医療・福祉・介護の三つの分野にまたがる「地域連携」は、地域包括ケアシステム構築の要であり、その推進は、各医療機関、保健医療福祉の行政担当者間、また、介護の現場で現在大きな課題となっています。
しかし、この方面への関心は拡大しているものの、地域連携をマクロな視点から、理論及び実践にわたって解説した書籍はほとんどありません。
本書は、最先端の地域連携の理論と実践を現在現場で活躍している方々に執筆して頂き、医療・看護・介護・福祉の各分野で働く実務家にとって理解しやすい内容となっています。
また、具体的な事例やエピソードも扱うことにより、実務家だけでなく、行政の政策担当者にとっても参考となるようにまとめました。
https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274214646/
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総論 地域連携と地域包括ケア
1編 地域連携の理論と基盤
1章 地域連携の基礎理論としてのケアサイクル論
2章 地域連携方法論の開発と展望
3章 地域連携の政策と多職種連携
4章 地域連携クリティカルパスと医療計画
5章 地域連携を支えるICT基盤
2編 地域連携の実践と専門職
6章 地域医療と介護のシステム〜尾道市医師会方式の理論と実践〜
7章 急性期病院の地域連携機能強化の試み〜愛媛大学病院総合診療サポートセンター創設への実践〜
8章 自治体における地域連携と地域ケア会議〜和光市の実践〜
9章 退院支援から地域連携へ〜看護師は何をするか〜
10章 地域連携における薬剤師の役割
11章 地域連携のおけるソーシャルワーカーの役割
3編 地域連携の展望と課題
12章 病院が取り組む地域包括ケアと地域連携〜地域包括医療・ケア局を設置した南砺市の取組み〜
13章 認知症ケアが必要とする地域連携
14章 小規模多機能型居宅介護拠点が進める生活継続のための地域連携
15章 地域連携パスから地域連携プラットフォームへ〜三方よし研究会の展開〜
終章 地域包括ケアシステムの展望へ
総論 地域連携と地域包括ケア
1編 地域連携の理論と基盤
1章 地域連携の基礎理論としてのケアサイクル論
1-1 はじめに
1-2 背景
1-3 特徴
1-4 概念
1-5 分析
1-6 実践
1-7 総括「生存転換」
2章 地域連携方法論の開発と展望
2-1 はじめに
2-2 地域におけるintegrated care推進の方法を検討するために必要とされるkey概念
2-3 国際的な文脈からみたintegrated careの方法と日本への示唆
2-4 日本における地域連携の方法論の実施の場
2-5 おわりに〜地域包括ケアシステムにおける地域連携推進に向けての課題〜
3章 地域連携推進の政策と多職種連携
3-1 はじめに
3-2 地域包括ケアが求められる背景〜人口増加の変化〜
3-3 後期高齢者の増加が医療・介護政策に及ぼす影響
3-4 医療制度改正の動向〜退院支援の機能強化を中心に〜
3-5 介護制度改正の動向〜点数誘導による多職種連携・協働の推進〜
3-6 ケアマネジメントの機能強化〜地域ケア個別会議の推進〜
3-7 多職種連携/多職種協働上の諸課題
4章 地域連携クリティカルパスと医療計画
4-1 はじめに
4-2 新たな医療計画
4-3 医療計画への精神疾患の追加
4-4 地域連携パス
4-5 精神科地域連携パス
4-6 医療計画への在宅医療の追加
4-7 医療と介護の連携
4-8 在宅連携パスの必要性
4-9 おわりに
5章 地域連携を支えるICT基盤
5-1 スマートフォンの在宅医療への活用
5-2 地域連携におけるICTの活用
2編 地域連携の実践と専門職
6章 地域医療と介護のシステム化〜尾道市医師会方式の理論と実践〜
6-1 尾道市医師会の高齢化に対する事業計画と理論の整備
