永久磁石同期モータのセンサレスベクトル制御

モータドライブ工学のバイブル、待望の改訂!

このような方におすすめ

◎自動車・電気機器メーカのエンジニア
〇電気系の大学院生・若手研究者
  • 著者新中 新二 著
  • 定価11,000 (本体10,000 円+税)
  • A5 672頁 2024/10発行
  • ISBN978-4-274-23255-8
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本書はモータドライブについての技術専門書です。電機、自動車メーカなどのエンジニア、電気系の大学院生・若手研究者を主な対象として、永久磁石同期モータ(PMSM)のセンサレスベクトル制御技術を解説します。

初版を発行した2008年当時に比べ、COP25やSDGsなど環境への意識が高まっており、とくに自動車で電動化の需要が増しています。このことから自動車業界を中心に、モータについて、より詳しい理解が求められるようになっています。

本書は、回転子位相推定について詳細に記述しつつ、また本改訂において第I部「共通技術」に最新技術を取り込み、内容の大幅充実を図っています。

※本書は電波新聞社刊『永久磁石同期モータのベクトル制御技術 下巻―センサレス駆動技術の神髄―』の増補改訂版です。

https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274232558/
第1部 共通技術

第1章 センサレス駆動制御のための共通技術
 
第2部 駆動用電圧電流利用法による回転子位相推定

第2章 最小次元D因子磁束状態オブザーバによる回転子磁束推定
第3章 同一次元D因子磁束状態オブザーバによる回転子磁束推定
第4章 一般化D因子磁束推定法による回転子磁束推定
第5章 一般化D因子逆起電力推定法による速度起電力推定
第6章 一般化D因子逆起電力推定法による拡張速度起電力推定
第7章 効率駆動のための軌跡指向形ベクトル制御法
第8章 効率駆動のための力率位相形ベクトル制御法
第9章 簡易起動のための電流比形ベクトル制御法
 
第3部 高周波電圧印加法による回転子位相推定

第10章 真円形高周波電圧印加法
第11章 楕円形高周波電圧印加法
第12章 一般化楕円形高周波電圧印加法
第13章 直線形高周波電圧印加法
第14章 高周波積分形PLL法を随伴した汎用化高周波電流要素乗法
第15章 静止位相推定法
 
第4部 センサレス駆動制御の応用

第16章 センサレス・トランミッションレス電気自動車
第17章 電動車両に搭載可能な二酸化炭素冷媒圧縮機
第18章 位置決め機能を有するセンサレススピンドル
第1部 共通技術

第1章 センサレス駆動制御のための共通技術
 1.1 目的
 1.2 積分フィードバック形速度推定法
  1.2.1 位相速度推定器の基本構造
  1.2.2 積分フィードバック形速度推定法
  1.2.3 応答の1例
 1.3 一般化積分形PLL法
  1.3.1 位相速度推定器の基本構造
  1.3.2 一般化積分形PLL法
 1.4 位相制御器の設計
 1.5 位相推定値の補正法
  1.5.1 積分フィードバック形速度推定法
  1.5.2 一般化積分形PLL法
 1.6 周波数ハイブリッド法
  1.6.1 静的な周波数重みによる実現
  1.6.2 動的な周波数重みによる実現
 1.7 逆D因子の離散時間実現
  1.7.1 D因子と逆D因子
  1.7.2 直接的な離散時間化
  1.7.3 ベクトル回転器を用いた離散時間化
 1.8 ディジタルフィルタの設計
  1.8.1 バンドストップフィルタ
  1.8.2 バンドパスフィルタ
  1.8.3 直流成分除去フィルタ
 1.9 写像法による単相信号の瞬時位相推定
  1.9.1 写像法による瞬時位相の推定
  1.9.2 写像法IIの遂行と写像フィルタ
  1.9.3 瞬時位相推定の数値実験


第2部 駆動用電圧電流利用法による回転子位相推定

第2章 最小次元D因子磁束態オブザーバによる回転子磁束推定
 2.1 目的
 2.2 状態オブザーバの基礎
  2.2.1 可観測性
  2.2.2 状態オブザーバ
 2.3 最小次元D因子磁束状態オブザーバの構築と基本性能
  2.3.1 目的
  2.3.2 一般座標系上の数学モデル
  2.3.3 一般座標系上の最小次元D因子磁束状態オブザーバ
  2.3.4 固定座標系上の位相推定に基づくベクトル制御系
  2.3.5 実験結果
  2.3.6 準同期座標系上の位相推定に基づくベクトル制御系
  2.3.7 実験結果
 2.4 速度誤差に対する位相推定特性
  2.4.1 目的
  2.4.2 開ループ推定における定常推定特性の解析
  2.4.3 開ループ推定における定常推定特性の定量的検証
  2.4.4 閉ループ推定における過渡推定特性と実験
 2.5 パラメータ誤差に対する位相推定特性
  2.5.1 目的
  2.5.2 パラメータ誤差を考慮した統一回転子磁束推定モデル
  2.5.3 開ループ推定における定常推定特性の解析
  2.5.4 閉ループ推定における定常推定特性の解析
  2.5.5 推定特性の定量的検証
 2.6 回転子磁束高調波成分に対する位相推定特性
  2.6.1 目的
  2.6.2 振幅位相補償器付きD因子フィルタ
  2.6.3 回転子磁束高調波成分による推定値への影響
  2.6.4 推定特性の定量的検証
  2.6.5 推定特性の実例

