従来の光回路では、各部品性能の最適化と卓越した半導体技術により最高性能の超高速通信方式が実現されたが、反面コスト高となり、応用は高性能通信に限定された。これに対して、シリコン(Si)フォトニクスは、現在までの低コスト量産技術であるCMOS回路製造技術によりSi基板上に光集積回路を作るものであり、限られた用途ではあるがすでに実用性能が得られ始めている。課題はシリコン基板上への光源の実現であり、有望なデバイスはまだ得られていないが、各種の光結合法・接合法・集積法を駆使して、これを補う方法が前進しつつある。
シリコンフォトニクスは、安価な短距離通信、コンピュータ間およびコンピュータ内接続、デバイス間接続に始まり、究極的には半導体チップ間やチップ内接続にまで光の用途を拡大させる技術である。CMOS技術の限界は相互接続にあるといわれるが、このシリコンフォトニクス技術により、IoTで問題となる処理能力やメモリー能力を飛躍的に増大することが期待される。
本書は、過去10年間において刊行された“Silicon Photonics”3部作の全訳であり、この間の技術推移をたどり、基礎から応用までを通して理解することができる。巻末の全巻略語が理解を助ける。
https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274506567/
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訳者まえがき
第I部 材料と基本技術
第1章 フォトニクス応用のためのシリコンの基礎
第2章 集積シリコンフォトニクス
第3章 モノリシックシリコン微小フォトニクス
第4章 光相互接続
第5章 モノリシックシリコン光源
第6章 シリコン微小構造における誘導Raman散乱による,発光,増幅,および波長変換
第7章 シリコン光受信器
第8章 シリコン系導波路
第9章 シリコン系フォトニック結晶
第10章 波長分割多重化のためのシリコン系導波路技術
第11章 シリコンデバイスによる光変調
第II部 部品と集積技術
第12章 シリコン細線光導波路:基礎と応用
第13章 クラッド応力設計によるシリコン光導波路部品の偏光制御
第14章 回折格子を用いるシリコンナノ光集積回路と単一モード光ファイバのインタフェース
第15章 オンチップ光源のための Er添加窒化シリコンと珪酸Er の開発と応用
第16章 シリコンフォトニクスの可能性を広げるゲルマニウム
第17章 シリコンフォトニクス:システムオンチップの展望
第18章 シリコンプラットフォーム上の高速フォトニクス集積チップ
第19章 CMOSフォトニクス:光エレクトロニクス集積プラットフォーム
第20章 フォトニクスとエレクトロニクスの集積
第III部 システムと応用
第21章 高密度光相互接続のためのシリコン光インタポーザ
第22章 シリコン量子フォトニクス
第23章 温度無依存シリコンフォトニクス
第24章 シリコンフォトニクスにおける設計フローの自動化:課題,連携,および標準化
第25章 コンピュータシステムのためのハードウェア-ソフトウェア集積シリコンフォトニクス
第26章 シリコンフォトニクス商用化への道:ファンドリモデルの考察
第27章 シリコンフォトニクスデバイスのパッケージ
第28章 シリコンフォトニクスパッケージの自動化:課題,挑戦,および考察
第29章 CMOSのコスト−製造量パラダイムとシリコンフォトニクスの製造
第30章 300mmプラットフォームを用いるシリコンフォトニクスの研究と製造
第31章 マイクロ波フォトニクス初段のためのシリコンフォトニクスに基づく信号処理
第32章 先進的シリコンフォトニクス送受信器
第33章 シリコン上のヘテロ集積を用いる光送受信器
第34章 シリコンフォトニクスの利点とその影響
第35章 遠隔通信とデータ通信応用のためのシリコンフォトニクス
第36章 シリコンフォトニクスは高性能ネットワークの実現技術として競争力を持つか?
