孔井掘削はボーリングあるいはドリリングといわれ、建設工事調査、建築物の基礎工事、石油・天然ガス・地熱・金属鉱床などの地下資源調査開発、学術調査、土壌・地下水汚染や地すべりの調査など広範囲の分野に欠かせない技術です。その掘削方式は衝撃式、回転式、回転・振動式に分かれ、中でもよく用いられる回転式はスピンドル掘削機またはロータリー掘削機を用いるものが主流です。本書は、特にロータリー掘削機をメインとして、掘削にかかわる計画、準備、装置の原理と使い方、実際の掘削作業、後処理などの実務的な内容を図や写真を多用して詳細に解説するものです。
https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274228070/
正誤表やDLデータ等がある場合はこちらに掲載しています
第1章 ロータリー式掘削技術と地熱井
第2章 地熱井掘削計画と坑井敷地・運搬
第3章 ロータリー式掘削の主要装置と整備
第4章 坑内機器
第5章 掘削作業
第6章 掘削関連作業
第7章 改修作業と廃坑
第8章 物理検層と噴出試験
第9章 安全作業と管理
第1章 ロータリー式掘削技術と地熱井
1.1 概 要
1.1.1 パーカッション式掘削
1.1.2 ダウンザホールハンマ式掘削
1.1.3 ロータリー掘削
1.2 地熱井の掘削
1.2.1 地熱井と石油・天然ガス井の相違
1.2.2 地熱井の分類
1.2.3 地熱井掘削における自主保安指針
1.3 掘削にかかわる単位と換算
1.4 掘削にかかわる水と熱の特性
1.4.1 圧力と温度
1.4.2 蒸発と沸騰
1.4.3 水の温度と圧力
1.4.4 暴噴と温度
1.4.5 熱伝導率
1.4.6 坑井内の熱の移動
第2章 地熱井掘削計画と坑井敷地・運搬
2.1 地熱井掘削計画の概要と地熱貯留構造
2.1.1 地熱井掘削計画の概要
2.1.2 地熱貯留構造
2.2 地下状況設定と計画策定順序
2.2.1 地下状況の設定
2.2.2 計画策定順序
2.3 ケーシングプログラム
2.3.1 ケーシングの機能
2.3.2 ケーシングの設置深度
2.3.3 仕上げ方式
2.3.4 ケーシングのサイズ
2.4 ケーシング性能および選定
2.4.1 熱による強度変化
2.4.2 熱の影響によって生ずる応力
2.4.3 耐腐食材料
2.4.4 ケーシングの接続
2.4.5 ケーシングの規格
2.5 坑口装置
2.5.1 坑口装置の構成
2.5.2 坑口装置の耐圧力
2.5.3 坑口装置の性能
2.5.4 坑口装置の材料
2.5.5 坑口装置の組立て
2.5.6 坑口装置の伸縮と腐食対策
2.6 掘削流体
2.6.1 各種掘削流体の利点と欠点
2.6.2 掘削流体の選定
2.6.3ソリッドコントロール
2.6.4 坑内冷却と蒸発
2.7 ケーシングセメンチング方式
2.7.1 インナーストリング式
2.7.2 二栓式
2.7.3 多段式
2.7.4 ライナー式
2.7.5 タイバック式
2.7.6 リバースサーキュレーション式
2.7.7 トップフィル式とトップスクイーズ式
2.7.8 ケーシングセメンチング方式の選定
2.7.9 ケーシングセメンチングのまとめ
2.8 ビット計画
2.8.1 ビットの切削挙動
2.8.2 ローラーコーンビット
2.8.3 コアビット
2.8.4 PDCビット
2.8.5 特殊なビット
2.8.6 ホールオープナーとアンダーリーマー
2.8.7 スタビライザーとローラーリーマー
2.9 傾斜掘り計画
2.9.1傾斜掘り概要
2.9.2 掘削編成によるコントロール
2.9.3 ダウンホールモータによるコントロール
2.9.4 傾斜掘り計画
2.10 口元掘削
2.10.1 口元掘削の目的
2.10.2 各工法の概要と特徴
2.10.3 口元掘削工法の特徴と適用
2.11 坑井敷地・運搬
2.11.1 坑井敷地・運搬の概要
2.11.2 運搬道路と運搬車両
2.11.3 林 道
2.12 坑井敷地
2.12.1 地形や環境
2.12.2 敷地設計および造成
2.12.3 付帯設備
第3章 ロータリー式掘削の主要装置と整備
3.1 概要
3.1.1 掘削装置の巻上能力
3.1.2 泥水の循環容量および泥水ポンプの容量
3.2 ロータリー式掘削主要装置
3.2.1 マスト
3.2.2 サブストラクチャ
3.2.3 ドローワークス
3.2.4 ドローワークスのブレーキ
3.2.5 ドリリングライン
3.3 ロータリー装置
3.3.1 ロータリーテーブルとマスターブッシング
3.3.2 ケリードライブブッシング
3.3.3 ケリー
3.3.4 ウォータースイベル
3.3.5 フックブロック