第3章 同一次元D因子磁束状態オブザーバによる回転子磁束推定
 3.1 目的
 3.2 一般座標系上の同一次元D因子磁束状態オブザーバ(B形)
  3.2.1 オブザーバの構築
  3.2.2 オブザーバゲインの設計
 3.3 固定座標系上の同一次元D因子磁束状態オブザーバ(B形)に基づくベクトル制御系
  3.3.1 制御系の構成
  3.3.2 数値実験
 3.4 準同期座標系上の同一次元D因子磁束状態オブザーバ(B形)に基づくベクトル制御系
  3.4.1 制御系の構成
  3.4.2 制御系の設計
 3.5 同一次元D因子磁束状態オブザーバ(A形)
  3.5.1 一般座標系上の同一次元D因子磁束状態オブザーバ(A形)
  3.5.2 固定座標系上の同一次元D因子磁束状態オブザーバ(A形)
  3.5.3 準同期座標系上の同一次元D因子磁束状態オブザーバ(A形)
  3.5.4 オブザーバゲインの設計と形式による性能同異
 3.6 同一次元D因子磁束状態オブザーバの特性解析に関する補足

第4章 一般化D因子磁束推定法による回転子磁束推定
 4.1 目的
 4.2 磁束推定のための全極形D因子フィルタ
  4.2.1 磁束推定のための全極形D因子フィルタの定義
  4.2.2 全極形D因子フィルタの基本実現
  4.2.3 全極形D因子フィルタの安定特性と周波数特性
 4.3 一般化D因子磁束推定法と一般化D因子回転子磁束推定法
  4.3.1 一般化D因子磁束推定法の原理
  4.3.2 一般化D因子回転子磁束推定法の原理
  4.3.3 一般化D因子回転子磁束推定法の実際
  4.3.4 簡略化のための周波数シフト係数の設定
 4.4 D因子磁束状態オブザーバに対する包含性
  4.4.1 最小次元D因子磁束状態オブザーバに対する包含性
  4.4.2 同一次元D因子磁束状態オブザーバに対する包含性
 4.5 外装形実現の2次D因子回転子磁束推定法を用いた位相速度推定器
  4.5.1 外装形実現
  4.5.2 固定座標系上での位相速度推定器の構成
  4.5.3 準同期座標系上での位相速度推定器の構成
 4.6 外装形実現の2次D因子回転子磁束推定法に基づくベクトル制御系と同応答
  4.6.1 実験システムと設計パラメータの概要
  4.6.2 定常特性
  4.6.3 起動過渡特性
  4.6.4 能動負荷の瞬時印加・除去特性
  4.6.5 低速域での直流成分の影響
 4.7 2次D因子回転子磁束推定法の推定特性
  4.7.1 推定値の収束レイト
  4.7.2 速度誤差に対する位相推定特性
  4.7.3 高調波・高周波信号に対する抑制特性

第5章 一般化D因子逆起電力推定法による速度起電力推定
 5.1 目的
 5.2 逆起電力推定のための全極形D因子フィルタ
  5.2.1 逆起電力推定のための全極形D因子フィルタの定義
  5.2.2 全極形D因子フィルタの基本実現
  5.2.3 全極形D因子フィルタの安定特性と周波数特性
 5.3 一般化D因子逆起電力推定法と一般化D因子速度起電力推定法
  5.3.1 一般化D因子逆起電力推定法の原理
  5.3.2 一般化D因子速度起電力推定法の原理
  5.3.3 一般化D因子速度起電力推定法の実際
  5.3.4 簡略化のための周波数シフト係数の設定
  5.3.5 回転子位相算定を考慮した行列ゲインの改良
 5.4 1次D因子速度起電力推定法の実現とこれに基づくベクトル制御系
  5.4.1 一般座標系上での実現
  5.4.2 固定座標系上での実現とベクトル制御系
  5.4.3 準同期座標系上での実現とベクトル制御系
 5.5 一般化D因子速度起電力推定法の推定特性
  5.5.1 推定値の収束レイト
  5.5.2 パラメータ誤差に対する位相推定特性
  5.5.3 速度誤差に対する位相推定特性
  5.5.4 高調波・高周波信号に対する抑制特性

