行動を変えるデザイン 心理学と行動経済学をプロダクトデザインに活用する

行動経済学、心理学をサービスデザインに活用!

このような方におすすめ

ウェブデザイナー、サービスプランナー、モバイルアプリ開発者など
  • 著者Stephen Wendel/武山 政直/相島 雅樹
  • 定価3,740 (本体3,400 円+税)
  • A5 464頁 2020/06発行
  • ISBN978-4-87311-914-4
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本書は、行動経済学と心理学をもとに、人々の行動、日常習慣を変えるためのプロダクトをデザインするための書籍です。主に医療(健康管理)、金融(資産管理)など、これまでITプロダクト(サービス、アプリなど)がなかなか使われてこなかった分野を対象に、ユーザーがやりたいと思っていたものの実行できなかったような行動を実現することを助けるプロダクトを作り出すための、実践的な情報を提供します。

https://www.ohmsha.co.jp/book/9784873119144/

    
BJ・フォッグによるまえがき

はじめに
行動変容デザインが意味するもの
行動変容デザインにおける「デザイン」段階について
アジャイル、リーン分野での行動変容デザイン
対象読者
研究、データ、そしてプロダクトの専門知識を組み合わせる
本書を効果的に学ぶために知っておいたほうがいいこと
どのような種類の行動を手助けできるのか
本書が扱っていないこと
行動変容と黒魔術
黒魔術と行動変容はよく似ている
……とはいえ、完全に同じではない
そして、行動変容はより持続しやすい
どのようにして本書は書かれることになったのか
本書の構成
議論しよう
謝辞
研究と着想

第I部 心の働きと行動変容を理解する

第1章 心は次にやることをどうやって決めているのか
熟慮の心理、直感の心理
解明される心の動き
ふだんのわたしたちは次に何をするかを選んでいない
過去の経験によって、気づかぬうちに直感的反応と行動が生じている
習慣による直感的な行動は予測できる
外界への反応の仕方は文脈に影響されやすい
わたしたちは「選択している」ときでさえ、さぼっている
安易な課題を探しがち
誰かが答えを教えてくれる
心のリソース(心的資源)はごく限られている
シンプルで当たり前なことがやはり大事だ
意思決定プロセスのまとめ
まとめ

第2章 なぜ他でもないその行動をするのか
「いつ」「どうして」の行動モデル
キュー(Cue)
反応(Reaction)
評価(Evaluation)
アビリティ(能力、Ability)
タイミング(Timing)
CREATEアクションファネル
どのステージも相対的なものである
どのステージも人によって異なる
あるステージは他のステージと貸し借りしている
行動のたびにファネルは繰り返されている
ファネルは通過するたびに変わっている
まとめ

第3章 行動を変える戦略
決断か反応か:行動を変えるための3つの戦略
戦略1:チート戦略
一回きりのチート戦略
デフォルトにする
「ついで」にする
繰り返しのチート戦略
繰り返す行動を自動化する
でもチート戦略って、ズルいでしょ?
アクションファネルでのチート
戦略2:習慣をつくる、変える
習慣は行動を簡単にする
習慣のつくり方
すでにある習慣を変える
選択肢1:キューを避けられるように手助けしよう
選択肢2:何か他のものに習慣を変えてしまう
選択肢3:意志の力で干渉する
選択肢4:マインドフルネスを活用する
選択肢5:今までの習慣を追い出す
戦略3:意識的な行動を助ける
3つの戦略のおさらい
まとめ

第II部 適切な成果、行動、アクターを見つけ出す

第4章 何を達成したいかを明らかにする
プロダクトのビジョンから始める
ターゲットアウトカムを見極める
成果を明確にする
心理状態を指標にするのは避けよう
成果を定義するための他の方法
優先順位をつけて統合する
プロダクトがどうやってそれを実現するかを語るのを避ける
なぜこんな面倒なことをするのか
プロダクトの目指す成果に誰も合意できなかったら?
企業中心(company-centric)の目的設定について
ビジョンを記述する
経営目標を記述する
ユーザーの成果を定義する
その他の制約条件を明らかにする
ユーザーがとりうる行動の一覧をつくる
それぞれの行動を明確化する
アイデアを出すためのテクニック
それぞれのケースの「実用最小限のアクション」を探す
いろいろな分野からの事例
まとめ