3.3.6 ケリースピンナー
3.3.7 ロータリーホース
3.3.8 トップドライブシステム
3.4 ポンプ場設備
3.4.1 掘削泥水循環系統
3.4.2 泥水ポンプ
3.4.3 セントリフューガル型ポンプ
3.4.4 泥水冷却装置
3.4.5 ソリッドコントロール装置
3.4.6 高圧配管部品
3.4.7 低圧配管部品
3.5 その他の設備
3.5.1 エンジンおよび駆動装置
3.5.2 ローラーチェーン
3.5.3 エアクラッチ
3.5.4 コントロールエアバルブ
3.5.5 発電機
3.5.6 照明とキャブタイヤケーブル
3.5.7 サイリスタシステム
3.5.8 インバータシステム
3.5.9 セメンチング装置
3.5.10 ワイヤロープ
3.6 掘削用坑口装置
3.6.1 掘削用坑口装置の構成
3.6.2 ドリリングバルブ
3.6.3 暴噴防止装置
3.6.4 フランジ規格とガスケットリング
3.7 計測機器
3.7.1 ドリラーコンソールと計測器
3.7.2 マッドロギング
3.7.3 傾斜掘用測定器
3.7.4 MWD
3.8 ハンドリングツール
3.8.1 吊上げ用ハンドリングツール
3.8.2 コネクション用ハンドリングツール
3.8.3 ロータリーテーブル上保持用ハンドリングツール
3.8.4 ハイドロリックパワーユニット
3.9 掘削機器の整備
3.9.1 整備基準
3.9.2 検査間隔基準
3.9.3 主要機器の検査内容
3.9.4 判定基準とクラス落ち
3.9.5 エンジン整備
3.9.6 DCモータの保管と整備
第4章 坑内機器
4.1 ドリルストリング
4.1.1 ドリルパイプ
4.1.2 ヘビーウェイトドリルパイプ
4.1.3 ドリルカラー
4.1.4 ネジの管理
4.1.5 ドリリングジャー
4.1.6 ダウンホールモータ
4.1.7 クロスオーバーサブ
4.1.8 コアバレル
4.2 採揚器
4.2.1 オーバーショット
4.2.2 スピア
4.2.3 ジャンクサブとジャンクバスケット
4.2.4 ミーリングツール
4.2.5 その他の採揚機器
4.2.6 コンポジット
4.3 ケーシング関係資機材
4.3.1 ケーシングセメンチング機器
4.3.2 セメントおよびセメント添加剤
4.4 泥水材料と逸泥防止剤
4.4.1 調泥材の基本
4.4.2 地熱井の泥水材料
4.4.3 逸泥防止剤
4.5 特殊な坑内ツール
4.5.1 ケーシング内パッカー
4.5.2 マネージドプレッシャドリリング
4.5.3 連続循環システム
第5章 掘削作業
5.1 概 要
5.2 掘削流体
5.2.1 基本と監視
5.2.2 泥水の性状
5.2.3 泥水試験
5.2.4 泥水の使用
5.2.5 エアレイテッド
5.2.6 清水
5.3 ドリルストリング
5.3.1 ドリルストリングの計画、選択、使用
5.3.2 ネジの接続
5.3.3 掘削編成の基本
5.3.4 ストリングなどのスケッチ
5.3.5 ドローワークスの操作
5.3.6 揚降管・付替え作業
5.3.7 掘削パラメータの変化と坑内状況
5.4 ビット
5.4.1 ビットの選択
5.4.2 岩石の硬度によるビットの選択
5.4.3 その他のビット
5.4.4 ビットの使用
5.4.5 ビット摩耗度評価
5.5 逸 泥
5.5.1 逸泥状況の把握
5.5.2 逸泥対策の選択
5.5.3 逸泥防止剤よる対策
5.5.4 セメントによる対策
5.5.5 特殊な逸泥と対策
5.6 エアレイテッド掘削
5.6.1 使用地上設備
5.6.2 空気量の計算
5.6.3 作業手順
5.6.4 調泥と腐食防止
5.6.5 エアレイテッド掘削の留意点
5.6.6 防腐食対策とコロージョンインヒビタ
5.7 コア掘削
5.7.1 ビットとキャッチャの選択
5.7.2 作業手順
5.7.3 コア掘削の留意点
5.8 口元掘削
5.8.1 ダウンホールモータによる口元掘削の施工方法と実績
5.8.2 アースオーガー工法の施工方法と実績
5.8.3 全旋回オールケーシング工法の施工方法と実績
5.8.4 ダウンザホールハンマ工法の施工方法と実績
5.8.5 SMBダウンザホールハンマ工法の施工方法と実績
第6章 掘削関連作業
6.1 ケーシングの挿入
6.1.1 ケーシングの運搬、取扱いおよび保守
6.1.2 ケーシングの降下準備
6.1.3 ケーシングの降下
6.1.4 ライナーハンガー設置手順
6.1.5 タイバックケーシング設置手順例
6.2 ケーシングセメンチング
6.2.1 セメントスラリーの設計
6.2.2 セメンチング作業
6.2.3 インナーストリング式の留意点と手順
