本書は、ヒューマノイドロボットの基礎理論を、第一線の研究者がまとめた名著の改訂版です。昨今の災害等により見えてきた課題を踏まえたその後の研究開発を100ページ近くにわたって大幅増補するとともに、今後の予測される動向を踏まえて、内容の再整理を行っています。
2011年当時、「なぜヒューマノイドロボットを原発事故現場へ送らないのか?」という一般市民からの批判に、ヒューマノイドロボットの研究者・技術者の方々としては返す言葉もない状況がありました。しかし、それによって見えてきた課題をもとに、ヒューマノイドロボットの研究開発は加速していきます。現在、次世代型コンビニの店員、消防士、医師、さらにはハリウッド映画の主役まで、ヒューマノイドロボットは現実世界のありとあらゆる場所に活躍の幅を拡大しています。そして、これに呼応するかのように、自動車メーカー、重工、ICTのスタートアップなど、分野や規模を問わず、さまざまな企業、大学がその研究開発を加速させています。
本書は、これらのさまざまな場所で活躍しているヒューマノイドロボットの研究開発に携わる方々、そしてこれから携わる方々にとっての、まさにバイブルといえる内容です。
https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274226021/
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第1章 ヒューマノイドロボット概論
第2章 運動学
第3章 ZMPと動力学
第4章 2足歩行
第5章 全身運動パターン生成
第6章 動力学シミュレーション
第1章 ヒューマノイドロボット概論
1.1 序 論
1.2 本書の内容
1.3 ヒューマノイドロボットの研究開発動向
1.4 展 望
1.5 補足:関連書籍
第2章 運動学
2.1 座標変換
2.2 回転運動の性質
2.3 3次元空間における速度
2.4 ロボットのデータ構造とプログラミング
2.5 ヒューマノイドロボットの運動学
第3章 ZMPと動力学
3.1 ZMPと床反力
3.2 ZMPの計測
3.3 ヒューマノイドの動力学
3.4 ロボットの運動からZMPを計算する
3.5 ZMPに関する注意事項
3.6 ZMPの6次元への拡張CWS
3.7 付録:凸集合と凸包
第4章 2足歩行
4.1 2足歩行をどう実現するか
4.2 2次元歩行パターン生成
4.3 3次元歩行パターン生成
4.4 ZMPを規範とする歩行パターン生成
4.5 歩行安定化制御系
4.6 歩行安定化制御の理論
4.7 さまざまな2足動歩行実現法
第5章 全身運動パターン生成
5.1 全身運動パターンをどう生成するか
5.2 大まかな全身運動パターンを生成する手法
5.3 安定性の確保された全身運動パターンに変換する方法
5.4 多数の接触を伴うヒューマノイドロボットの全身運動生成
5.5 ヒューマノイドロボットの全身運動の遠隔操作法
5.6 ヒューマノイドロボットの後方転倒時の衝撃低減動作
5.7 ヒューマノイドロボットの転倒回復動作
第6章 動力学シミュレーション
6.1 剛体の回転運動のダイナミクス
6.2 空間速度ベクトル
6.3 剛体の並進・回転運動のダイナミクス
6.4 剛体リンク系のダイナミクス
6.5 統合ロボットシミュレータChoreonoid
6.6 本章の背景と雑談
6.7 付 録