第37章 シリコンフォトニクス技術:データセンタ相互接続に対するギャップ分析
第38章 高性能データセンタのためのVLSIフォトニクス
略語表
索引
訳者まえがき
第I部 材料と基本技術
第I部のまえがき
第1章 フォトニクス応用のためのシリコンの基礎
1.1 まえがき
1.2 シリコンの物理的特性
1.3 バンドギャップ設計
1.3.1 原子層超格子におけるBrillouin領域の折返し
1.3.2 合金を用いるバンド構造設計
1.4 量子閉込め
1.4.1 多孔質シリコン
1.4.2 シリコンナノ結晶
1.4.3 量子井戸,細線,およびドット
■量子井戸
■量子細線
■量子ドット
1.5 不純物
1.5.1 シリコンにおける不純物発光
1.5.2 シリコンナノ結晶と結合したエルビウム
1.6 フォトニクス部品
1.6.1 シリコン系導波路
1.6.2 検波器
1.6.3 他のフォトニクス部品
1.6.4 シリコンフォトニクス集積回路
1.7 シリコンレーザの新たな方向
1.7.1 バルクシリコン
1.7.2 Si/Ge量子カスケード構造
1.7.3 テラヘルツ発光
1.7.4 低次元シリコン構造
1.7.5 シリコンを含む分子と高分子
1.8 むすび
・参考文献
第2章 集積シリコンフォトニクス
2.1 まえがき
2.2 集積シリコンフォトニクスの応用
2.2.1 チップ間応用
■温度の問題
■電圧の問題
2.2.2 長距離応用
2.3 集積
2.3.1 集積の種類
2.3.2 コスト
2.3.3 性能
2.3.4 作製プロセス
■熱的安定性
■化学的適合性
■リソグラフィー
■エッチング
2.3.5 歩留り
2.3.6 結合とパッケージ
■テーパ
■レーザダイの位置合せ
■ファイバ取付け
2.4 むすび
・参考文献
第3章 モノリシックシリコン微小フォトニクス
3.1 まえがき
3.1.1 シリコンパラダイム
3.1.2 相互接続のボトルネック
3.1.3 通信技術に対するロードマップ
3.1.4 フォトニクス相互接続
3.1.5 微小フォトニクス集積回路
3.1.6 コンピュータにおける光相互接続
■光クロック信号分配
■光データバス
3.2 フォトニクス部品
3.2.1 光導波路
3.2.2 曲がり
■高透過率共振器(HTC)曲がり
■鋭い曲がりに対する空気溝曲がり
3.2.3 WDM機能と挿入/抽出微小リング
3.2.4 偏光分岐器と回転子
3.2.5 シリコン光源
3.2.6 微小フォトニクス増幅器とレーザ
■屈折率の増加と効率の良い微小光増幅器の設計
■小型レーザ
3.3 光検波器
3.3.1 オンチップ検波器のヘテロエピタキシャル成長
3.3.2 Si上に集積するGe検波器
3.3.3 広波長域の高速検波器
3.3.4 光波回路と光検波器の集積
3.4 フォトニック結晶構造
3.4.1 超小型デバイス
3.4.2 多チャンネル設計
3.4.3 フォトニックバンドギャップ導波路増幅器
3.4.4 複雑なフォトニック構造
3.5 むすび
・参考文献
第4章 光相互接続
4.1 まえがき
4.2 電気相互接続の致命的問題
4.2.1 チップ内電気相互接続と縮小
4.2.2 相互接続の速度ボトルネック
4.2.3 電力消費,信号の完全性,およびトレードオフ
4.2.4 広域的設計問題としての相互接続
4.3 電磁波相互接続の性質
4.3.1 定義,性能指数,および性能評価
4.3.2 光相互接続の物理的魅力
4.4 相互接続の限界
4.4.1 基本的限界
4.4.2 材料限界
4.4.3 デバイス限界
4.4.4 回路限界
■速度性能に対する損益分岐長
■最大遅延時の速度に対する損益分岐長
■速度を最適化した相互接続における速度と出力性能
4.4.5 システム限界
4.5 光相互接続技術
4.5.1 アーキテクチャ
4.5.2 機能
■電源
■クロック分配ネットワーク
■WDMネットワーク用の集積光回路
4.5.3 物理的領域分割
4.5.4 自由空間光相互接続
4.5.5 導波光の相互接続
4.5.6 集積光回路の位置合せ
4.6 むすび
・参考文献
第5章 モノリシックシリコン光源
5.1 まえがき
5.2 シリコン発光のメカニズム
5.3 バルクシリコンLED
5.4 シリコン量子ドットLED
5.5 SiGe LED
5.6 エルビウム添加シリコンLED
5.7 シリコン系レーザの展望
・参考文献
第6章 シリコン微小構造における誘導Raman散乱による,発光,増幅,および波長変換
6.1 まえがき
6.2 シリコンにおけるRaman散乱の理論
6.2.1 自然Raman発光