第5章 適切なターゲットアクションを選択する
ターゲットユーザーを調査しよう
ターゲットユーザーは誰か
日々の生活で彼らがどう振る舞っているか
アプリケーションの中で彼らがどう振る舞っているか
ペルソナをつくる
ひとつひとつのありうる行動ごとにプロセスを繰り返す
ペルソナ作成の2つのテクニック
理想的なターゲットアクションを選択する
成功と失敗を定義する
とても多様な集団に対処するには
適応あるいはパーソナライズを検討する
ターゲットオーディエンスを絞り込む
まとめ

第III部 コンセプトデザインをつくる

第6章 行動を構造化する
ビヘイビアプランを始める
書き出して詳細化する
プランを仕立てる
シンプルにする
実用最小限のアクションにまで切り詰めよう
あわよくばチートする
習慣にできそうな行動を探そう
「簡単そう」にする
なるべく大きくまとめる
よくある失敗
簡単でしょ!
大変だからこそ頑張ってくれるようになる
「小さな勝利」を
まとめ

第7章 環境を構築する
使える戦術
動機を高める
まずは新しい動機よりも今ある動機を活かす
ユーザーを罰しない
さまざまなタイプの動機づけを試そう
未来の動機を現在に引き込む
行動のための他の前提条件を忘れずに
行動をとるようにキューを出す
フィードバックループを生み出す
競合に打ち勝つ
障害を取り除くか回避する
ビヘイビアプランを更新する
まとめ

第8章 ユーザー自身を準備する
とりうる戦術
未来の行動を支えるために、過去を物語る
ポジティブで馴染みがあることに関連づける
ユーザーを教育する
ユーザーがハマるように訓練する方法
ビヘイビアプランを更新する
行動変容のテクニックと思考の関係
まとめ

第IV部 インターフェースをデザインし、実装する

第9章 コンセプトデザインからインターフェースデザインへ
棚卸し
ストーリーや仕様を抽出する
アジャイル+リーン開発
シーケンシャル開発
ストーリー・仕様の素材となるもの
まだインターフェースを詳細化しないで
奇跡を起こす構造を用意する
行動を変えるプロダクトのデザインパターン
ユーザーとの接触回数の多いパターン
ユーザーとの接触回数の少ないパターン
デザインパターンの使い方
プロダクトを描き出す
2012年、バンド型活動量計の教訓
まとめ

第10章 インターフェースデザインを見直す
ギャップを探そう
CREATEアクションファネルでギャップを探す
大きいギャップは、アクション・環境・ユーザーで埋める
戦術を活かす機会を見つける
キューの行動戦術
ユーザーに何をするのかを伝える(そして、行動を求める)
どこで何ができるかを明らかにする
ページから余計なものを削除する
番外編:点滅する文字
反応の行動戦術
きれいで専門的なサイトにする
社会的証明を利用する
テーマについての強い権威を示す
フェイク(偽物)にならないようにする
評価の行動戦術
ユーザーの連想を刺激しておく(プライミング)
損失回避を促す
ピア比較を利用する
競争心理を利用する
認知の過負荷を避ける
選択の過負荷を避ける
直接お金を渡すのは避ける
アビリティの行動戦術
実行意図を引き出す
なんでもデフォルトにする
行動と情報の重荷を減らす(チートする)
ピア比較を活かす
タイミングの行動戦術
時間的近視眼を避けた言葉遣い
行動する約束を思い出してもらう
友人と約束してもらう
報酬の希少性を高める
インターフェースデザインを更新する
まとめ