6.2.4 二栓式セメンチングの留意点と手順
6.2.6 ライナー式セメンチングの留意点と手順
6.2.7 タイバック式セメンチングの留意点と手順
6.2.8 トップジョブセメンチングの留意点と手順
6.2.9 プラグバックセメンチングの留意点
6.3 傾斜掘り
6.3.1 傾斜掘りにおける掘削機器の選択
6.3.2 キックオフポイントおよび増角率
6.3.3 掘削編成および坑跡の制御
6.3.4 坑跡測定と計算
6.3.5 他坑井との関係
6.3.6 サイドトラック
6.3.7 傾斜掘りの留意点
6.3.8 高傾斜掘削の留意点
6.4 高温度対策と噴出制御
6.4.1 掘削用坑口装置による制御
6.5 特殊機器と特殊作業
6.5.1 RTTSパッカーの機構と作業手順
6.5.2 ウェルクリーナスポット
6.6 坑内トラブル
6.6.1 ストリングの切断・落下
6.6.2 ストリングの抑留
6.6.3 坑内ツールトラブル
6.6.4 ケーシングのトラブルおよび損傷
6.6.5 検層トラブル
6.6.6 暴 噴
6.6.7 坑井試験によるトラブル
6.6.8 採揚作業と機器
6.6.9 抑留離脱流体
6.6.10 抑留ストリングの離脱作業
6.7 坑井仕上げ
6.7.1 スロッテッドライナーの設置
6.7.2 仕上げ用坑口装置の取付け
6.8 掘削記録の収集と保存
第7章 改修作業と廃坑
7.1 改修作業の概要
7.1.1 改修作業の基本
7.1.2 改修作業の計画
7.1.3 改修の記録の収集と保存
7.2 改修作業の留意点
7.2.1 噴出流体の抑制
7.2.2 坑口の改修
7.2.3 ケーシング内の浚渫
7.2.4 低温ゾーンの隔離または閉塞
7.2.5 坑井のスケール除去
7.2.6 コイルドチュービングユニットによる改修
7.3 改修作業の事例
7.3.1 スケール浚渫作業(例1)
7.3.2 サイドトラック(例2)
7.3.3 上部の逸水個所のみの埋立て(例3)
7.3.4 スケール浚渫(例4)
7.3.5 埋没浚渫と加圧注水(例5)
7.3.6 スケールの除去(例6)
7.3.7 ライナーハンガー部のリーク補修(例7)
7.4 廃坑作業
7.4.1 廃坑作業の概要
7.4.2 廃坑作業手順
7.4.3 休坑井の保守
第8章 物理検層と噴出試験
8.1 物理検層の概要
8.1.1 物理検層の役割
8.1.2 地熱井における物理検層
8.2 物理検層の基礎
8.2.1 検層深度とケーブル荷重
8.2.2 アーマードケーブルとケーブルヘッド
8.2.3 ワイヤライン坑口装置
8.2.4 測定結果
8.3 各種物理検層
8.3.1 電気検層
8.3.2 温度検層
8.3.3 光ファイバー温度計測システム
8.3.4 PTS検層
8.3.5 音波検層とセメントボンド検層
8.3.6 坑壁画像検層
8.3.7 坑径検層
8.3.8 ボアホールカメラ検層
8.3.9 ガンマ線検層
8.3.10 ケーシングカラーロケーター
8.4 火薬作業
8.4.1 火薬類
8.4.2 パーフォレーター
8.4.3 ジェットカッター
8.4.4 セッティングツール
8.4.5 バックオフによる掘削パイプ回収
8.4.6 火薬類の取扱い
8.5 噴出試験
8.5.1 噴出試験の概要
8.5.2 噴出試験設備
8.5.3 噴出誘導
8.5.4 噴出試験中の測定
8.5.5 流体モニタリングおよび流体性状調査
8.5.6 トレーサー試験
8.5.7 坑井試験
8.5.8 坑井内試験
第9章 安全作業と管理
9.1 安全作業の概要
9.1.1 作業形態と技術者
9.1.2 掘削クルーの作業
9.2 掘削作業に必要な有資格
9.3 HSEマネジメントシステム
9.3.1 HSEの一般事項
9.3.2 HSEMSと日本の安全衛生管理システム
9.3.3 HSEマネジメントシステム例
9.3.4 作業手順書
9.3.5 保護具
9.3.6 HSE記録
9.4 有害ガス対策
9.4.1 火山性ガス対策
9.4.2 安全教育と作業時における注意点
9.5 ライフセービング
9.5.1 ライフセービングとは
9.5.2 九つのルール
9.5.3 その他のルール
9.6 掘削作業の安全ポイント
9.6.1 ミーティング
9.6.2 リグアップ・リグダウン作業
9.6.3 坑内作業
9.7 危険体感教育
9.7.1 危険体感教育の基本事項
9.7.2 危険体感教育例
9.8 現場管理
9.8.1 現場管理の概要
9.8.2 現場管理と契約
9.8.3 現場管理の形態例
9.8.4 発注者ならびに現場管理者の現場管理
9.8.5 掘削会社の現場管理
参考資料
参考文献
索 引