6.2.2 誘導Raman散乱
6.2.3 Raman散乱の結合モード理論解析
6.2.4 シリコンにおけるコヒーレント反Stokes Raman散乱
6.2.5 シリコン導波路におけるCARSのモード結合解析
6.2.6 パラメトリック波長変換器
6.2.7 シリコン導波路の分散制御による位相整合
6.3 実験結果
6.3.1 シリコン導波路で観測される自然Raman散乱
6.3.2 シリコン導波路における三次の光非線型性
■シリコン導波路における誘導Raman散乱の観測
■シリコン導波路における2光子吸収
■シリコン導波路におけるコヒーレント反Stokes Raman散乱の実証
6.3.3 シリコンにおけるパラメトリックRaman波長変換の実証
6.4 むすび
・参考文献
第7章 シリコン光受信器
7.1 標準シリコン技術における光検波器
7.1.1 バイポーラ技術における光検波器
7.1.2 CMOS技術の光検波器
7.1.3 BiCMOS技術による光検波器
7.1.4 SOI上の横型pinフォトダイオード
7.2 進歩した光検波器
7.2.1 二重フォトダイオード
7.2.2 縦型pinフォトダイオード
7.2.3 フィンガ型フォトダイオード
7.3 光受信回路の実例
7.3.1 DVD応用のためのOS-OEIC
7.3.2 ファイバ受信器
7.4 むすび
・参考文献
第8章 シリコン系導波路
8.1 まえがき
8.2 技術的背景
8.3 導波路の性質と設計
8.3.1 SOI導波路のモード
8.3.2 曲がり導波路の設計
8.3.3 導波路複屈折の制御
8.3.4 散乱損失
8.3.5 設計のまとめ
8.4 シリコン導波路の単一モードファイバ接続
8.5 シリコンアレイ導波路型回折格子
8.5.1 まえがき
8.5.2 機能
8.5.3 アレイ−スラブ境界による損失
8.5.4 PDF制御
8.5.5 単一モード設計
8.5.6 実例の結果
8.6 シリコン可変光減衰器
8.6.1 メカニズム
8.6.2 熱光学効果
8.6.3 自由キャリア効果
8.6.4 pinダイオード減衰器
・参考文献
第9章 シリコン系フォトニック結晶
9.1 まえがき
9.2 フォトニック結晶の理論
9.2.1 周期的誘電体媒質におけるMaxwell方程式
■電磁界分布の数値解法
9.2.2 対称性,スケーリング則,および欠陥
9.3 シリコン系フォトニック結晶
9.3.1 シリコン系フォトニック結晶−概説
9.3.2 マクロ多孔質系フォトニック結晶
9.3.3 2次元フォトニック結晶
■バルク2次元フォトニック結晶
■2次元フォトニック結晶の欠陥
9.3.4 3次元フォトニック結晶
■バルク3次元フォトニック結晶
■3次元フォトニック結晶の欠陥
9.4 結論と展望
・参考文献
第10章 波長分割多重化のためのシリコン系導波路技術
10.1 まえがき
10.2 平面型導波路のWDM部品
10.2.1 アレイ導波路回折格子型多重化分離素子
10.2.2 エシェル回折格子型多重分離素子
10.3 シリコン上のシリカガラス導波路
10.3.1 シリカガラス導波路の堆積
10.3.2 シリカ導波路の損失
10.3.3 シリカガラス導波路の偏光依存性損失
10.4 SOI導波路
10.4.1 SOI導波路のモード制御
10.4.2 SOI導波路の損失
10.4.3 SOI導波路デバイスの偏光依存性損失
10.5 むすび
・参考文献
第11章 シリコンデバイスによる光変調
11.1 まえがき
11.2 物理的効果
11.2.1 電界と電荷キャリアの効果
■電気的電界効果
■電荷キャリア効果
■Drudeモデル
11.2.2 結晶シリコンにおける熱光学効果
11.3 光変調の諸方式
11.3.1 自由キャリア吸収による変調
■電気駆動方式
11.3.2 シリコン光変調における干渉計構造
■全シリコン変調器
■絶縁膜上シリコンの変調器
・参考文献
第II部 部品と集積技術
第II部のまえがき
第12章 シリコン細線光導波路:基礎と応用
12.1 まえがき
12.2 シリコン細線光導波路の基本設計
12.2.1 導波モード
12.2.2 形状誤差の効果と複屈折
12.2.3 曲がりにおける伝搬損失と放射損失
12.2.4 外部ファイバとの結合
12.3 基本伝搬性能
12.3.1 作製法
12.3.2 伝搬性能
12.4 シリコン細線光導波路の簡単な応用
12.4.1 受動デバイス
12.4.2 能動デバイス
■熱光学効果
■キャリア注入
12.4.3 非線型機能
12.5 偏光操作
12.5.1 偏光分岐器と偏光回転素子
