オノマトペ・マーケティング もふもふからはじめる市場調査・商品開発・販促支援

ふわふわな感性データをマーケティングに役立てよう!

このような方におすすめ

◎ 市場調査や販促などを担当するマーケター
◎ 企業(メーカー)の企画・広報・開発の担当者
○ デザイナー、コピーライターなどのクリエイター
  • 著者坂本 真樹
  • 定価2,640 (本体2,400 円+税)
  • A5 200頁 2020/12発行
  • ISBN978-4-274-22646-5
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「もっとさらっとした手触りのものがほしい」

「もふもふでかわいい」

「こってりしたものが食べたい」

「ほわんとした音が心地いい」

日常的な会話のなかで、こういった表現を使用していませんか?

この「もふもふ」や「ほわん」が「オノマトペ」です。擬音語や擬態語とも呼ばれ、音や状態を形容する表現の1つです。

商品を使用するユーザーは、友人との会話はもちろん、店頭での相談やアンケートの自由記述欄などで、直感的にオノマトペを使っています。しかし、オノマトペのような定性的なデータは、統計的な分析によってマーケティングに役立てることが難しいとされてきました。オノマトペは顧客の素直な声そのものですが、なかなか役立てられていないのが現状です。

現在の市場調査では、統計分析を前提として「硬い−柔らかい」「温かい−冷たい」などの形容詞ごとに、5〜10段階程度の選択肢のうち、どの段階が当てはまるかで答えてもらうアンケート(SD法)がよく使われています。

馴染みのある調査形式ですが、私たちは「このタオル、柔らかさは2で温かさは3くらいだね」と判断して生活しているわけではありません。日常的には、「このタオル、ふわふわだね」など、オノマトペで直感的に対象を表現しています。このオノマトペを分析できれば、より深く顧客のニーズを探ることができるはずです。

本書では、オノマトペを定量的に分析し、ビジネスに役立てるしくみを紹介します。

具体的には、オノマトペを数値に変化するしくみの紹介からはじまり、それをもとにした市場調査、ポジショニングマップによる可視化、商品開発、ネーミングやキャッチコピーの生成、パッケージデザインのキーカラー選定などを、実例を交えて紹介していきます。

◎こんな方におすすめ

本書の内容はマーケティングの全工程に関わるので、以下のような方々におすすめです。

・市場調査や販売戦略などに携わる、企業のマーケター

・商品の開発や改良に携わる、企業の製造担当者

・商品の企画、広報、販促などに携わる、企業の担当者

消費者の直感的な評価をそのままマーケティングに活かせれば、より需要の高い商品を生み出すことができます。オノマトペを使った新しいマーケティングの形を、ぜひ覗いてみてください。

https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274226465/
Chapter 1 オノマトペ×マーケティングが秘める可能性
Chapter 2 オノマトペで市場調査してみよう
Chapter 3 オノマトペでニーズを可視化してみよう
Chapter 4 オノマトペで感じかたの個人差を捉えよう
Chapter 5 オノマトペで商品開発してみよう
Chapter 6 オノマトペで販売促進してみよう
扉/はじめに/目次

Chapter 1 オノマトペ×マーケティングが秘める可能性
 1.1 あなたもちょくちょく使っている「オノマトペ」
  1 「オノマトペ」の名はどこからきた?
 1.2 バシッと効く広告表現を追求するために
  1 [実験] おいしさに関連するオノマトペ表現の傾向調査
  2 音韻からみる「おいしい」と「おいしくない」
   (1)炭酸は「しゅわしゅわ」で「じゅわーっ」
   (2)コーヒーは「ふわーっ」とおいしさが広がる
   (3)チョコレートは「さくさく」で「ぱきっ」
  3 数値化から生まれるビジネスの可能性
 1.3 オノマトペでマーケティングをすっぽりカバー
  1 そもそもマーケティングとは?
  2 マーケティングで行われる調査と従来的な収集方法
  3 オノマトペ・マーケティングが秘める可能性
   (1)より生に近い声を収集できる
   (2)ビッグデータの分析に役立つ
   (3)分析したデータを可視化できる
   (4)顧客一人ひとりの「感じかたの違い」に対応できる
   (5)商品開発や広告コミュニケーションにも活用できる

Chapter 2 オノマトペで市場調査してみよう
 2.1 コツコツ地道に? いままでの市場調査
  1 データ収集で行われる3つの調査
   (1)個人調査
   (2)会場調査と観察調査
  2 質問票で用いられるSD法とは?
   【手順1】評価項目の選択
   【手順2】評価項目の提示順序の決定
   【手順3】尺度の段階と度合を表す副詞の決定
   【手順4】線分とメモリに対する工夫
   【手順5】調査対象者の選抜
   【手順6】実験の実施
   【手順7】回答データの分析
  3 SD法による市場調査のデメリット
   (1)回答に必要な時間が長い
   (2)評価項目の選択が難しい
   (3)尺度の段階と度合を表す副詞の決定
   (4)評価項目の提示順序に配慮が必要
   (5)適用できる調査対象者が限られる
   (6)回答がばらつく
   (7)そもそも主観は分析できない
 2.2 すいすいできる! オノマトペで市場調査
  1 マーケティングにおけるオノマトペの需要
  2 オノマトペの印象を数値化するシステム
   【手順1】オノマトペを準備する
   【手順2】オノマトペの印象を評価する
   【手順3】音と印象を定量化し、意味を推定する
  3 オノマトペによる一言アンケート
  4 オノマトペによる市場調査のメリット
   (1)回答に必要な時間が短い
   (2)あらかじめ評価項目を選択しなくていい
   (3)顧客・消費者への評価項目の提示が必要ない
   (4)顧客・消費者に自由に回答してもらえる
   (5)誰でも簡単に調査に参加できる
   (6)専門家並みの評価ができる
   (7)回答する側にも分析する側にも負担が少ない

