結び目理論は「(端をくっつけて輪状にした)紐の結ばり方」を調べる数学の一分野で、多くの人は「数学」に対して「計算」というイメージを持つかもしれません。結び目理論はそれらのイメージとは異なる側面があります。例えば実際の研究現場でも、研究対象を視覚的に捉え、絵を描いて考える場面が多いのです。そこで本書は結び目理論を、高校までの「計算する数学」とは異なる「絵を描く数学」として、楽しみながら理解してもらうことを目指します。
https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274232473/
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まえがき
第1章 はじめに
第2章 結び目理論って何?
第3章 絡み目を調べるには
第4章 さまざまな結び目と絡み目
第5章 グラフと結び目
第6章 描いた絡み目を「変形」しよう1
第7章 絡み目の表を作ろう
第8章 描いた絡み目を「変形」しよう 2
第9章 絡み目の指紋 !?
第10章 その絡み目、ホントに絡まってる?
第11章 その結び目、ホントに結ばれている?
第12章 不変性の証明
第13章 絡み目を解こう
付録 結び目と絡み目の表
索引
まえがき
第1章 はじめに
1.1 日常の結び目
1.2 結ばれているってどんな状態?
1.3 結び方を説明する
第2章 結び目理論って何?
2.1 結び目と絡み目
2.2 同じ結び目・異なる結び目
第3章 絡み目を調べるには
3.1 絡み目を紙に描いてみよう
3.2 絡み目の図式
(1) 既約な図式
3.3 結び目理論における目標
第4章 さまざまな結び目と絡み目
4.1 日常における結び目から得られる結び目
(1) 止め結び
(2) 節結び
(3) 八の字結び
(4) 仲仕(なかし)結び
(5) あわじ結び
(6) 本結び(スクエアノット)
(7) 外科結び
(8) 縦結び(グラニーノット)
(9) ソロモンの結び目
(10) ボロミアン環
4.2 数学的な意味を持つ絡み目
(1) 絡み目の系列
(2) 分離可能絡み目
(3) 鏡に映した絡み目
(4) 合成結び目
(5) 素な結び目
第5章 グラフと結び目
5.1 平面グラフ
5.2 オイラーの公式
(1) オイラーの公式の拡張の証明
5.3 結び目の図式と平面グラフ
第6章 描いた絡み目を「変形」しよう1
6.1 同じ図式・異なる図式
(1)「 同じ」ってどういうこと?
(2)「 同じ」平面図形
6.2 平面の同位変形
(1) 同じ図式とは
6.3 絡み目の図式の同位変形
6.4 同じ絡み目を表す異なる図式
(1) 自明な図式
(2) 交代結び目
第7章 絡み目の表を作ろう
7.1 絡み目の複雑さの基準
7.2 絡み目を並べるには
(1) 絡み目の最小交点数
(2) 最小交点数を決定するには
(3) 交点の数が1 または2 の図式から得られる結び目は?
7.3 交代図式と最小交点数
7.4 結び目の表の作成
第8章 描いた絡み目を「変形」しよう 2
8.1 平面の同位変形で移り合わない同じ絡み目の図式
8.2 ライデマイスター変形とは
8.3 ライデマイスター変形を使ってみよう
(1) 交点を増やすライデマイスター変形しか行うことができない図式
第9章 絡み目の指紋 !?
9.1 不変量とは
(1) 人間の不変量
(2) 平面図形の不変量
9.2 絡み目やその図式の不変量
(1) 絡み目の不変量
(2) 絡み目の図式の不変量
第10章 その絡み目、ホントに絡まってる?
10.1 簡易版絡み数とは
10.2 簡易版絡み数を求めてみよう
10.3 計算例とそこからわかること
第11章 その結び目、ホントに結ばれている?
11.1 絡み目の三彩色可能性とは
(1) 絡み目の図式の三彩色
11.2 三彩色可能かどうか調べてみよう
(1) ホップ絡み目の三彩色可能性
(2) 八の字結び目の三彩色可能性
(3) 三彩色可能性の演習問題
11.3 三彩色可能かどうかの判定結果とそこからわかること
第12章 不変性の証明
12.1 簡易版絡み数の不変性の証明
(1) 平面の同位変形について
(2) ライデマイスター変形I について
(3) ライデマイスター変形II について
(4) ライデマイスター変形III について
12.2 三彩色可能性の不変性の証明
(1) 平面の同位変形について
(2) ライデマイスター変形I について
(3) ライデマイスター変形II
(4) ライデマイスター変形III
第13章 絡み目を解こう
13.1 交差交換と結び目解消数
13.2 絡み目解消数
(1) 交差交換と簡易版絡み数
付録 結び目と絡み目の表
索引