統計力学では、ある状態の物理的な性質を、それ構成する分子や原子の個々の性質から導き出す学問となる。統計力学はテーマが多いため、それぞれのテーマの説明がどうしても短くなりがちである。本書は読んだだけで理解できるよう、講義で取り上げられる必要最低限のテーマに絞って徹底的に解説。式の変形なども一切省略しないので、初心者にも最適。
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第1章 巨視的な系について
第2章 確率の基礎
第3章 統計力学の基礎
第4章 ミクロカノニカルアンサンブルの方法(小正準集合の方法)
第5章 カノニカルアンサンブルの方法(正準集合の方法)
第6章 グランドカノニカルアンサンブルの方法(大正準集合の方法)
第7章 粒子の統計性
第8章 理想Fermi気体
第9章 理想Bose気体
付録
付録A
A.1 Gauss 積分
A.2 n 次元球の体積と表面積
付録B 特殊関数
B.1Γ関数
B.2 Riemannのζ関数
B.3 Appellの関数
第1章 巨視的な系について
1.1 熱力学,統計力学の位置付け
1.1.1 物理量の大きさが変化すると物理法則も変わる
1.1.2 粒子数が変わると何がおこるか?
1.1.3 熱力学と統計力学の相違
1.2 熱平衡状態について
1.2.1 粒子数が少ない場合
1.2.2 粒子数が多い場合
1.2.3 粒子間相互作用の役割
1.2.4 不可逆過程について
1.2.5 熱平衡状態
1.2.6 揺らぎについて
第2章 確率の基礎
2.1 確率について
2.1.1 確率論で使われる用語
2.1.2 平均値と分散
2.1.3 連続的な分布の場合
2.2 確率分布の例
2.2.1 二項分布
2.2.2 二項分布の連続極限
2.2.3 Gauss分布
2.2.4 Poisson分布
2.3 統計的に独立な多数の確率変数の和
第3章 統計力学の基礎
3.1 微視的な状態について(古典論)
3.1.1 微視的な状態とは何か?
3.1.2 微視的状態の数
3.2 微視的な状態について(量子論)
3.3 平均について
3.3.1 時間平均
3.3.2 相空間での平均
3.3.3 アンサンブル平均
3.4 微視的な量から巨視的な量へ
第4章 ミクロカノニカルアンサンブルの方法
4.1 等重率の原理(等確率の原理)
4.2 孤立系でのエントロピーの定義
4.3 熱力学でのエントロピーとの関係
4.3.1 熱力学の熱,温度,エントロピー
4.3.2 統計力学の熱,温度,エントロピー( 二つの系の熱的接触)
4.4 例古典的理想気体
4.4.1 基本的な熱力学量の計算
4.4.2 結果の吟味
4.4.3 その他の熱力学量
4.4.4 考察について
第5章 カノニカルアンサンブルの方法
5.1 熱浴と接している系
5.2 確率密度と分配関数
5.3 内部エネルギーとエネルギーの揺らぎ
5.4 エントロピーと自由エネルギー
5.5 もうひとつの導出法
5.6 カノニカルアンサンブルの使い方
5.7 例古典的理想気体
第6章 グランドカノニカルアンサンブルの方法
6.1 熱浴と粒子源に接している系
6.2 確率密度と大分配関数
6.3 内部エネルギーと粒子数
6.4 エントロピーと自由エネルギー
6.5 もうひとつの導出法
6.6 グランドカノニカルアンサンブルの使い方
6.7 三つのアンサンブルのまとめ
第7章 粒子の統計性
7.1 スピンについて
7.2 粒子の統計性
7.2.1 粒子を区別できる場合
7.2.2 粒子を区別できない場合
第8章 理想Fermi 気体
8.1 量子状態について
8.1.1 一粒子状態について
8.1.2 N 粒子状態について
8.2 状態密度
8.3 絶対零度での性質
8.3.1 粒子の分布
8.3.2 フェルミエネルギー
8.3.3 絶対零度での熱力学量
8.4 有限温度での性質
8.4.1 低温近似( T ≪ TF )
8.4.2 低温近似の直感的理解
8.4.3 高温近似( T ≫ TF )
8.5 数値計算
第9章 理想Bose 気体
9.1 Bose 粒子について
9.1.1 量子状態について
9.1.2 基礎となる式
9.2 絶対零度での性質
9.3 有限温度での性質
9.3.1 状態密度
9.3.2 有限温度での粒子数の分布
9.3.3 有限温度での熱力学量
9.3.4 低温相について
9.3.5 高温近似
付録A 数学的な補足
A.1 Gauss 積分
A.2 n 次元球の体積と表面積
付録B 特殊関数
B.1 Γ関数
B.2 Riemann のζ関数
B.3 Appell の関数
索引