12.5.2 偏光ダイバシティ
12.6 むすび
・参考文献
第13章 クラッド応力設計によるシリコン光導波路部品の偏光制御
13.1 まえがき
13.2 SOI導波路:一般論
13.2.1 単一モード条件
13.2.2 高次モードフィルタ
13.3 導波路複屈折:幾何形状効果
13.3.1 導波路断面
13.3.2 コア寸法による形状複屈折の変化
13.3.3 分散と群複屈折
13.4 クラッド応力で誘起される複屈折:理論とモデル化
13.4.1 光弾性効果
13.4.2 通常の平面歪みモデルと規格化平面歪みモデル
13.4.3 導波路におけるクラッド応力誘起複屈折
13.4.4 応力誘起モード不整合
13.4.5 群複屈折に与える応力誘起効果
13.4.6 コア寸法による応力誘起複屈折の変化
13.5 クラッドの応力制御:応用
13.5.1 偏光無依存AWG
13.5.2 偏光無依存リング型共振器,Mach-Zehnder型干渉計,および方向性結合器
13.5.3 ゼロ次AWG構造の広帯域偏光分岐器
13.5.4 受動部品における複屈折のトリミング
13.5.5 Ramanと他の非線型過程における位相整合と能動的複屈折調整
13.5.6 シリコンにおける応力誘起Pockels電気光学効果
13.6 むすび
・参考文献
第14章 回折格子を用いるシリコンナノ光集積回路と単一モード光ファイバのインタフェース
14.1 ナノフォトニクスSOI導波回路
14.2 ファイバ-チップ間結合問題の解決策
14.3 ファイバ-チップ間回折格子型結合器の基礎
14.4 ファイバ-チップ間の高効率回折格子型結合器
14.5 ファイバ-チップ間のマルチバンド回折格子型結合器
14.6 偏光無依存のファイバ-チップ間結合
14.7 光エレクトロニクス部品の集積
14.8 小面積のファイバ-チップ間結合構造
14.9 ナノフォトニクス集積回路の光プローブ
14.10 むすび
・参考文献
第15章 オンチップ光源のためのEr添加窒化シリコンと珪酸Erの開発と応用
15.1 まえがき
15.1.1 Siフォトニクスと光源
15.1.2 光不純物としてのEr
15.1.3 シリコン過剰窒化物と珪酸Er
15.2 Erを添加したシリコン過剰の窒化物
15.2.1 実験
15.2.2 結果と検討
15.2.3 結論
15.3 珪酸Er
15.3.1 実験
15.3.2 結果と検討
15.4 Er添加SRSNの応用:高Q微小ディスク
15.4.1 実験
15.4.2 結果と検討
15.5 むすび
・参考文献
第16章 シリコンフォトニクスの可能性を広げるゲルマニウム
16.1 まえがき
16.2 材料設計
16.3 デバイス設計:タンデム型太陽電池
16.4 材料とデバイス特性:Si上(Ge)バッファ層とSi上のGe太陽電池
16.5 むすび
・参考文献
第17章 シリコンフォトニクス:システムオンチップの展望
17.1 まえがき
17.2 システムオンチップのパラダイム
17.3 オンチップ通信
17.3.1 オンチップバス
17.3.2 ネットワークオンチップ
■接続形態
■経路選択アルゴリズム
■デッドロック
■サービス品質
■誤り回復
17.4 SoC集積の課題
17.4.1 電気相互接続の分類
17.4.2 電気相互接続の尺度
■伝搬遅延
■帯域幅密度
■電力・遅延積
■ビット誤り率
17.5 オンチップ光相互接続
17.5.1 PIMOSプロジェクト
17.5.2 WADIMOSプロジェクト
17.6 むすび
・参考文献
第18章 シリコンプラットフォーム上の高速フォトニクス集積チップ
18.1 まえがき
18.2 シリコンフォトニクス集積チップの設計
18.3 集積チップの作製
18.4 デバイス性能
18.4.1 シリコンMZM単体の高速性能
18.4.2 MUX/DEMUX単体の性能
18.4.3 集積DEMUX,MZM,およびMUXチップのDC性能
18.4.4 シリコンPICの高速性能
18.5 むすび
・参考文献
第19章 CMOSフォトニクス:光エレクトロニクス集積プラットフォーム
19.1 まえがき
19.2 フォトニクス集積のためのCMOSプロセスの可能性
19.2.1 フロントエンド集積の意義
19.2.2 SOI基板の設計
19.2.3 導波路集積
19.2.4 フォトリソグラフィー
19.2.5 能動光デバイスの集積
19.2.6 ゲルマニウムモジュール
■ゲルマニウムモジュールの集積
19.2.7 プロセス制御と監視
19.2.8 他の集積要素
19.3 フォトニクスデバイスライブラリ