第6章 一般化D因子逆起電力推定法による拡張速度起電力推定
 6.1 目的
 6.2 WCSモデルと拡張速度起電力
 6.3 一般化D因子拡張速度起電力推定法
  6.3.1 一般化D因子逆起電力推定法の拡張速度起電力推定への利用
  6.3.2 一般化D因子拡張速度起電力推定法の実際
 6.4 1次D因子拡張速度起電力推定法の実現とこれに基づくベクトル制御系
  6.4.1 一般座標系上での実現
  6.4.2 固定座標系上での実現とベクトル制御系
  6.4.3 準同期座標系上での実現とベクトル制御系
 6.5 一般化D因子拡張速度起電力推定法の推定特性
  6.5.1 総合的推定特性の要点とパラメータ誤差に対する位相推定特性解析の必要性
  6.5.2 パラメータ誤差を考慮した統一拡張速度起電力推定モデル
  6.5.3 パラメータ誤差存在下の開ループ推定における定常推定特性の解析
  6.5.4 パラメータ誤差存在下の閉ループ推定における定常推定特性の解析

第7章 効率駆動のための軌跡指向形ベクトル制御法
 7.1 目的
 7.2 軌跡定理と軌跡指向形ベクトル制御法
  7.2.1 軌跡定理
  7.2.2 軌跡指向形ベクトル制御法
 7.3 軌跡指向形ベクトル制御系の構成

第8章 効率駆動のための力率位相形ベクトル制御法
 8.1 目的
 8.2 座標系とモータ基本特性
  8.2.1 電流座標系と電圧座標系
  8.2.2 電流座標系上でのモータ基本特性
 8.3 電流座標系上の力率位相形ベクトル制御法
  8.3.1 電流座標系の位相決定
  8.3.2 回転子速度の推定
  8.3.3 力率位相指令値の生成
  8.3.4 力率位相形ベクトル制御系の構成
 8.4 電流座標系上の力率位相制御による実験結果
  8.4.1 実験システムの構成と設計パラメータの概要
  8.4.2 定常応答の実験結果
  8.4.3 過渡応答の実験結果
 8.5 電流座標系の位相決定法の簡略化と実験結果
  8.5.1 電流座標系の位相決定法の簡略化
  8.5.2 設計パラメータの設定
  8.5.3 定常応答の実験結果
  8.5.4 過渡応答の実験結果
 8.6 電圧座標系上の力率位相形ベクトル制御法
  8.6.1 電圧座標系の位相決定法
  8.6.2 γ軸電流指令値の生成法
  8.6.3 力率位相形ベクトル制御系の構成
  8.6.4 電圧座標系の位相決定法の簡略化
 8.7 電圧座標系上の力率位相制御による実験結果
  8.7.1 実験の概要
  8.7.2 定常応答の実験結果
  8.7.3 過渡応答の実験結果

第9章 簡易起動のための電流比形ベクトル制御法
 9.1 目的
 9.2 数学モデル
 9.3 ミール方策
 9.4 スタータ
  9.4.1 スタータの構成とミール特性
  9.4.2 電流比制御器の構成
  9.4.3 位相速度決定器の構成 
  9.4.4 回転子の位相と速度の推定
  9.4.5 制御法の特徴
 9.5 実験結果
  9.5.1 実験システムの構成と設計パラメータの設定
  9.5.2 中摩擦・大慣性負荷での応答
  9.5.3 小摩擦・小慣性負荷での応答


第3部 高周波電圧印加法による回転子位相推定

第10章 真円形高周波電圧印加法
 10.1 目的
 10.2 鏡相推定法
  10.2.1 鏡相特性
  10.2.2 楕円長軸位相の推定
 10.3 真円形高周波電圧に対する高周波電流の挙動解析
  10.3.1 高周波電流の一般解
  10.3.2 応速真円形高周波電圧と高周波電流
  10.3.3 一定真円形高周波電圧と高周波電流
 10.4 センサレスベクトル制御系の構成
 10.5 実験結果
  10.5.1 実験システムの構成と設計パラメータの概要
  10.5.2 速度制御
  10.5.3 トルク制御

