クラウドシステム移行・導入 アーキテクチャからハイブリッドクラウドまで

従来のシステムをクラウドシステムに移行させるうえでの標準的なプロセスや必須知識を網羅

このような方におすすめ

各企業・各機関においてシステムのクラウドシステム移行・導入を担うシステム担当者
システム移行・メンテナンスを担うIT技術者
  • 著者金子 格 編著/石黒 正揮 ・ 小川 宏高 ・ 小向 太郎 ・ 櫻田 武嗣 ・ 千葉 立寛 ・ 林 良一 共著
  • 定価3,300 (本体3,000 円+税)
  • A5 248頁 2022/03発行
  • ISBN978-4-274-22836-0
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 自社システムをクラウドに移行する,あるいは自社システムにクラウドを導入するうえでの標準的なプロセスや必須知識を網羅した書籍です.AIOps,CI/CD,DevOps,IaaS/PaaS/SaaS/IDaaS/MaaS,Kubernetes,VPCなどのいま1つよくわからない専門用語の1つひとつを,IT技術者向けにていねいに解説しています.

 まずクラウドシステムを使ううえでの考え方からスタートして,クラウドシステムに関連した主な技術,考えるべき指針についてわかりやすく解説しています.さらに,各種規制への対応についても述べています.現在のクラウドシステムを支えている技術は高度かつ複雑であり,しかも日進月歩で進化しています.したがって,各社のインフラストラクチャの担当者,アプリケーション開発の担当者,およびシステム運用の担当者として,常にクラウドの個々の技術の詳細を理解しておくのは少し難しいかもしれませんが,クラウドを使用するユーザの立場から最低限の知識とポイントを押さえておく責任があります.

 本書を読むことで,クラウドの移行・導入の全体的なイメージをつかむことができ,取り組むべき課題がみえてきます.

https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274228360/
第1章 システムのクラウド移行・導入をデザインする
第2章 クラウドのアーキテクチャを正しく理解する
第3章 クラウドにおけるアプリケーションの開発と運用
第4章 クラウドセキュリティの考え方と実践
第5章 ハイパフォーマンスマシン,モビリティのクラウドアーキテクチャ
第6章 情報管理と法制度
第1章 システムのクラウド移行・導入をデザインする
1.1 本書を読み始めるにあたって
1.2 クラウドを活用するメリット
1.3 クラウドコンピューティングの用語
1.3.1 AZ
1.3.2 リージョン
1.3.3 VPN
1.3.4 マネージドサービス
1.3.5 エッジロケーション・PoP
1.4 クラウド移行・導入によってシステムはどう変わるのか
1.4.1 コスト
1.4.2 リソースサイジングと災害対策
1.4.3 冗長化とバックアップ
1.4.4 責任共有に対する考え方
1.4.5 プライバシーと国の捜査機関等の要求への対応
1.4.6 ハードウェアの管理
1.4.7 カーボンニュートラル
1.5 活用するクラウド環境の選び方
1.5.1 リソースの大きさ
1.5.2 ロックインの影響
1.6 システムインテグレータとしてのメリット
1.7 クラウドシステムの活用のポイント
1.7.1 クラウド利用者(ユーザ)としてみた場合
1.7.2 SIerとしてみた場合
1.7.3 クラウド提供側からみた場合
1.8 クラウドへの移行・活用戦略
1.8.1 サービス指向アーキテクチャによるシステムの設計
1.8.2 マイクロサービス化を実現する環境
1.9 クラウドのマネージドサービスで合理的なシステムを構築
1.9.1 オブジェクトストレージ
1.9.2 データレイク
1.9.3 クラウドにおけるデータベース
1.9.4 ロードバランサの活用
1.9.5 CDN等の活用
1.9.6 インフラストラクチャをコード管理
1.10 Well-Architectedフレームワークの活用

第2章 クラウドのアーキテクチャを正しく理解する
2.1 クラウドを理解する
2.1.1 クラウドとは何か
2.1.2 クラウドの特長
2.1.3 クラウドはどこにある
2.2 クラウドの利用形態を知ろう
2.2.1 パブリッククラウド
2.2.2 プライベートクラウド
2.2.3 プライベートクラウドとパブリッククラウドの違い
2.2.4 ハイブリッドクラウド
2.2.5 マルチクラウド
2.2.6 クラウドを使いわけるために
2.3 クラウドのサービスモデルを知ろう
2.3.1 IaaS
2.3.2 PaaS
2.3.3 SaaS
2.3.4 クラウドのサービスモデルを使い分けるために
2.4 クラウドにおけるコンピューティングの仮想化
2.4.1 ハイパーバイザ
2.4.2 コンテナ
2.4.3 サーバレス
2.5 Kubernetes でコンテナを管理する
2.5.1 クラウドのプラットフォーム
2.5.2 Kubernetesとは
2.5.3 Kubernetesアーキテクチャの大きな特徴
2.5.4 Kubernetesを理解する必要性
2.6 クラウドネットワーク
2.6.1 クラウドにおけるネットワークの重要性
2.6.2 VPC
2.6.3 VPCと既存のネットワーク環境をつなぐ
2.6.4 ロードバランサとCDN
2.6.5 データセンタネットワーク
2.7 クラウドストレージ
2.7.1 オブジェクトストレージ
2.7.2 ブロックストレージ
2.7.3 ファイルストレージ
2.7.4 オンプレミスからのデータ移行