19.3.1 エレクトロニクスライブラリ:その発想
19.3.2 ライブラリの階層と設計の流れ
19.3.3 デバイスの概念
19.3.4 設計の選択:実験計画法
19.3.5 設計の選択におけるプロセス変動の役割
19.3.6 設計検証とデバイスモデル
19.4 設計と試験の基盤技術:成功の鍵
19.4.1 ウェファ規模の光エレクトロニクス試験
19.4.2 自動設計ツール
19.5 CMOSフォトニクスシステムの例
19.6 むすび
・参考文献
第20章 フォトニクスとエレクトロニクスの集積
20.1 まえがき
20.2 エレクトロニクスウェファ上のフォトニクスデバイス集積
20.2.1 IC上での作製
■SOIフォトニクスと電子ウェファの接合
■ヘテロ集積
20.2.2 組合せ作製法
20.3 裏面作製
20.4 受動フォトニクス回路
20.4.1 導波構造
■絶縁膜上のシリコンデバイス
20.4.2 アモルファスシリコン導波路の作製
20.4.3 光結合器
■回折格子型結合器
20.4.4 高効率で偏光無依存の面内ファイバ結合器
20.4.5 シリコン系光変調器
20.5 ゲルマニウム導波路型光検波器
20.6 200mmウェファにおけるレーザ作製
20.6.1 シリコン上のIII-V族半導体のダイ−ウェファ接合
20.6.2 微小エレクトロニクスツールによるInPレーザの設計と作製
■微小エレクトロニクスツールによるIII-V族プロセス
■シリコン上のFabry-Perotレーザ
■シリコン上の微小ディスク
20.7 むすび
・参考文献
第III部 システムと応用
第III部のまえがき
第21章 高密度光相互接続のためのシリコン光インタポーザ
21.1 まえがき
21.1.1 データセンタにおけるコンピュータシステムの動向と要請
21.1.2 電気相互接続の問題点
21.1.3 シリコンフォトニクスによる光相互接続
21.1.4 オンチップサーバの見通し
21.1.5 光-電子融合システム技術プロジェクト
21.2 チップ間相互接続のための光-電子融合システム
21.2.1 短距離光相互接続
21.2.2 フォトニクスとエレクトロニクスの集積
21.2.3 光源の集積
21.2.4 シリコン光インタポーザを用いる光-電子融合システム
21.3 シリコン光インタポーザに対する光部品の形状と特性
21.3.1 シリコン光導波路
21.3.2 ハイブリッド集積オンチップ光源
■アレイ型レーザダイオード
■スポットサイズ変換器
■アレイ型LDチップのフリップチップ接合
21.3.3 シリコン光変調器
21.3.4 ゲルマニウム光検波器
21.4 高帯域幅密度のシリコン光インタポーザ
21.4.1 帯域幅密度と光パワー見積り設計の考察
21.4.2 集積作製プロセス
21.4.3 データリンクの実験
21.4.4 帯域幅密度の意義
21.5 広温度範囲動作のシリコン光インタポーザ
21.5.1 ハイブリッド集積した温度無依存光源とその温度特性
21.5.2 光変調器とその温度特性
21.5.3 光検波器とその温度特性
21.5.4 広温度範囲におけるデータリンク実験
21.6 シリコン光インタポーザとFPGA送受信器を用いる25Gbit/sデータリンク
21.7 先進的作製プロセスと将来の広帯域光部品
21.7.1 ハイブリッド集積した1,200チャンネル光源
21.7.2 リング共振器型高速光変調器
21.7.3 低コンタクト抵抗の高速ゲルマニウム光検波器
21.7.4 ArF液浸リソグラフィーによるWDMのための300mmウェファプロセス
21.8 チップ間相互接続の展望
21.8.1 オンボードデータセンタの見通し
21.9 光I/Oコア
21.9.1 オンボードデータセンタ用のより効率的な相互接続
21.10 まとめ
・参考文献
第22章 シリコン量子フォトニクス
22.1 まえがき
22.1.1 量子情報
■もつれ
■行路符号化qビット
22.1.2 量子応用に対する光学的な要求
■光子源
■線形光学系
■単一光子検出
22.1.3 量子光学系の拡張
22.1.4 シリコン量子フォトニクス
22.2 線型光学系
22.2.1 ビーム分岐器
■量子干渉
■シリコンフォトニクスにおける量子干渉
22.2.2 移相器
22.3 光子源
22.3.1 光子源に対する要求事項
22.3.2 SOIにおけるSFWM実験のまとめ
22.3.3 SFWM光源の理論
22.3.4 シリコン導波路の光子対光源
■位相整合
■対発生レート
■直線導波路の光源輝度の最適化
■対発生の測定
■対発生データの解析
