40年以上にわたる高圧配電線の雷害研究により、雷害事故は着実に減少してきたが、まだ事故比率は高い。送電線に比べ、高圧配電線では直撃雷だけでなく、誘導雷も原因となるなど、雷害の原因が多様で、多くの対策手法が必要とされる。本書では、雷害研究と対策の基礎を紹介し、最近の配電線雷現象の新しい研究成果も含め、IT社会のアキレス腱とも言われる耐雷対策について、コストダウンも加味した最適設計手法の基礎事項を紹介する指針マニュアルとする。とくに、雷写真(カラー口絵)、図を多用し、理解しやすいよう配慮した。
https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274500435/
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第1章 配電線に関連する雷現象
第2章 配電線に生じる雷過電圧
第3章 配電機材の絶縁特
第4章 配電線の雷害様相
第5章 避雷器の効果
第6章 架空地線の効果
第7章 避雷器と架空地線の併用効果
第8章 柱上変圧器の雷害対策
第9章 絶縁電線の雷撃応答特性
第10章 配電線雷害対策手法の選定法
第11章 冬季雷の性状と山頂負荷供給配電線の雷害防止
あとがき
付録
配電線の雷害対策 目次案
まえがき
第1章 配電線に関連する雷現象
1・1 雷雲の発生と落雷頻度
1.2 雷放電過程
1.3 雷電流の性状
1.4 雷撃距離
第2章 配電線に生じる雷過電圧
2・1 配電線に脅威となる雷過電圧の種類
2.2 直撃雷
2.3 誘導雷
2.4 逆流雷
第3章 配電機材の絶縁特性
3.1 6.6kV配電線の絶縁設計・耐雷設計の考え方
3.2 絶縁特性の定義
3.3 碍子と機器の絶縁特性
3.4 碍子と機器の電圧―時間(V−t)特性
3.5 碍子等の直列接続時の絶縁強度
3.6 腕木の絶縁強度
3.7 短波尾波に対する碍子のフラッシオーバ特性
第4章 配電線の雷害様相
4・1 雷事故率の推移
4・2 被害工作物別の雷害状況
4・3 耐雷機材の適用効果例
4・4 雷事故の発生メカニズム
第5章 避雷器の効果
5・1 避雷器の効果の原理
5・2 避雷器の性能
5・3 避雷器の種類と特性
5・4 避雷器の保護範囲
5・5 避雷器の接地
5・6 避雷器の誘導雷電圧抑制効果の原理
5・7 直撃雷に対する避雷器の効果
第6章 架空地線の効果
6・1 架空地線の誘導雷電圧抑制効果
6・2 相導体への直撃防止
6・3 架空地線による逆フラッシオーバ防止
6・4 避雷器の焼損防止効果
第7章 避雷器と架空地線の併用効果
7・1 避雷器と架空地線の併用の経緯
7・2 避雷器と架空地線の併用時の誘導雷電圧抑制効果
7・3 直撃雷に対するフラッシオーバ防止効果
7・4 避雷器焼損防止に関する架空地線の役割
第8章 柱上変圧器の雷害対策
8・1 柱上変圧器の雷害様相
8・2 急峻な雷サージの侵入による巻線層間の貫通破壊
8・3 避雷器接地線長の影響
8・4 避雷器のギャップの影響
8・5 柱上変圧器の雷サージ応答特性
8・6 柱上変圧器雷保護対策の集約と今後の課題
8・7高圧ヒューズ切れ対策
第9章 絶縁電線の雷撃応答特性
9・1 絶縁電線の断線メカニズムと溶断特性
9・2 絶縁電線と碍子の組み合わせの絶縁特性
9・3 絶縁電線と架空地線への雷放電特性
第10章 配電線雷害対策手法の選定法
10・1 雷害対策手法の概要
10・2 避雷器と架空地線の適用に関する基本的考え方
10・3 配電線フラッシオーバ発生率予測計算手法
10・4 フラッシオーバ発生率の評価
10・5 配電線フラッシオーバ発生率予測計算手法の方向性
10・6 周辺構造物と雷電流波形の影響
10・7 総合的配電線雷害対策効果算定プログラムの提案
10・8 配電線雷害対策に関連するコストダウン方策
第11章 冬季雷の性状と山頂負荷供給配電線の雷害防止
11・1 山頂負荷供給配電線の雷害に関連する雷現象と環境
11・2 山頂負荷供給配電線の雷害様相
11・3 山頂負荷供給配電線の効果的な雷害対策の提案
11・4 雷害対策の集約と対策手法立案のフロー図
あとがき
付録