Chapter 3 オノマトペでニーズを可視化してみよう
 3.1 数値化とマッピングでパッとわかること
 3.2 質感オノマトペマップのつくりかた
  1 素材マップの作成
  2 オノマトペマップの作成
  3 素材マップとオノマトペマップの重ね合わせ
 3.3 「ほっこり」する木ってどんな木ですか?
  1 木とはなんだろう?
  2 住宅建材としての木
  3木の質感とオノマトペ
 3.4 「ぬめぬめ」する紙を想像できますか?
  1 紙というメディアの現在
  2 紙とはなんだろう?
  3 紙の質感とオノマトペ
 3.5 「BORO」は世界に通じるオノマトペ
  1 画像のみで質感を把握することの難しさ
  2 オノマトペによる布製品のセールス
  3 布とはなんだろう?
  4 NUNO NUNO BOOKS
  5 布の質感とオノマトペ
 3.6 「ぴちぴち」ワインや日本酒をテイスティングしたい!
  1 ワインとはなんだろう?
  2 日本酒とはなんだろう?
  3 お酒の味とオノマトペ
 3.7 「つるつる」「さらさら」……なりたい髪になりたい!
  1 ヘアケア商品の広告と口コミの表現
  2 髪の質感とオノマトペ
  コラム:オノマトペにみられる性差?
 3.8 クラリネットはやっぱり「パオパオ」?
  1 音の響きとオノマトペ
  2 楽器の音とオノマトペ
 3.9 「さらしと」漆に和を感じます
  1 漆とはなんだろう?
  2 漆の質感とオノマトペ

Chapter 4 オノマトペで感じかたの個人差を捉えよう
 4.1 みんなバラバラ? マーケティングで理解すべき「個人差」
  1 インターネット調査でモニターから回答を得る
  2 ユーザの行動履歴から好みを推定する
  3 「多から個への推定」と「個から多への推定」
 4.2 しっとり? べたべた? 個人差可視化システム
  【手順1】素材マップの作成
  【手順2】オノマトペマップの作成
  【手順3】少ないデータから個人の知覚空間を推定する方法
 4.3 しっとりした使用感の化粧品は?
  1 個人差可視化システムによる個々に寄り添った接客
  【手順1】お客様の希望を入力する
  【手順2】お客様の感じかたをオノマトペで表現する
  【手順3】お客様の感性に適した商品の提案
 4.4 一人ひとりにぴったり寄り添う、AI時代のマーケティング

Chapter 5 オノマトペで商品開発してみよう
 5.1 オノマトペでさくさく開発指標や改善点を見つけよう!
  1 飲みものの味とテクスチャーをコントロールしたい
   (1) おいしさは音に表れる?
   (2) 味とテクスチャーの指標をつくろう
   (3) 最初の音と味の関係
   (4) オノマトペ印象評価システムによる分析
  2 オノマトペで新しいパンのレシピを作ろう
   (1) パンはテクスチャーによっておいしさが変わる?
   (2) 分量推薦システムを構築しよう
   (3) 具材推薦システムを構築しよう
  3 複雑なデバイスの操作感を把握したい
   (1) ユーザーの快・不快を測定したい
   (2) さまざまなデバイスを用いた実験
   (3) 操作感と音の関係
  4 プラスチックを実金属に近づけたい
   (1) そもそも質感とはなんだろう?
   (2) 実金属と模造金属をオノマトペで評価しよう
 5.2 もっともふもふにしたらどうなる? 質感シミュレーションによる開発支援
 5.3 どんどん蓄積しよう! 質感データベースによる素材選定支援
  1 データ収集の難しさと重要性
  2 モノと感覚と言葉をつなぐ、質感データベース
  3 日本の立ち位置と可能性

Chapter 6 オノマトペで販売促進してみよう
 6.1 新商品にピッタリな名前を付けるには?
  1 音と印象のふしぎな関係
  2 商品カテゴリで変わる音と印象の結びつきかた
  3 商品名の印象を評価するシステム
 6.2 ズバッと刺さるキャッチコピーを自動生成しよう
  1 どんどん普及するAIによるキャッチコピー自動生成
  2 新しいオノマトペを生成するシステム
 6.3 わくわくする色でパッケージデザインを作りたい
  1. パッケージデザインとマーケティング
  2. 色と感情の関係は?
  3. 伝えたい印象に合った色を提案するシステム
  4. 前向きになれるパッケージデザインを作ろう
 6.4 さらふわな商品だけ検索したい!
  1 ECサイトの普及と商品検索における課題
  2 オノマトペでの検索に対する商品推薦システム

おわりに
索引