第11章 楕円形高周波電圧印加法
 11.1 目的
 11.2 変調のための楕円形高周波電圧印加法
  11.2.1 楕円形高周波電圧印加法の構築
  11.2.2 高周波電流の挙動解析
 11.3 復調のための正相関信号生成法
  11.3.1 鏡相推定法による復調
  11.3.2 高周波電流要素除法による復調
  11.3.3 高周波電流要素乗法による復調
 11.4 高周波電流要素乗法のための高周波積分形PLL法
  11.4.1 高周波積分形PLL法
  11.4.2 高周波位相制御器の設計法
  11.4.3 設計と応答の例
 11.5 センサレスベクトル制御系の構成
 11.6 実験結果
  11.6.1 実験システムの構成と設計パラメータの概要
  11.6.2 速度制御
  11.6.3 トルク制御

第12章 一般化楕円形高周波電圧印加法
 12.1 目的
 12.2 変調のための一般化楕円形高周波電圧印加法
  12.2.1 高周波電圧印加法の構築
  12.2.2 高周波電流の挙動解析
  12.2.3 高周波電流の挙動検証
 12.3 鏡相推定法による復調とセンサレスベクトル制御系の構成
  12.3.1 鏡相推定法による復調
  12.3.2 センサレスベクトル制御系の構成

第13章 直線形高周波電圧印加法
 13.1 目的
 13.2 変調のための直線形高周波電圧印加法
  13.2.1 直線形高周波電圧印加法の定義
  13.2.2 高周波電流の挙動解析
  13.2.3 高周波電流の挙動検証
 13.3 鏡相推定法による復調とセンサレスベクトル制御系の構成
  13.3.1 鏡相推定法による復調
  13.3.2 センサレスベクトル制御系の構成

第14章 高周波積分形PLL法を随伴した汎用化高周波電流要素乗法
 14.1 目的
 14.2 高周波積分形PLL法
  14.2.1 PLLの基本構成
  14.2.2 高周波位相制御器の設計原理
  14.2.3 高周波位相制御器の設計例
 14.3 変調のための一定楕円形高周波電圧印加法
  14.3.1 一定楕円形高周波電圧と応答高周波電流
  14.3.2 高周波電流の特徴
 14.4 復調のための汎用化高周波電流要素乗法
 14.5 高周波電流要素積信号の評価
 14.6 高周波電流要素積信号の正相関特性
 14.7 位相推定特性の数値検証
  14.7.1 数値検証システム
  14.7.2 2次制御器
  14.7.3 1/3形3次制御器
  14.7.4 3/3形3次制御器
 14.8 位相推定特性の実機検証
  14.8.1 実機検証システム
  14.8.2 1次制御器
  14.8.3 2次制御器
  14.8.4 1/3形3次制御器
  14.8.5 3/3形3次制御器
 14.9 実験結果
  14.9.1 実験システムの構成と設計パラメータの概要
  14.9.2 楕円係数が0の場合
  14.9.3 楕円係数が1の場合

第15章 静止位相推定法
 15.1 目的
 15.2 磁気飽和を考慮した動的数学モデル
  15.2.1 インダクタンスの飽和特性
  15.2.2 数学モデルの構築
 15.3 磁気飽和を考慮したモータシミュレータ
  15.3.1 ベクトルブロック線図とモータシミュレータ
  15.3.2 飽和係数の決定
 15.4 静止位相推定法
  15.4.1 磁気飽和考慮シミュレータによる検討
  15.4.2 実験結果
 15.5 静止位相推定値の自動検出
  15.5.1 自動検出の原理とシステム
  15.5.2 検出例
 15.6 高周波電圧印加法のための簡易初期位相推定法


第4部 センサレス駆動制御の応用

第16章 センサレス・トランミッションレス電気自動車
 16.1 目的
 16.2 駆動制御系の構成
  16.2.1 全系の構成
  16.2.2 位相速度推定器
  16.2.3 指令生成器と指令変換器
  16.2.4 電力変換器
 16.3 テストベッド上での試験
  16.3.1 試験システムの構築
  16.3.2 試験結果
 16.4 実車走行試験

第17章 電動車両に搭載可能な二酸化炭素冷媒圧縮機
 17.1 目的
 17.2 テストベンチシステムを用いた基本技術の開発
  17.2.1 実験システムの構成と供試PMSMの特性
  17.2.2 駆動制御系の構成
  17.2.3 周波数ハイブリッド法に立脚した位相推定系
  17.2.4 基本技術の開発
 17.3 空調システムを用いた実用技術の開発
  17.3.1 実験システムの概要
  17.3.2 定常応答と急変母線電圧に対する過渡応答

第18章 位置決め機能を有するセンサレススピンドル
 18.1 目的
 18.2 位置・速度センサを用いた従前の駆動制御法
 18.3 センサレス位置決め法の原理
 18.4 センサレス位置決め系の構成とモード切換え
  18.4.1 基本構成
  18.4.2 ミール方策利用のSモードを想定した構成
  18.4.3 モード切換え法
 18.5 実験結果
  18.5.1 定常特性
  18.5.2 過渡特性


参考文献
索引