第11章 デザインからコードへ
ユーザーにインターフェースデザインを見せよう
「成功」の定義を念頭に置いておく
行動によるフィードバックに着目する
デザインを仕上げる
プロダクトを構築する
開発の計画を立てて、リソースに優先順位をつける
技術的なトレードオフを評価する
テストする
できるだけ無駄なく(リーンに)やろう
まとめ

第V部 プロダクトを改善する

第12章 効果を測定する
なぜ効果を測るのか
成果と指標から始めよう
ターゲットアウトカムをはっきりさせよう
成果と行動の指標を定義しよう
〈アクション:運動する〉
〈アクション:新たな言語を勉強する〉
成功と失敗の閾値を決めよう
どうやって指標を測るのか
プロダクト内での行動を測る
プロダクト外での行動を測る
効果を明らかにする:実験を行う
いったい何人必要なのか
本当に効果があったと言えるのか
一度に複数のバージョンを検証する
実際にどうやってランダム化したらいいのか
既知のユーザーを割り当てる
未知のユーザーを割り当てる
もっと高度な実験デザイン
スタッガード・ロールアウト
マッチングと疑似実験
組み込む、導入する
効果を判断する:ユニークな行動と成果
実験以外の効果の判断方法
事前と事後の効果を見る
効果のクロスセクション分析とパネルデータ分析
プロダクト内で成果が測定できないと何が起きるのか
成果と行動を測定する方法をなんとか見つけ出す(アンケート調査以外)
プロダクトの行動を実世界の成果へ接続できるケースを見つけよう
データブリッジをかける
まとめ

第13章 行動の障害を見つける
ユーザーがプロダクトを使うところをこの目で見よう
データを確認しよう
必要に応じてユーザーについての追加情報を集めよう
ボトルネックを見つけるのにビヘイビアプランを使おう
行動が実際に成果に効いているのかを確認しよう
ユーザーの母集団をセグメントに分ける
上級テクニック:因果マップをつくる
因果マップを使ってアプリケーションの目標を決める
因果マップを使ってアプリケーションの効果や変更を評価する
因果マップを使って変更後の効果を予測する
障害の乗り越え方を見つける
CREATEアクションファネルで問題をデバッグする
検証しよう。小さく、軽く、徐々に
まとめ

第14章 プロダクトを学び、改善する
どの変更を実装するのか決める
取りまとめる
優先順位をつける
組み込む
主な変更ごとに効果を測定する
継続的にA/Bテストや多変量テストを回す
継続的に事前―事後分析の結果を比較する
継続的に統計モデルで影響を見つける
継続的に定性の検証を回す
多腕バンディットを使う
いつまでやれば「十分」なのだろうか
既存のプロダクトで行動を変えるには
まとめ

第VI部実践に投入する

第15章 ケーススタディ・よくある質問
手法のケーススタディ
理解
探索
デザイン
改善
なぜ、そして、どのようにしてわたしたちは行動するのか
初めて行動する瞬間、何が起きている?
日を追うごとに、行動の前提条件はどのように変わるのか
ユーザーの経験は、どのようにプロダクトの使い方を変えるのか
どうやってプロダクトを作るのか
外部の研究者たちにプロダクトのテストを手伝ってもらうには
どうやってユーザーとプロダクトとの関わりを維持するのか
どうしたら、押しつけを避けられるのか
行動変容デザインはビジネスモデルをどう変えるのか

第16章 結論
4つの学び
理解:どのように心はものごとを決めているのか
探索:どのようにゴールを明確にしてユーザーを理解するのか
デザイン:どのように行動をデザインするのか
行動
環境
ユーザー自身の準備
改善:どのようにプロダクトを反復的に良くしていくか
テーマ
行動変容デザインの将来

付録A:日本国内における行動変容デザインの事例
付録B:用語集
付録C:さらなる学習のために
付録D:文献

索引
訳者あとがき