6-2 システム理論としてのCGAと尾道市医師会方式ケアカンファレンスの考案
6-3 超高齢社会に必要なend of life careの考え方
6-4 超高齢社会に対応可能な地域医療連携システム
6-5 超高齢社会における認知症治療とケアの総合化の必要性
6-6 高齢者総合評価(CGA)の地域配備としてのGEMsプロジェクトの設置
6-7 超高齢社会は地域独自の取組みが不可欠
7章 急性期病院の地域連携機能強化の試み〜愛媛大学病院総合診療サポートセンター創設への実践〜
7-1 生活や人生を途切れさせない医療へ
7-2 今後の医療におけるキーパーソンは看護師
7-3 「地域連携」から「医療マネジメント」へ
7-4 チーム医療とは〜おのおのが患者・家族と同じベクトルに乗ること〜
7-5 目指すべき「ベクトル」を共有する
7-6 「退院したら,何がしたいのか?」を明らかにすること
7-7 愛媛大学医学部附属病院における活動事例
7-8 おわりに
8章 自治体における地域連携と地域ケア会議〜和光市の実践〜
8-1 介護を取り巻く現状と課題
8-2 地域包括ケアシステムが求められる理由
8-3 和光市長寿あんしんプラン
8-4 地域包括ケアシステムの構築
8-5 介護予防と自立支援型マネジメントの効果
8-6 地域包括支援センターの本質機能
8-7 IADLに視点をおいたアセスメント
8-8 地域包括ケア実現に資する情報化の方向
8-9 尊厳の維持・自立支援を実現する地域ケア会議
8-10 事例ごとに必要な関係職種を招集
8-11 生活機能向上と意欲向上を目標にモニタリングなどを実施
8-12 課題を掘り下げる能力が司会には必要
8-13 地域包括ケアシステム構築のため
9章 退院支援から地域連携へ〜看護師は何をするか〜
9-1 「病院で死ぬということ」との出会い
9-2 訪問看護からみえてきた看護師の役割
9-3 患者とともに始める退院支援へ
9-4 退院支援は患者の人生の再構築を支援すること
9-5 3段階における看護師の役割
9-6 退院支援のプロセスで重要なことは「合意形成」である
10章 地域連携における薬剤師の役割
10-1 日本の医療の現状と特徴
10-2 日本の医療の課題
10-3 地域医療における薬物治療の課題
10-4 薬局・薬剤師という社会資源の変化
10-5 共同薬物治療管理という新しい概念
11章 地域連携におけるソーシャルワーカーの役割
11-1 はじめに
11-2 地域で展開する「総合相談」
11-3 地域包括ケアにおける地域連携のための機能
11-4 おわりに
3編 地域連携の展望と課題
12章 病院が取り組む地域包括ケアと地域連携〜地域包括医療・ケア局を設置した南砺市の取組み〜
12-1 中山間地かつ超高齢社会としての南砺市における地域医療
12-2 南砺市民病院の地域包括医療
12-3 地域包括医療の展望
12-4 南砺市地域包括医療・ケア局と住民協働
13章 認知症ケアが必要とする地域連携
13-1 はじめに
13-2 認知症とは
13-3 認知用ケア
13-4 認知症ケアの医療連携
13-5 認知症ケアの地域連携
14章 小規模多機能型居宅介護拠点が進める生活継続のための地域連携
14-1 小規模多機能型居宅介護とは
14-2 「鞍の浦」という私たちのまち
14-3 小規模多機能型居宅介護の「たて」と「よこ」の連携
14-4 事例
14-5 おわりに
15章 地域連携パスから地域連携プラットフォームへ〜三方よし研究会の展開〜
15-1 三方よし研究会発足の経過
15-2 中間期の三方よし
15-3 最近の三方よしの活動
15-4 三方よしがわれわれにもたらしたもの
15-5 地域連携から地域連携プラットフォームへ
終章 地域包括ケアシステムの展望へ
1 はじめに
2 高齢化に関する常識の再検討
3 生活モデル,社会的排除,社会福祉
4 生活モデルによる地域包括ケアの導出
5 おわりに