これならわかる 医療被ばく説明・相談の実務

カウンセリングの観点も交えて、医療被ばく説明・相談をやさしく解説

このような方におすすめ

〇診療放射線技師,放射線科医,日本放射線技術学会会員,日本診療放射線技師会会員
〇診療放射線技師養成校の大学・専門学校生,保健学部の大学院生,放射線看護を専門とする看護師
  • 著者小松 裕司・小松 有希 共著
  • 定価3,740 (本体3,400 円+税)
  • A5 198頁 2024/10発行
  • ISBN978-4-274-23261-9
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各種放射線機器を用いて検査・治療などを行う際、患者、またその同伴者、医療従事者、周辺環境への被ばくについて安全性をもって行われていることを説明すること、またこれらに関する相談を請け負うことは非常に重要なことです。また、安全性の基準となる関連法令・ガイドラインなども時を経て移り変わるため、診療放射線技師をはじめとした医療従事者がその時期・世相などに応じた理解をもって説明・相談することもまた重要です。

本書は、医療被ばく説明・相談の各場面における実際的な対処について、最新の関連法令・ガイドラインを踏まえつつ、カウンセリングのコツも交えながら、実際の現場で役立つよう、わかりやすくまとめた書籍です。

https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274232619/
1章 医療被ばく説明・相談とは
2章 医療被ばく説明・相談に必要な放射線の基礎知識
3章 医療被ばく説明
4章 医療被ばく相談とカウンセリング
5章 医療被ばく相談時の話の聴き方
6章 医療被ばくの情報提供
7章 医療被ばく相談の実際
8章 医療被ばく相談記録
9章 電子メールによる医療被ばく相談対応
10章 医療被ばく相談窓口の開設
1章 医療被ばく説明・相談とは
 1.1 医療被ばく相談を学ぶということ
 1.2 医療被ばく説明と医療被ばく相談の違い
 1.3 医療被ばく相談が上手くいかない理由
 1.4 不安の原因は知識不足のみではない
 1.5 医療被ばく相談はなぜ難しくなくなるのか
 1.6 医療被ばく相談を学ぶメリット
 1.7 放射線カウンセリングと所要時間
 1.8 医療被ばく相談に最適な職種とは
 1.9 医療被ばく相談の目的とゴール

2章 医療被ばく説明・相談に必要な放射線の基礎知識
 2.1 放射線とは
 2.2 放射線防護に用いる線量
  2.2.1 物理量
  2.2.2 防護量
  2.2.3 実用量
 2.3 放射線による人体への影響
  2.3.1 組織反応(確定的影響)
  2.3.2 確率的影響
 2.4 100mSv未満の低線量域が引き起こす誤解と考え方
  2.4.1 “少しの被ばくでも危険”という噂はどこから来たのか
  2.4.2 低線量域における放射線影響のリスク
  2.4.3 しきい値なし直線モデル(LNTモデル)と誤解
  2.4.4 ランセットに掲載された論文の問題点

3章 医療被ばく説明
 3.1 法令改正に伴う医療被ばく説明の位置付け
 3.2 放射線診療を受ける者に対する説明の対応者
 3.3 放射線診療を受ける者に対する診療実施前の説明方針
 3.4 放射線診療を受ける者から診療実施後に説明を求められた場合などの対応方針
 3.5 実際の運用

4章 医療被ばく相談とカウンセリング
 4.1 カウンセリング対応が必要なパターンと見極め方
 4.2 医療被ばく相談に不安・悩みを伴う理由
  4.2.1 “放射線は危険”という固定観念
  4.2.2 「怖い」要素と放射線
 4.3 不安を伴う医療被ばく相談でしてはいけない対応
 4.4 結論から話しても伝わらない理由
  4.4.1 確証バイアス
  4.4.2 心理的リアクタンス
 4.5 カウンセリングを取り入れた被ばく相談
  4.5.1 放射線カウンセリングと進め方
  4.5.2 カウンセリングとは
  4.5.3 被ばく相談におけるカウンセリングの効果
  4.5.4 来談者中心療法
  4.5.5 自己概念の変容
  4.5.6 カウンセラーの基本的態度
  4.5.7 相談者が沈黙した場合
  4.5.8 相談対応時の座る位置の心理的効果

5章 医療被ばく相談時の話の聴き方
 5.1 信頼関係の重要性と築き方
  5.1.1 相談における信頼関係の重要性
  5.1.2 リレーションを形成するには
  5.1.3 メラビアンの法則
 5.2 傾聴の意義と効果
  5.2.1 傾聴とは
  5.2.2 傾聴の効果
 5.3 傾聴技法
  5.3.1 雰囲気作り
  5.3.2 簡単受容
  5.3.3 伝え返し
  5.3.4 閉ざされた質問と開かれた質問
  5.3.5 要約
 5.4 傾聴の実際

6章 医療被ばくの情報提供
 6.1 情報提供をする前に
 6.2 医療被ばく相談の代表的な主訴
 6.3 具体的な導入
  6.3.1 不安・悩みの原因を探る
  6.3.2 検査回数に納得できない場合
  6.3.3 被ばく線量を聞かれた場合
 6.4 情報提供
  6.4.1 組織反応(確定的影響)
  6.4.2 確率的影響
  6.4.3 漠然とした不安
  6.4.4 子供の被ばく
  6.4.5 妊娠中の影響
 6.5 確率的影響の説明で被ばく線量を伝える場合の注意点
  6.5.1 実効線量の意味と考え方
  6.5.2 実効線量を医療被ばく相談で用いるには
 6.6 医療被ばく相談の理想的な進め方

7章 医療被ばく相談の実際
 7.1 医療被ばくに関する質問を受けたら
 7.2 事例検討
  7.2.1 医療被ばく説明対応例
  7.2.2 医療被ばく相談対応例(1)【主訴が確率的影響の場合】
  7.2.3 医療被ばく相談対応例(2)【主訴が組織反応の場合】
 7.3 まとめ

8章 医療被ばく相談記録
 8.1 相談記録の意義
  8.1.1 相談記録の目的
  8.1.2 医療被ばく相談における倫理的責任と義務
 8.2 相談記録の実際
  8.2.1 相談記録内容
  8.2.2 相談記録の形式例
  8.2.3 相談記録の作成方法
 8.3 相談記録の具体例

9章 電子メールによる医療被ばく相談対応
 9.1 電子メールによる医療被ばく相談の特徴
  9.1.1 電子メールによる医療被ばく相談のメリット
  9.1.2 電子メールによる医療被ばく相談のデメリットと注意点
 9.2 電子メールによる医療被ばく相談対応の実際
  9.2.1 電子メールの場合の質問パターンの見極め方
  9.2.2 電子メールでの対応開始時の対応(初回の返信)
  9.2.3 医療被ばく説明対応の質問への返信例
  9.2.4 医療被ばく相談対応の質問への返信例
  9.2.5 メールのやりとりが途絶えた場合

10章 医療被ばく相談窓口の開設
 10.1 開設準備
 10.2 相談を受けるにあたっての注意事項
 10.3 医療被ばく相談窓口が全国に増えたら