本書は、脳・神経科学を学ぶ大学生、若手研究者向けのテキストとして、基礎的な知識をまとめた入門書です。
脳、神経細胞の構造、神経系の情報伝達から学習、行動まで、ひととおり押さえておきたいテーマについてコンパクトにまとめ、初学者にも読みやすいように、図やイラスト、写真を効果的に用いて、わかりやすく解説します。また、脳・神経科学に関連する主要な研究手法についてもふれ、研究に役立つ知識を盛り込みます。
https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274211959/
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第1章 生体情報システムを理解するための神経生物学
第2章 中枢神経系の成り立ち
第3章 神経細胞の電気信号:静止膜電位と活動電位
第4章 イオンチャネルの分子的実体
第5章 神経伝達と神経修飾
第6章 生体情報システムとして内分泌系と協調する神経系
第7章 開口放出とエンドサイトーシス
第8章 神経細胞、内分泌細胞におけるカルシウムイオンの動態
第9章 記憶と学習
第10章 行動と脳における性差と性行動の神経機構
第11章 生体リズム
第1章 生体情報システムを理解するための神経生物学
1-1 神経生物学ことはじめ
1-2 神経科学の歩み
第2章 中枢神経系の成り立ち
2-1 脳のかたち−動物の脳とヒトの脳
2-2 ニューロンのかたち
2-3 ニューロンを顕微鏡で見る
2-4 ニューロンから神経回路へ
コラム2-1 最新式のデジタルカメラ顕微鏡写真はスケッチに勝るか?
第3章 神経細胞の電気信号
3-1 細胞膜の物理化学的性質
3-2 静止膜電位の生じる機構
3-3 活動電位の生じる機構
3-4 活動電位発生の理論的考察
3-5 活動電位はどのようにして軸索を伝わるのか
コラム3-1 電気生理学の実験風景
コラム3-2 ノーベル賞に大きく貢献したヤリイカの巨大軸索
第4章 イオンチャネルの分子的実態
4-1 分子生物学によるイオンチャネルタンパク質の構造解明
4-2 構造生物学的研究によりわかってきたイオンチャネルタンパク質の高次構造
コラム4-1 イオンチャネルのクローニングに大きく貢献したデンキウナギ,シビレエイとアフリカツメガエル
第5章 神経伝達と神経修飾
5-1 電気シナプスと化学シナプス
5-2 化学シナプスにおける神経伝達
5-3 活動電位のシナプス終末への到達からシナプス電位が生じるまで
5-4 神経伝達物質の放出におけるCa2+の役割
5-5 神経筋接合部における素量的伝達
5-6 シナプス後膜電位と逆転電位
5-7 神経伝達物質と神経修飾物質
5-8 神経伝達物質の合成・貯蔵・放出と除去・分解
5-9 イオノトロピック受容体とメタボトロピック受容体の構造と機能
コラム5-1 シナプス伝達の研究に大きく貢献したイカの巨大シナプスと,記憶・学習の研究に大きく貢献したアメフラシの巨大ニューロン
コラム5-2 神経毒の平和的な利用
第6章 生体情報システムとして内分泌系と協調する神経系
6-1 生体情報システムにおけるシグナル
6-2 セカンドメッセンジャー
6-3 核におけるシグナルと遺伝子活性調節
6-4 神経系と内分泌系のインターフェースとしての神経内分泌系
コラム6-1 細胞内情報伝達系の研究には多くの日本人が貢献している
第7章 開口放出とエンドサイトーシス
7-1 内分泌シグナルと神経シグナルに共通する重要な機構としての開口放出
7-2 エンドサイトーシスの機構
7-3 開口放出・エンドサイトーシス機構の研究法
コラム7-1 開口放出・エンドサイトーシスは記憶・学習やホルモン分泌の調節においても重要なはたらきをしている
コラム7-2 破傷風毒素,ボツリヌス毒素とセアカゴケグモ毒
第8章 神経細胞,内分泌細胞におけるカルシウムイオンの動態
8-1 カルシウムイオンと生体機能
8-2 膜電位依存性カルシウムチャネル
8-3 膜電位依存性カルシウムチャネル以外のカルシウム流入チャネル
8-4 細胞内カルシウムストアからのカルシウム放出(カルシウム放出チャネル)
コラム8-1 各種のイメージングや生体標識に役立つ蛍光物質はクラゲなどの海の生き物から取られて研究に役立っている
コラム8-2 ウニの受精電位と受精膜の形成に寄与する細胞内Ca2+
第9章 記憶と学習
9-1 アメフラシのえら引き込め反射と記憶の素過程
9-2 脊椎動物の脳における記憶と学習のモデル
コラム9-1 学習と記憶のメカニズムを解明する研究にも海の生き物アメフラシが役に立っている
第10章 行動と脳における性差と性行動の神経機構
10-1 脳の性的2型とホルモンの影響
10-2 ステロイドホルモンと雌雄の性行動の神経機構
コラム10-1 脳の性差に関する本当の話
第11章 生体リズム
11-1 生体のもつリズム−概日リズム,概月リズム,概年リズム−
11-2 体内時計(概日時計)とその機構
11-3 生体リズムとしての生殖内分泌調節機構(GnRHの神経生物学)
コラム11-1 時差ぼけはなぜ起きるのか,また,それを治す有効な方法はあるのだろうか
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