地球環境問題やエネルギー問題を背景に、国内外を問わず原子力についての高度な知識や技術をもった技術者・専門家の育成が急務となっている。
本シリーズは、このような要望に応えるため、原子力を基礎から実務まで体系的に学習できる標準的なテキストとして、大学・研究機関・関連企業の一線の研究者・技術者によりまとめた。
https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274209840/
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1章 放射線の種類と線源
2章 放射線と物質の相互作用
3章 線量測定
4章 ラジカルとESR
5章 パルスラジオリシス法
6章 水溶液の放射線化学
7章 原子力工学と放射線効果
8章 高分子の放射線加工とその応用
9章 半導体
10章 放射線の環境浄化への応用
11章 無機材料創製
12章 放射線で見るイオンビームを用いた材料分析
13章 イオンビームによる植物の突然変異誘発
14章 重イオンマイクロビームを用いた細胞局部照射実験
15章 食品照射:放射線による食品や農作物の殺菌・殺虫・芽止め技術
16章 放射線を利用した植物の診断−ポジトロンイメージング技術を用いた植物研究−
17章 医療における放射線利用
1章 放射線の種類と線源
1-1 放射線とは
1-2 放射線の化学効果
1-3 放射線の化学作用研究の歴史
1-4 放射線の種類と線源
1-4-1 放射線と放射能
1-4-2 放射性物質からの放射線
1-4-3 加速器からの放射線
1-4-4 原子炉からの放射線
2章 放射線と物質の相互作用
2-1 γ線とX線
2-1-1 マクロな挙動
2-1-2 ミクロな挙動
2-2 電子及び荷電粒子
2-3 中性子
3章 線量測定
3-1 放射線の量をどう量るか?-線量測定
3-2 三つの線量
3-2-1 照射線量
3-2-2 吸収線量
3-2-3 等価線量
3-3 W値とイオン化ポテンシャル
3-4 線量測定・評価法
3-5 化学線量計(フリッケ線量計とセリウム線量計)
3-5-1 フリッケ線量計
3-5-2 セリウム線量計
4章 ラジカルとESR
4-1 フリーラジカル
4-2 ラジカルの生成法
4-3 ラジカルの性質とその反応
4-4 電子スピン共鳴
5章 パルスラジオリシス法
5-1 パルスラジオリシス法(パルス放射線分解)
5-2 ランバート・ベール則
5-3 化学反応の素過程と反応速度
5-3-1 一次反応
5-3-2 再結合反応 (二次反応)
5-3-3 擬一次反応 (二次反応)
6章 水溶液の放射線化学
6-1 水溶液の放射線化学の歴史と描像
6-2 水和電子,OHラジカル等の反応性
6-3 e-aq(水和電子)、水素原子、・OH ラジカルの反応性
6-4 水分解のpH依存性
6-5 水分解のLET依存性
6-6 水分解生成物G値の関係:物質収支
6-7 水溶液中の放射線反応の例
6-8 間接効果と直接効果
6-9 水溶液放射線分解の利用:放射線照射による水の浄化
7章 原子力工学と放射線効果
7-1 原子炉冷却水の水化学
7-2 使用済核燃料再処理における放射線効果
7-2-1 再処理と放射線分解
7-2-2 TBPとn-ドデカンの放射線分解
7-2-3 硝酸の放射線分解 (直接効果と間接効果)
7-2-4 TBP、n-ドデカン、硝酸混合系
7-2-5 アクチノイドイオンの放射線化学
7-3 ワンス・スルー、再処理と高レベル廃棄物の処理・処分
8章 高分子の放射線加工とその応用
8-1 高分子と加工技術
8-2 グラフト重合
8-3 橋かけ
8-4 分解とその応用
9章 半導体
9-1 放射線環境と半導体素子
9-1-1 放射線環境
9-1-2 半導体の放射線影響の種類
9-1-3 半導体の放射線影響に関する歴史
9-2 累積線量効果
9-2-1 ガンマ線と半導体の相互作用
9-2-2 MOSキャパシタの累積線量効果
9-2-3 吸収線量
9-2-4 累積線量効果を利用した線量計
9-3 はじき出し損傷効果
9-3-1 電子線が半導体へ及ぼす影響
9-3-2 太陽電池のはじき出し損傷効果
9-3-3 はじき出し損傷線量
9-3-4 モンテカルロコードを利用した重粒子のNIEL
9-3-5 はじき出し損傷線量による解析
9-4 シングルイベント効果
9-4-1 シングルイベント効果の初期過程
9-4-2 電荷生成とその深さ分布
9-4-3 電荷生成とその面内分布
9-4-4 電荷の収集過程
10章 放射線の環境浄化への応用
10-1 環境浄化技術
10-2 放射線による物理化学反応
10-2-1 ラジカル反応
10-2-2 電子付着
10-2-3 オゾンの生成
10-2-4 帯電現象
10-3 排ガス中の有機系汚染物質の放射線分解
10-4 排水中の有機系汚染物質の放射線分解
11章 無機材料創製
11-1 はじめに
11-2 SiCマイクロチューブの作製法
11-3 まとめ
12章 放射線で見るイオンビームを用いた材料分析
12-1 ラザフォード後方散乱分光法の原理
12-2 反挑粒子検出法
12-2-1 ケイ素高分子繊維
12-2-2 電子線酸化不融化法
12-2-3 PCS繊維の中空化処理と焼成転換
12-3 共鳴核反応法
13章 イオンビームによる植物の突然変異誘発
13-1 放射線による植物の突然変異
13-2 イオンビームのエネルギー付与の特徴と照射方法
13-3 イオンビームの生物効果
13-4 イオンビーム誘発突然変異の特徴
13-4-1 突然変異誘発率
13-4-2 突然変異誘発スペクトル
13-4-3 突然変異誘発の分子レベルの特徴
13-5 イオンビームを用いて作出された新規突然変異体及び新品種
13-5-1 モデル植物
13-5-2 花卉品種の創成
13-5-3 作物の品種改良
13-5-4 樹木、その他の品種改良
13-6 突然変異だけでは説明できない現象
13-6-1 交雑不親和性の打破
13-6-2 性決定の制御
13-6-3 トランスポゾンの活性化
13-7 おわりに
14章 重イオンマイクロビームを用いた細胞局部照射実験
14-1 重イオンの生物照射効果
14-2 マイクロビーム細胞局部照射実験の歴史
14-2-1 局部照射実験の黎明期
14-2-2 最初のマイクロビーム生物照射実験(紫外線マイクロビーム)
14-2-3 紫外線マイクロビームの改良
14-2-4 電子線やX線のマイクロビーム
14-2-5 1950年代の粒子線マイクロビーム
14-3 粒子線マイクロビームによる単一細胞照射の実現
14-3-1 最初の重粒子線マイクロビーム
14-3-2 哺乳動物培養細胞へのシングルイオン照射
14-4 世界の重イオンマイクロビーム細胞照射装置
14-4-1 GSIの集束式重イオンマイクロビーム
14-4-2 ミュンヘン工科大学の集束式重イオンマイクロビーム
14-4-3 原子力機構TIARAの重イオンマイクロビーム細胞照射システム
14-5 重イオンマイクロビームの生物学への応用
14-5-1 生体機能解析プローブとしての利用
14-5-2 細胞照射効果とバイスタンダー効果
14-6 おわりに
15章 食品照射:放射線による食品や農作物の殺菌・殺虫・芽止め技術
15-1 食品照射とは
15-2 食品照射の原理
15-2-1 標的はDNA
15-2-2 なぜ生物は放射