22.3.5 リング型共振器
■リング共振器による対発生の最適化
■リング型共振器における対発生の実験
■結合スペクトル相関と光源の純度
22.4 オンチップ検出器
22.5 集積
22.5.1 複数光源
22.5.2 光源とフィルタ
22.5.3 複数の光源と干渉計
■集積型行路もつれの発生と解析
■二つのSOIチップ間のもつれ分配
22.6 展望
22.6.1 まとめ
・参考文献
第23章 温度無依存シリコンフォトニクス
23.1 まえがき
23.2 温度無依存化技術の背景
23.2.1 温度依存性波長技術
23.2.2 材料の熱光学係数
23.2.3 温度無依存シリカAWG
23.3 高分子クラッドを用いる温度無依存型シリコンフォトニクス
23.4 チタニアクラッドを用いる温度無依存シリコンフォトニクス
23.5 負TO材料を用いない温度無依存型シリコンMZI
23.6 まとめ
・参考文献
第24章 シリコンフォトニクスにおける設計フローの自動化:課題,連携,および標準化
24.1 シリコンフォトニクス−歴史は繰り返す
24.2 フォトニクス集積回路の設計手法とフロー
24.2.1 前工程と構成ブロックの方法論
24.2.2 プロセス設計キットによる設計
24.2.3 設計フローの概要-アナログ設計フローとの比較
■回路図入力によるレイアウト
■検査と製造容易性のための設計
■設計感度
24.2.4 回路図の取込み
■シミュレーションと解析のインタフェース
■シミュレーションとレイアウトの整合
24.2.5 フォトニクス回路のモデル化
■SPICEを用いる電子回路シミュレーション
■エレクトロニクスとフォトニクスのシミュレーション
■フォトニクス回路のシミュレーション
■周波数領域解析
■時間領域解析
24.2.6 コンパクトモデルでのモデル抽出
■方法と課題
■物理シミュレーションからのモデル抽出
■時間領域におけるコンパクトモデル
■フォトニクス回路モデル化の例
24.2.7 回路図入力によるレイアウト
■フロアプラン
■配線
■特殊設計
24.2.8 シリコンフォトニクスにおける物理検証
■設計ルール検査
■レイアウト-回路図照合
■寄生素子抽出
■製造性を考えた設計
24.3 製造とリソグラフィー?精度の問題とプロセス変動
24.3.1 シリコンフォトニクスの作製プロセス
24.3.2 リソグラフィー
■電子ビームリソグラフィー
■深紫外リソグラフィー
24.4「共同設計」問題
24.4.1 共同レイアウト
24.4.2 共同シミュレーション
24.4.3 共同集積
24.4.4 パッケージ
24.5 非集積設計,製造,封止,検査エコシステムの進化を助ける標準化機関
24.5.1 EDAへのフォトニクスの適合
24.5.2 フォトニクスに対する追加/修正
24.5.3 プロセス設計キット
■エレクトロニクスPDK
■シリコンフォトニクスPDK
■現在の分野−強みと弱み
■展望
■光エレクトロニクス
24.5.4 形式
24.5.5 標準化機関
■シリコン集積イニシアティブ
■PDAフロー財団
24.6 光エレクトロニクス統合設計フローの必要性
24.7 まとめ
・参考文献
第25章 コンピュータシステムのためのハードウェア−ソフトウェア集積シリコンフォトニクス
25.1 シリコンフォトニクスシステム−サブシステムの意義
25.2 チップ規模のシリコンフォトニクスサブシステム
25.2.1 シリコンフォトニクス製造プラットフォーム
25.2.2 フォトニクスパッケージ
25.2.3 シリコンフォトニクスリンクにおけるエンド-エンド間接続
25.2.4 プログラム可能な論理素子で実現されるシステム
25.2.5 システム的考察
25.3 熱安定化のためのデバイス制御
25.4 高速シリコンフォトニクスサブシステム
25.4.1 進行波 Mach-Zehnder型変調器と微小リング型変調器
25.4.2 Mach-Zehnder干渉計型と微小リング型スイッチ
25.4.3 微小リングの性能依存性
25.5 リンク配送のデータ同期と管理
25.5.1 リンク接続のためのバーストモードデータ
25.5.2 同期
25.5.3 評価したリンクの回線型接続管理ソフトウェアプロトコル
25.6 システム統合のためのハードウェア−ソフトウェア実装
25.6.1 チップ規模のシリコンフォトニクスシステムの抽象化
25.6.2 ソフトウェア制御と管理
25.6.3 シリコンフォトニクススイッチ回路のソフトウェア要求-許可型制御の例
25.6.4 制御を重視した統合-最適パワーのシリコンフォトニクス空間スイッチ
