3Dプリンタは、試作品制作(プロトタイピング)のスピードアップやコストをダウンする有用なツールとして、自社での活用を検討している中小企業からの注目度もますます高くなってきています。
本書は、中小企業をはじめとしたユーザが、3Dプリンタをプロトタイピングとして活用するときに、知っておかなければならない知識を解説したものです。造形方式から3Dデータの作り方、仕上がり精度、強度、塗装、また3Dプリンタによる金属の造形と今後の課題についてもふれています。最終章は東京都立産業技術研究センターが技術支援した実製品の実例を掲載し、各社実製品のニーズに適した3Dプリンタの活用法を紹介しています。
https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274050596/
正誤表やDLデータ等がある場合はこちらに掲載しています
第1章 3Dプリンタを使うまでに知っておくべき基礎知識
第2章 3Dに必要な3Dデータ
第3章 3Dプリンターの主な造形方法
第4章 モデルへの塗装と滑らかさの評価
第5章 金属モデルが作成可能な3Dプリンタとは
第6章 プロトタイピングの実際
はじめに
第1章 3Dプリンタを使うまでに知っておくべき基礎知識
1.1 3Dプリンタの位置づけ
1.2 立体物とは?
1.3 立体物の造形方法
1.3.1 材料を刃物で削り出す方法(切削加工)
1.3.2 材料を変形させる方法(塑性加工)
1.3.3 流し込みで作る方法(鋳造法)
1.3.4 材料を砥石で削る方法(切削加工)
1.3.5 材料を磨いていく方法(研磨加工)
1.3.6 積み重ねる方法
1.3.7 組み合わせる方法
1.4 積層造形法
1.4.1 3Dプリンターによる造形物は2Dの積み重ねの結果、
1.4.2 3Dプリンタという名称について
1.4.5 サポート
1.5 3Dプリンタに適した用途を選択する
Column 付加的製造法の歴史
第2章 3Dに必要な3Dデータ
2.1 3Dデータの作成方法
2.1.1 コンピュータ上でのモデリング
2.1.2 3Dスキャンによる方法
2.1.3 3Dスキャナの読み取り方
2.1.4 リバースエンジニアリング
2.2 3Dデータによる評価
2.2.1 CAE
2.2.1 CAT
2.3 3Dプリンターで使用するファイル形式
2.3.1 代表的なファイル形式のSTL(.stl)
2.3.2 色情報を含むポリゴンデータ
2.3.3 3Dプリンタ用のファイル形式のAMF
2.3.4 その他のファイル形式
2.4 3Dスキャナは必要ですか
第3章 3Dプリンターの主な造形方法
3.1 積層の仕方によって変わること
3.2 積層造形の分類
3.3 材料押出法
3.3.1 材料押出法の造形原理
3.3.2 方向による仕上がりの違い
3.4 バインダ噴射式
3.4.1 バインダ噴射式の造形原理
3.4.2 方向による仕上がりの違い
3.5 材料噴射式
3.5.1 材料噴射式の造形原理
3.5.2 方向による仕上がりの違い
Column 材料噴射式で作成する複合材料
3.6 光造形法
3.6.1 光造形法の造形原理
3.6.2 方向による仕上がりの違い
3.7 粉末焼結法
3.7.1 実製品を作ることが可能な粉末焼結法
3.7.2 粉末焼結法の長所と短所
3.7.3 短所の抑制と実際の運用における工夫
3.7.4 粉末焼結法の作業工程についてさらに詳しく
3.7.5 方向による仕上がりの違い
3.8 パラメータの設定や特徴を理解した上での利用を
Column 強度の評価〜方向性を考慮した造形を〜
第4章 モデルへの塗装と滑らかさの評価
4.1 3Dプリンタで出力したモデルには、表面処理が必要
4.1.1 平板試験片の作製および表面状態確認
4.1.2 適正塗料の検討
4.2 下塗りから中塗りまでの塗装工程の検討
4.2.1 外観を重視した上塗り工程の検討
4.2.2 立体モデルへの塗装性の検討
4.3 異なる方式で作製したモデルの表面の滑らかさの測定
4.3.1 材料押出法で作製したモデルの場合
4.3.2 インクジェット法材料噴射式で作製したモデルの場合
4.3.3 インクジェット法バインダ噴射式で作製したモデルの場合
4.3.4 光造形法で作製したモデルの場合
4.3.5 粉末焼結法で作製したモデルの場合
Column 表面形状と寸法精度の測定結果
第5章 金属モデルが作成可能な3Dプリンタとは
5.1 金属製品の成形方法
5.2 金型鋳造法と粉末冶金法
5.3 3Dプリンタによる金属の造形
5.3.1 原材料は金属粉末
5.3.2 レーザー方式と電子ビーム方式
5.3.3 金属粉末による3Dプリンタで知っておくべきこと
5.4 従来の製造方法と比較した場合の課題
5.4.1 通常の金属材料と同等の密度が得られるか
5.4.2 表面性状を確保できるか
5.4.3 製造コストと3Dプリンタの使い分け方
第6章 プロトタイピングの実際
6.1 設計確認、形状確認
6.1.1 細かな棒状の部品(ピン、針、ねじなど)
6.1.2 中空構造(パイプ、液体容器など)
6.2 性能確認
6.2.1 強度の評価
6.3 材料の特徴を生かした評価
6.3.1 金型用の樹脂材料と3Dプリンタ用の樹脂材料
6.3.2 PPライク樹脂
6.3.3 ゴムライク樹脂
6.4 意匠デザインの検討
6.5 企業現場での3Dプリンタの活用事例をさらに詳しく
本書で用いた3Dプリンタの仕様
参考資料