1.5 6J1/6AK5
 5.2 低電圧の場合の真空管モデルの作成
  5.2.1 低電圧用の真空管モデル
  5.2.2 モデルへのフィッティングとSPICEモデルファイル作成
  5.2.3 LTspiceへのSPICEモデルの追加
 5.3 作成したモデルを用いた真空管の Ep-Ip特性の描画
  5.3.1 6DJ8のEp-Ip特性
  5.3.2 12AU7のEp-Ip特性
  5.3.3 6J1/6AK5のEp-Ip特性
  5.3.4 五極管の三極管結合と三極管の違い

第6章 低電圧ハイブリッド真空管増幅回路のシミュレーション
 6.1 KORG Nutube
  6.1.1 KORG 6P1とは
  6.1.2 KORG 6P1の部品追加
  6.1.3 追加したKORG 6P1のモデルを用いたEp-Ip特性の描画
  6.1.4 KORG 6P1を用いた増幅回路の確認(プレート電圧18V)
  6.1.5 KORG 6P1を用いた増幅回路の設計(プレート電圧30V)
  6.1.6 KORG 6P1を用いた増幅回路の設計(プレート電圧60V)
 6.2 6DJ8を用いた増幅回路
  6.2.1 6DJ8を用いた増幅回路の設計
  6.2.2 6DJ8を用いた増幅回路の入出力信号
  6.2.3 6DJ8を用いた増幅回路のFFT解析による高調波の表示
  6.2.4 6DJ8を用いた増幅回路の周波数特性
  6.2.5 6DJ8を並列で接続した増幅回路
 6.3 12AU7を用いた増幅回路
  6.3.1 12AU7を用いた増幅回路の設計
  6.3.2 12AU7を用いた増幅回路の入出力信号
 6.4 6AK5を用いた増幅回路
  6.4.1 6AK5を用いた増幅回路の設計
  6.4.2 6AK5を用いた増幅回路の入出力信号

第7章 半導体素子を用いたバッファ回路のシミュレーション
 7.1 バッファ回路
  7.1.1 バッファ回路とは
  7.1.2 出力電圧と出力パワー、出力音量の関係
  7.1.3 バッファ回路の必要性
 7.2 オペアンプを用いるバッファ回路
  7.2.1 反転増幅回路
  7.2.2 非反転増幅回路
  7.2.3 ボルテージフォロワ回路
  7.2.4 ボルテージフォロワ回路のヘッドフォン用バッファ回路としての能力
 7.3 トランジスタを用いるバッファ回路
  7.3.1 トランジスタを1個用いるエミッタフォロワ回路
  7.3.2 トランジスタを2個用いるプッシュプル型エミッタフォロワ回路
  7.3.3 ダイヤモンドバッファ回路
  7.3.4 ダイヤモンドバッファ回路のヘッドフォン用バッファ回路としての能力
  7.3.5 ダイヤモンドバッファ回路のスピーカー用バッファ回路としての能力
  7.3.6 LTspiceによるシミュレーションの問題点
  7.3.7 ダイヤモンドバッファでスピーカー用バッファアンプを実現する方法
  7.3.8 本書で製作したダイヤモンドバッファ
 7.4 FETを用いるバッファ回路
  7.4.1 J-FET(J211)を1個用いるソースフォロワ回路
  7.4.2 パワーMOS-FET(2SK1056)を1個用いるソースフォロワ回路
  7.4.3 MOS-FETを2個(2SK1058と2SJ162)用いたプッシュプル型ソースフォロワ回路
  7.4.4 一般のMOS-FETを用いるプッシュプル型ソースフォロワ回路
 7.5 プッシュプル型バッファアンプ用正負電源回路(レールスプリッタ)
  7.5.1 抵抗を使うレールスプリッタ
  7.5.2 オペアンプを用いるレールスプリッタ
  7.5.3 オペアンプとトランジスタバッファを用いるレールスプリッタ
  7.5.4 抵抗とトランジスタバッファを用いるレールスプリッタ

第8章 低電圧ハイブリッド真空管アンプのシミュレーション
 8.1 KORG Nutube 6P1を用いたハイブリッド真空管アンプ
  8.1.1 Nutube 6P1とオペアンプを用いたハイブリッドヘッドフォンアンプ
  8.1.2 Nutube 6P1とダイヤモンドバッファを用いたハイブリッドパワーアンプ
  8.1.3 Nutube 6P1とMOS-FETバッファを用いたハイブリッドパワーアンプ
 8.2 6DJ8を用いたハイブリッドアンプ
  8.2.1 6DJ8とダイヤモンドバッファを用いたハイブリッドパワーアンプ
  8.2.2 6DJ8とMOS-FETバッファを用いたハイブリッドパワーアンプ
 8.3 12AU7を用いたハイブリッドアンプ
  8.3.1 12AU7とダイヤモンドバッファを用いたハイブリッドパワーアンプ
  8.3.2 12AU7とMOS-FETバッファを用いたハイブリッドパワーアンプ
 8.4 6AK5を用いたハイブリッドアンプ
  8.4.1 6AK5とダイヤモンドバッファを用いたハイブリッドパワーアンプ
  8.4.2 6AK5とMOS-FETバッファを用いたハイブリッドパワーアンプ

付録 真空管の低電圧特性実測データと作成したSPICEモデルによるEp-Ip特性
 A.1 MT9ピン三極電圧増幅管
  A.1.1 6DJ8(東芝)
  A.1.2 6DJ8(JJ E88CC)
  A.1.3 6DJ8(Electro Harmonix 6922EH)
  A.1.4 12AU7(東芝)
  A.1.5 12AU7(JJ ECC802S)
  A.1.6 12AU7(Electro Harmonix 12AU7A/ECC82 EH)
  A.1.7 12AX7(SOVTEK 12AX7WXT+)
  A.1.8 6N3
  A.1.9 6N3P-EV(6H3П-EB)
  A.1.10 5670(RCA)
  A.1.11 WE396A
  A.1.12 WE407A
 A.2 MT7ピン五極電圧増幅管の三極管結合
  A.2.1 6J1
  A.2.2 6J1P(6Ж1П)
  A.2.3 6J1P-EV(6Ж1П-EB)
  A.2.4 6K4P(6K4П)
  A.2.5 6AK5(東芝)
  A.2.6 6AK5(RCA)
  A.2.7 WE403A
  A.2.8 WE401A
  A.2.9 WE415A
  A.2.10 WE409A/6AS6
  A.2.11 6AU6(General Electric 6AU6WC)
 A.3 MT7ピン五極電力増幅管の三極管結合
  A.3.1 6AQ5(RCA 6AQ5A)
  A.3.2 6AS5(NEC)

 参考文献
 索引