25.6.5 ネットワーク重視の統合-プログラム可能な波長経路選択
25.7 まとめ
・参考文献
第26章 シリコンフォトニクス商用化への道:ファンドリモデルの考察
26.1 まえがき
26.2 シリコンフォトニクス技術の状況
26.2.1 ファブレス半導体モデル
26.2.2 CMOSフォトニクスによるモノリシック集積
26.2.3 ハイブリッド集積の技術プラットフォーム
26.3 研究開発ファンドリの役割
26.3.1 標準シャトル稼働
26.3.2 カスタムプロセスプラットフォーム
26.3.3 少量生産
26.4 商品化への道
26.4.1 CMOSファンドリにおける製造
26.4.2 プロセスの品質評価と信頼性
26.4.3 展望と傾向
26.5 結論
・参考文献
第27章 シリコンフォトニクスデバイスのパッケージ
27.1 まえがき
27.2 光学的パッケージ
27.2.1 ファイバ結合
27.2.2 回折格子結合
27.2.3 端面結合
27.2.4 レーザ集積
27.2.5 微小光学ハイブリッド集積
27.2.6 VCSELのハイブリッド集積
27.3 電気パッケージ
27.3.1 PCB向けのパッケージ
■3次元電子パッケージ
■2.5次元電子パッケージ
27.4 標準化
27.5 結論
・参考文献
第28章 シリコンフォトニクスパッケージの自動化:課題,挑戦,および考察
28.1 まえがき
28.2 回折格子上のファイバアレイピッグテイル自動化
28.3 PIC上の光ファイバインタフェースとレーザ集積:革新的概念と自動化の検討
28.3.1 外部ファイバとの光インタフェース
■第1の手法
■第2の手法
■第3の手法
■第4の手法
28.3.2 PIC上のレーザ集積
28.4 結論
・参考文献
第29章 CMOSのコスト−製造量パラダイムとシリコンフォトニクスの製造
29.1 まえがき
29.2 少量生産
29.2.1 マルチプロジェクトウェファによる手ごろな価格の試作
29.2.2 商用のR&Dプロジェクト
29.2.3 コーナロット
29.2.4 少量生産ロット
29.3 市場と生産量
29.3.1 データ通信
29.3.2 遠隔通信
29.3.3 センサ
29.3.4 生産量の進化
29.4 試作から大量生産へ:技術段階と課題
29.4.1 PDKと設計フロー
29.4.2 新テープアウト
■フロア計画
■検査サイト:プロセス制御と機能検査
■IPブロック
■製造ルール検査
■敷き詰めと分解
■OPC,LFD,バイアス
■マスクショップとの意思疎通
29.4.3 フローセットアップとフォローアップ
29.4.4 品質評価と歩留り解析
29.4.5 ダイ切断
29.4.6 パッケージと信頼性
29.5 まとめ
・参考文献
第30章 300mmプラットフォームを用いるシリコンフォトニクスの研究と製造
30.1 まえがき
30.2 産業化戦略とエレクトロニクス−フォトニクス集積
30.2.1 シリコンフォトニクスの品質評価手法
30.2.2 エレクトロニクスとフォトニクスの集積
30.2.3 ウェファ選別のための検査戦略
30.3 300mmウェファ上のフォトニクスプロセス集積とプロセス制御
30.3.1 光部品のパターン形成
30.3.2 能動光部品の作製
30.3.3 ラインの中間段階と最終段階
30.3.4 デバイス性能
30.3.5 プロセスと性能監視のための光検査チップの開発
■検査チップの静的品質評価:プロセス監視と3次元FEBE光適合性
■EICのない検査チップの動的品質評価:変調器の例
30.4 設計キットとSPICEモデルの手法
30.4.1 フォトニクスSPICEモデルの開発
■開発フロー
■例:位相変調とフォトダイオード
30.4.2 SPICEモデルの抽出フロー
30.4.3 SPICEモデルとハードウェアの相関
■高速位相変調器
■高速光検波器
30.4.4 SPICEモデルプラットフォームの機能
30.5 設計と性能改善のためのプロセスの追究
30.5.1 表面結合効率の改善
■基板と裏面反射の最適化
■基板とデバイス作製
■光特性評価とデバイス性能
30.5.2 先進的なシリコンのパターン形成
■単一エッチング導波路の限界
30.5.3 リング型変調器デバイスの応用
■pnとpinアーキテクチャ
■リング型変調器実用化における課題
■リング型変調器の応用
・参考文献
第31章 マイクロ波フォトニクス初段のためのシリコンフォトニクスに基づく信号処理
31.1 まえがき
31.2 シリコンに基づく信号プロセッサ
31.2.1 FIR信号プロセッサ
