アーサー・C・クラークのSF小説「楽園の泉」や、ガンダム(機動戦士ガンダム00、∀ガンダム)などに登場する宇宙エレベーター(軌道エレベーター)は、SFの中だけの夢物語だと思われてきた。しかし、ここ10年ほどの急激な素材革命によって、技術的には実現の可能性が見え始めており、早ければ20〜30年後くらいには実用化される可能性もある。
この本では、宇宙エレベーター全般について紹介していく。技術的なトピックだけには留まらず、達成するために解決しなくてはならない社会・制度上の障壁、建築された場合の社会・産業上のインパクトなどについても紹介する。
https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274067921/
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プロローグ 技術の進歩はいつも新しい時代をつくってきた
第1章 宇宙へ昇っていくエレベーター
第2章 宇宙エレベーター実現の鍵を握る素材技術
第3章 宇宙エレベーターというシステムを完成させる技術
第4章 身近な宇宙旅行、そして月や火星に
第5章 次世代宇宙インフラが変える私たちの生活
エピローグ 宇宙エレベーターをつくるのは誰か
はじめに
プロローグ 技術の進歩はいつも新しい時代をつくってきた
第1章 宇宙へ昇っていくエレベーター
なぜ宇宙エレベーターは落ちてこない?
100年以上前からあった宇宙エレベーターの発想
宇宙エレベーターが注目される理由1、もっと安く!
宇宙エレベーターが注目される理由2、もっと多く!
宇宙エレベーターが注目される理由3、もっと遠くへ!
COLUMN:空中に浮いた宇宙エレベーター「スカイフック」
第2章 宇宙エレベーター実現の鍵を握る素材技術
ケーブルに求められる強度とは?
炭素が示した新たな可能性
素材革命は「サッカーボール」から始まった
目次「球」じゃなくて「棒」だったらどうなる
カーボンナノチューブは本当に長くできるのか?
COLUMN:カーボンナノチューブが最強である科学的な理由
「テーパーをかける」という奥の手もある
第3章 宇宙エレベーターというシステムを完成させる技術
ステーションのエネルギーと軌道制御システム
クルーザーを動かすエネルギー&運行システム
けっこうやっかいな「下り」の運行システム
COLUMN:地上のエレベーターと同じ運行システムも考えられる?
有人施設の室内環境を整える生命維持システム
いちばんやっかいな放射線被曝対策
ケーブル切断事故に備えた安全システム構築は可能か?
実際、ケーブルが切れたらどうなるのだろう
COLUMN:ケーブルをアース・ポートに固定する必要はあるのか?
宇宙エレベーターを守るさまざまな防衛システム
結局、どこに、いつ、誰がつくるのか?
COLUMN:ロケットによる民間輸送事業は本当に可能か?
第4章 身近な宇宙旅行、そして月や火星に
最初の宇宙ツアーは1週間の日帰りで
COLUMN:どうしても無重力を体験したい観光客のために
「静止軌道までちょっと出張」という時代は来るのか?
高度10万キロ、そして「深く、宇宙へ」
第5章 次世代宇宙インフラが変える私たちの生活
困難な手術を可能にする宇宙病院
画期的な新素材が期待できる無重力・高真空の宇宙工場
自然エネルギー利用の究極の形「宇宙太陽光発電」
人工衛星時代の終わり?
人工衛星の代わりはもっと低い空で
エピローグ 宇宙エレベーターをつくるのは誰か
参考資料
索引