第3章 クラウドにおけるアプリケーションの開発と運用
3.1 クラウドにおけるアプリケーション開発
3.2 クラウドアーキテクチャの選択
3.2.1 クラウドシステムの選択にあたって
3.2.2 新たに開発する
3.2.3 既存のアプリケーションをオンプレミスからクラウドに移行する
3.3 アプリケーションの移行方法
3.3.1 リフトアンドシフトとモダナイゼーション
3.3.2 アプリケーション移行の要否を判断する
3.3.3 移行のステップ
3.4 クラウドネイティブ
3.4.1 クラウドネイティブとは
3.4.2 クラウドネイティブトレイルマップ
3.4.3 クラウドネイティブを目指す対象や範囲の明確化
3.5 クラウドに合わせてアプリケーションをデザインする
3.5.1 ストラングラーパターン
3.5.2 クラウドネイティブに向けたリファクタリングデザイン
3.6 マイクロサービスアーキテクチャ
3.6.1 マイクロサービスとは
3.6.2 マイクロサービス以外を考慮するケース
3.6.3 マイクロサービスの実装
3.7 DevOpsとCI/CD
3.7.1 DevOpsとは
3.7.2 CI/CD
3.7.3 インフラストラクチャの開発・管理の自動化
3.7.4 オペレータパターン
3.7.5 管理と運用の自動化に向けて
3.8 クラウドにおける監視
3.8.1 可観測性
3.8.2 可観測であるべきデータ
3.8.3 サービスメッシュ
3.9 SRE
3.9.1 SREとは
3.9.2 SREの実践のポイント
3.9.3 SLIとSLO

第4章 クラウドセキュリティの考え方と実践
4.1 クラウド利用システムのセキュリティとは
4.2 クラウド利用システムの具体的なリスクと全体像
4.2.1 クラウドにかかわるリスクの分類
4.2.2 クラウド利用におけるリスクの全体像
4.2.3 リスクと対策の関係
4.2.4 クラウドシステムの責任分界
4.3 セキュリティ技術対策
4.3.1 セキュリティ技術の全体像と特徴
4.3.2 監視と脅威の分析
4.3.3 脆弱性管理
4.3.4 認証・アクセス制御
4.3.5 ネットワーク防御
4.3.6 ストレージ防御
4.3.7 構成管理・セキュア開発
4.4 安定性の確保
4.4.1 単一障害点の削除
4.4.2 セキュリティリスク対応
4.4.3 一時的なアクセス急増への対応
4.4.4 安定的なリソースの確保
4.4.5 開発,更新の遅れへの対応
4.5 セキュリティ組織対策
4.5.1 リスクアセスメント
4.5.2 セキュリティポリシーの策定
4.5.3 セキュリティにかかる組織体制の構築と外部ステークホルダとの関係
4.6 クラウド関連事業者に対する要求事項
4.6.1 クラウド関連事業者との関係と責任範囲
4.6.2 主な要求事項
4.6.3 監査制度,認証制度の活用
4.7 クラウドセキュリティ対策にかかわる参考情報

第5章 ハイパフォーマンスマシン,モビリティのクラウドアーキテクチャ
5.1 人工知能クラウド基盤を提供するABCI
5.1.1 人工知能とハイパフォーマンスコンピューティング
5.1.2 クラウドにおけるハイパフォーマンスコンピューティングの活用
5.1.3 人工知能クラウド基盤は何が必要か
5.1.4 ABCIの概要
5.1.5 ABCIと一般的なクラウドの比較
5.1.6 さらに進化する人工知能クラウドの未来
5.2 交通を変えるモビリティクラウドサービス
5.2.1 モビリティとクラウドの融合
5.2.2 MaaS,コネクテッドサービスの一例
5.2.3 モビリティクラウドサービスで変わる交通システムの未来

第6章 情報管理と法制度
6.1 知らないでは済まされないクラウドの情報管理と法制度
6.1.1 情報システムの利用に関連してどのような法的責任が課せられるのか
6.1.2 企業の情報システムにトラブルが発生した場合には誰がどのような責任を負うのか
6.1.3 情報システムの開発や運用にトラブルが生じた場合にシステムベンダやクラウド事業者の責任を追求することはできるのか
6.2 クラウド上で処理される情報に関する法的責任
6.2.1 どのような情報セキュリティ対策をしないと法律違反になるのか
6.2.2 クラウドサービスから情報が漏えいした場合にはどのような法的責任が問題になるのか
6.2.3 クラウドに蓄積してはいけない情報はあるのか
6.3 国境を越えるクラウドと外国法の適用
6.3.1 日本国内のデータを,外国のクラウドに保存することに法的な制限はあるのか
6.3.2 外国の顧客に関する情報を取り扱う場合には顧客のいる国の法律が適用されるのか
6.3.3 外国政府への情報提供や捜査機関への協力を求められたら協力しなくてはならないのか