■縦続MZIに基づくSOI FIR信号プロセッサ
■Si3N4 FIR信号プロセッサ
31.2.2 IIR信号プロセッサ
■Si3N4微小リング型IIRフィルタ
31.2.3 FIR/IIRハイブリッド信号プロセッサ
31.3 シリコンフォトニクスに基づくフォトニクス初段
31.3.1 並列下方変換の初段
31.3.2 OEOの初段
31.4 フォトニクス支援SDR送受信器
31.5 まとめ
・参考文献
第32章 先進的シリコンフォトニクス送受信器
32.1 まえがき
32.2 光相互接続のためのシリコンフォトニクス
32.3 シリコンフォトニクス技術の進歩
32.3.1 シリコンフォトニクスのウェファ処理フロー
32.3.2 シリコンフォトニクスデバイス
32.3.3 電子と光回路に対する2.5次元集積
32.3.4 シリコンフォトニクスのウェファスケールプローブ
32.4 シリコンフォトニクス技術における先進的光送受信器設計
32.4.1 設計インフラ構造:設計キット
32.4.2 送信器設計
32.4.3 受信器設計
32.4.4 送受信器アーキテクチャ
32.5 シリコンフォトニクスのための光源
32.6 パッケージ封止
32.7 まとめ
・参考文献
第33章 シリコン上のヘテロ集積を用いる光送受信器
33.1 まえがき
33.2 ヘテロ集積
33.2.1 部品
33.2.2 レーザ
33.2.3 半導体光増幅器
33.2.4 変調器
33.2.5 フォトダイオード
33.2.6 回路
■集積化の考察
■制御の考察
■パッケージと検査の考察
■新機能の実現
■例:100Gbit/s非冷却WDM送受信器PIC
33.3 パッケージ封止
■パッケージ中のヘテロシステム
■パッケージの解剖
33.4 むすび
・参考文献
第34章 シリコンフォトニクスの利点とその影響
34.1 シリコンフォトニクスデバイスの技術的利点
34.1.1 高屈折率差シリコン導波路
34.1.2 高集積レベルのシリコンフォトニクス
34.1.3 成熟したCMOS作製による高歩留りと低コスト
34.2 応用
34.2.1 遠隔通信応用
34.2.2 データ通信応用
34.2.3 チップ規模の相互接続
34.3 シリコンフォトニクス集積回路
34.3.1 WDM送信器
34.3.2 WDM受信器
34.3.3 コヒーレント光送信器
34.3.4 コヒーレント光受信器
34.4 まとめ
・参考文献
第35章 遠隔通信とデータ通信応用のためのシリコンフォトニクス
35.1 まえがき
35.2 アクセスと移動ネットワークに対する光スイッチデバイス
35.2.1 シリコン集積ミニROADM
35.2.2 多方向ROADMに対するシリコン集積デバイス
35.3 都市域転送ノードとデータセンタの光スイッチに対する高拡張性フォトニクス集積デバイス
35.3.1 シリコンフォトニクス集積TPA:IRISプロジェクト
■TPAのブロック図
■データセンタにおける光スイッチ
35.4 将来展望と研究の方向
・参考文献
第36章 シリコンフォトニクスは高性能ネットワークの実現技術として競争力を持つか?
36.1 まえがき
36.2 リブ導波路型移相器の基本特性
36.2.1 MZ干渉計中のリブ導波路型移相器
36.2.2 光損失特性
36.2.3 低RC遅延のための直列抵抗の低減
36.2.4 EO応答
36.3 高速シリコン光変調器のための自由キャリアプラズマ分散
36.3.1 Drude理論におけるエネルギー伝達
36.3.2 TECのないDC光特性
36.3.3 周波数チャープ
36.4 大容量光ネットワークにおけるシリコン光変調器
36.4.1 オンオフ変調特性
36.4.2 位相シフト変調特性
■BPSK
■QPSK
■DP-QPSK
36.5 むすび
・参考文献
第37章 シリコンフォトニクス技術:データセンタ相互接続に対するギャップ分析
37.1 まえがき
37.1.1 新しいインターネット
37.1.2 データセンタネットワークアーキテクチャ
37.2 データセンタ内相互接続の性能基準
37.2.1 コスト
37.2.2 電力,密度,サイズ
37.2.3 ケーブル効率
37.2.4 待ち時間
37.2.5 運用性:挿抜可能と埋込み送受信器
37.2.6 性能
37.3 むすび
・参考文献
第38章 高性能データセンタのためのVLSIフォトニクス
38.1 フォトニクス相互接続をしたデータセンタアーキテクチャ
38.2 Si微小リングを用いる送受信器
38.3 ハイブリッドIII-V族オンシリコン
・参考文献
略語表
索引